1999/7/25: 小岩のインド・ネパール料理、サンサール

東京都江戸川区南小岩5-18-16 ニューシャトレ103
(TEL)03-5668-3637 営業時間:11:00〜22:30
月曜休


TOKYO CURRY SHOP LISTで、最高にうまいとの報告があり、さっそく出向いて見た。 小岩駅から徒歩10分。駅前(南口?)のあさひ銀行と三和銀行の間の道を(フラワーロード)まっすぐ歩いていきます。
サンサール

店の前に、ランチやメニューが置いてあります。
サンサール サンサール サンサール

店内は、わりと広々としてます。カウンターには10人ぐらい座れ、テーブルも4人掛けが7つぐらいありました。
店の中


電車賃使っても行く価値大あり

サンサールについて
食べた料理の前に、私とサンサールについて書いておかねばならない。サンサールに訪れたのは、今日が初めてなのだが、実はここの味は以前体験しているといっても過言ではないのである。店に入った時に、オーダーをとりにきた女性の方に声を掛けられた。

ウルミラ「前にガンディによく来ていた方ですね」

その女性の方を見ると、なんとガンディでオーダーをとってたウルミラという女性の方であった。

私「おー、なんでここにいるんですか?」
ウルミラ「ガンディ辞めてこちらに来たんです」

ウルミラさんから差し出された名刺にはマネージャーとなっている。日本に来て8年、お金を貯めてようやく自分の店を持ったそうだ。それがこの「サンサール」というわけである。自分が辞める時に、ガンディからコックをつれて来た。おそらくガンディの基礎を築いた人であろうか。南インドはマドラス出身の人と、ネパール出身の人がサンサールのコックである。ちなみにウルミラさんは、ネパール出身。
メニューを一通りみたが、まだネパールらしさというものは見受けられない。むしろインド料理であるかのようだ(しかもガンディのメニュー内容にとてもよく似ている、いやほとんど同じ)。オープンしたのは今年の6月で、まだ出来てたのほやほや。これからネパール料理をどんどん紹介していこうと思っているらしい。土日ネパール料理の一部を提供しているようだ。
なにはともあれ、ガンディの味を知る私としてはこれは期待大である。さっそく今回食べた料理を紹介していこう。

ラッサムスープ
一口飲んで納得。これぞ私が最も理想とするラッサムの味。「ガンディ」のラッサムの味がまさにそうだったのだが、それがここにある。もともと「ガンディ」でラッサムを作ってたのが、この「サンサール」のコックなのだ。ということは今の「ガンディ」ではこの味を味わうことが出来ないということか。ラッサムというとトマトが強調されすぎてて、トマトスープと間違えそうなものが多くあるが(トマトラッサムというのは私はどちらかといえば好みではない)、このラッサムはトマトが強調されすぎず、辛み、ニンニクの香りと味、コショウ、タマリンド、酸味、それぞれ調和してそれぞれがステレオにわかる。塩気は強いが、これがラッサムは重要で、ある程度強くないとぼけた味になってしまう(私が家で作る場合、これに悩まされている)。そしてたしかな味を醸し出している。これをご飯にかければ言うことなし。まさにインド茶漬け。一つ残念なのは、カレーリーフが入ってないという点のみである。これは仕方がないことだ。なくてもこれだけの味を味わえるのだから見事。これにカレーリーフ入ったらいったいどんなに凄いことになるやら。
ラッサムスープ ラッサムスープ
ラッサムスープ(マドラスの本式)
なんとマドラスの本式のラッサムもご馳走になってしまった。こちらはさらにトマトが少なく、硬派なラッサムとでもいうべきか、とても味がしまっている。これに比べると本来店でだしてるラッサムは、どこか華やかでスープとして飲むというほうにより近い気がする。マドラス本式のほうがより家庭的な感じで、よりご飯に合っている。どちらかといえば、こちらのほうが好みかな。おそるべし。うーむやはりこういうのを食べると南インドに行って本当のラッサムとか食べて見たいと思う。
ラッサムスープ(マドラス本式) ラッサムスープ(マドラス本式)
プレートにのった料理
このようにプレートででてきたが、ちなみにランチを頼んだわけではない。たまたまである。このプレートはどこかで見たことがあるな、「ネパール家庭料理」という本だったかな。それではこのプレートの詳細を見ていこう。
プレートにのった料理
スリランカのカリー
ん、これはサーヴィスか。スリランカのフィッシュのカリーだそうだ。しかし魚はどこに? 香りはするが、どっちかというと野菜カリーというほうが強いか。しかしよく味がでていて、全体の具合がよい。ゴージャスなサブジといってもうなずけるかもしれない。そうだな、「カーマ」のサブジみたいな感じかもね。
スリランカのカリー
グンドュルック
私「ネパールというと、グンドュルックが有名ですよね」
ウルミラ「えっ、よくご存知ですね、グンドュルック出来ますよ」
私「え、そうですか、では是非ともお願いします!」

という会話の後にでてきたのがこれである。先日シャンティ・マヤで食べて以来、とても気に入ったものである。これは各種野菜の葉っぱを乾燥させた(グンドュルック)もので作ったカリーで、冬に仕込んで夏に食べる、まさに今が旬のものなのである。シャンティ・マヤでは私が食べて終ってしまったので、来年までまたなくてはいけないが、なんともここで再び食べれるとはおおもわなかった。この葉っぱの香りがとても香ばしくて、高菜ともいえるような感じを匂わせている。とてもシャブシャブしてるので、ご飯によく合う。

ウルミラ「グンドュルックあれば、ご飯たくさんたべれます」

うんうん、これがあればいくらでも入ってしまう。これとラッサム、ミックスピクルスをぐちゃぐちゃ混ぜて食べると最高。まるで、南インドのミールスのような感じである。
ちょっと心配なのは、このような料理が多くの人に受け入れられるかどうかである。ウルミラさんも言ってたが、「うちはどっちかというと、今はメニューはインドの料理がほとんどです。そして、スパイスも強いから、ネパール料理はもしかしたら好まれないかもしれないです。ネパール料理はスパイスこれほど強くないですから」といっていた。なるほど、ネパールは南北の標高差が大きいので、気候に準じてか料理の味もインドにくらべて穏やかで、スパイスも少なめに使用するようだ。
現実問題として、多くのネパール料理の店は出しているものがインド料理と大差ないものが多く、ネパール料理らしさというのがなかなかないものである。最近私がいってるところなどではすこしづつ紹介してきているが...

グンドゥル グンドゥル
ミックスピクルス
このミックスピクルスは、そのまま食べると塩っからくてとてもじゃないが、頭を抱えてしまう。これをご飯とカリーに混ぜて食べるととてもうまみが倍増するといったすばらしいアイテムである。したがってご飯を食べるときにはこれはかかせないものなのである。
ミックスピクルス
ウォー
またまたメニューにはないものが出て来た。これはネパールの祭やパーティなんかで出されるもので、酒のつまみといってた。一瞬デザートかとおもったけど、そうではなかった。外側はサクサクしていて厚みがあります。ちなみに外側は豆で作られている。中はモモチャの中身で、挽き肉にスパイスを忍ばせたもの。とはいえスパイススパイスしているわけではないです。重くなく軽やかでつかみとしてとても良いです。
ウォー ウォー
マサラティ
食後の一時
マサラティー マサラティー

[総評]

これを御覧になられた方は、なんだか肩すかしをくらったかもしれない。マトンカリーやらタンドールチキンやら、ナンといったものがどこにもでてこないからである。なぜそういったものがここでないのかというと、最近私はそういったものに興味がなくなってきているというのが正直なところである。つまりここで食べたものが最終的に私が望むインド料理、またネパール料理なのである。
いかにご飯を美味しく食べれるかということなのである。そのためのラッサムであり、ミックスピクルスであり、グンドゥルであったりするわけである。
最初この店に来るときには、どういったものを食べようかいろいろ考えた。初めての店だし、スパイスが際だっているからマトンカリーあたりで様子みてみるかとか...
そしてとりあえずメニューを見た所、あまり面白みを感じなかったのと、店が南インドとネパール両方のコックがいたこと、ウルミラさんとはちょっと知合いであることから、とりあえず話してみてどれだけこちらの要望が聞き入れられるかを確認した結果なのである。南インド料理というのは米主体であるので、ラッサムとかミックスピクルスといったあちら(南インド)の食事形態に合わせた(つまりそれらをご飯にかけて食べるのである)。もっともラッサムは食べる前にうまいのがわかってたから言うまでもないのだが。そして、ネパールの料理も家庭の味に魅了されているので、グンドゥルはまさにうってつけといったところである。
結果としてとても満足している。また、これからの展望も見えてきた。今考えていることは、この店で南インドの昼時の定食であるMealsをお願いすることである。そのMealsに、南インドとネパールの両方の家庭の味をミックスした形を描いている。ラッサム、サンバル、ポリヤル、グンドゥル、チャトニ...といった、ご飯をいかに美味しくたべさせるかという演出ですな。それがここでは可能であることを確信した。これが出来るところというのは、私の知る限り横浜の緑園都市にある「ガネーシュ」というインド料理屋だけである(とても素晴らしい)。いかんせん場所が遠いので、なかなか大変である。ここはそれに比べて行くのもわりと楽だから、まさにうってつけでもあるわけだ。
美味しいものを食べようとおもったら、やはり店員と話しするのが近道であるといえよう。そして、店員が食ってるものを食べろというのは実は的を得ているわけである。

1680円


[動画でgo!]

Piconaもってないので動画はない。