Poovellam Un Vaasam (プーヴェッラーム・ウン・ヴァーサム)

Indian Movies / インド映画の話

Title : Poovellam Un Vaasam (2001年 Tamil)
Director : S . Ezhil
Music : Vidyasagar (ヴィディヤーサーガル)
Starring : Ajithkumar (アジットクマール:チンナ), Jothika (ジョーディカ:チェラ)

 恋愛ファミリーもの。長年お隣同士で仲良しだった二つの家族が、誤解とエゴにより友情が崩れ始め…。

Story)

 大学生のチェラ(ジョーディカ)とチンナ(アジットクマール)は、幼馴染み。それぞれの家族同士で三代50年に渡り、 大親友の付き合いが続いている。両家の玄関こそ別々だが、中に入ると両家を自由に行き来できるような建物の作りにするほど。

 二人はやがて、互いを意識するようになるが、長いこと友達だったこともあり告白できずにいる。
 そこへ、二人の共通の友人であり、チェラを好きなカルナ(Yugendran)が横恋慕。チェラが自分のことを好きで、将来チェラと婚約する、とチンナに嘘を告げる。 悪い偶然も重なり、すっかり誤解しショックを受けるチンナ。しかし、二人のために身を引こうと心に決める。

 その誤解からやがて、チェラとチンナは話がかみ合わず衝突。
「私が好きなのはあなた、とこうして言っているのに、どうして他人の言うことを信じて、私の言うことを信じてくれないの?」とチェラはキレてしまう。ようやくチンナは誤解に気付き、チェラに何度も謝るが、チェラは拒絶。これが元で、二つの家族の友情が揺らぎはじめる。

 チェラ家のチンナ家への拒絶行動がエスカレートし、やがてチェラに別の男性との縁談話も進み、いたたまれなくなったチンナと彼の家族はある決断をした…。

 (映画名の意味:「どの花にもきみの香りがする」)

コメント)

 このタイトルはとてもロマンティックで、見る前に内容を想像したくなるいい名前ですね。
 ふたつの三代同居の大家族同士の友情と、その一番末の世代の若者同士のロマンスを描いたお話。
 ジョーディカ演ずるチェラは、幼いころ父親に自分の言い分を聞いてもらえずに、ちょっとした疑いをかけられたことがトラウマになり、父親に打ち解けないまま成長。そして、チンナも自分の言い分を聞かずに、他人の言うことを信じ込んでしまったことに腹を立て、そのために両家の友情に亀裂が走っても、頑なな態度を崩さないでいる。

 チェラの気持ちも分かるんだけど、何だかあまりに幼すぎるような…。 しかも相手が折れてくれているのに。そんな歳にもなって、そういう態度を取り続けるかあ?
 逆に上の世代の家族同士も、長い付き合いならその間にいろいろあっただろうし、今更その友情が小娘の意地っ張りなワガママのために崩壊するの?という気もする。むむむ。

 ジョーディカの役にあんまり感情移入できなかった。アジットの恋する演技も、ちょっと甘ったるい感じ。(こういうのは、プラシャーントの方が、ハマり役かも?)

 …ということで、題材的にはおもしろいのに、惜しい!音楽(Vidyasagar作)はいいです。特にアジットが妄想してジョーディカと踊る『Pudhu Malar(新しい花)』は、めちゃくちゃプリティーで大好き♪

 ジョーディカの役にイライラしながら見てたけど、ラストはホッとしました(笑)。初代のおじいさん同士(コメディー俳優として長くMGRたちと組んだナゲーシュが、かわいいおじいちゃんになってます)、2代目のお父さん同士の友を想う演技がジーンときます。
 それから、コメディを請け負うヴィヴェークが、他の映画よりやや控えめな演技で毛色が違うけど、いい味を出してます。

 家族みんなで鑑賞する系、の映画を観たい方にはオススメ。同じ頃に大ヒットしたヒンディー映画【Kabhi Kushi Kabie Gham…】もファミリーものなので、タミルとヒンディーの切り口の違いを見較べてみるのも楽しいかも。

(2003年4月にアインガラン社製DVDで初鑑賞。2003.5.27記)

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