2001/11/8:六本木のスリランカレストラン&バー、アータラ・ピータラ

東京都港区六本木3-15-23花椿ビル3階
03-3478-3898
11:30〜14:00(ランチ)
17:00〜25:00(ディナー)
無休

参加者は、nishino、inaの2人でした。


お店は都営大江戸線の出口付近の六本木交差点の近く。店内は広く、ゆったりとしている。
DSC-SX560による撮影データDSC-SX560による撮影データ


アラックのソーダ割
アラックはMendis(予想したとおり)。飲みやすく薄くしているようだけど、個人的にはもっと濃いほうがよい。
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インディ・アーッパ
スリランカではポピュラーかつ、重要な食べ物であるにもかかわらず、日本では出しているところがほとんど皆無であるのは残念。それだけに食べれることはうれしい。量は10玉(という数え方は不適切かも)で、まぁまぁ。太さや色から、見た目になかなかよさそうだというのがわかる。味はほのかな甘みがある程度。さて問題の食感だが、悪くない。キリ・ホディ、ポル・サンボールをよく混ぜて食べるわけだが、これがなかなかよい。
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マッルーン
キャベツのほのかな甘みがあり、やさしい味わい。ロティとあわせるのもよいのだが、やはりこれはライスのオカズとしてのほうが良いであろう。
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キリ・ホディ
メニューには載せていないが、作ってもらえる。そもそもスリランカの料理で、カリー等を作るうえでも基本となるものだから。直訳するとココナッツミルクスープといったところ。また、現地の家庭においてもこれの登場回数はとても多い。朝食にパンにつけて食べたり、昼食にライスにかけて食べたり、夕食にインディアーッパと共にといったように、いろいろなところで登場する。味付けは人によってさまざまであろうが、あまりココナッツミルク臭くせずに、シンプルに仕上げるほうがこれは良いように思う。さて味のほうだが、ココナッツミルク臭くなく、まろやかというよりもおだやかに、若干ココナッツミルクを抑え目にしつつ、香りにも気を使ってる様子がうかがえる。風味に気を使ってるところがうれしい。色合いはカハ(ターメリック)をごく少量加えているため、薄黄色をしている。
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ケセル・カリー
珍しい料理。バナナのカリーである。メニューにこのカリーがあるのを発見したとき、ウェイターに確認したのは、バナナである。アル・ケセルを使ってるのかという問いに、「オゥ」という返事が返ってきたので注文。グレービーは、先のキリ・ホディベースとなっており、若干こちらのほうが甘め。アル・ケセルは、食感が芋に似ていることや甘みがないので、調理用としては扱いやすいものかと思われる。ぜひとも一度試してみてもらいたい。
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ピットゥ
アーッパ、インディアーッパもそうなのだが、とくにこれが試したかった。この料理のほうが、アーッパやインディアーッパよりも出しているところは皆無に近いかもしれない。現地で食べた食事でも、とりわけかわっていると思った料理である。ただし、この店で出しているものとは形相や味は異なっていた。比較してみると、現地で私が食べたものは、色は薄い茶色をしていて、全体の形はこれと同じく筒状ではあるものの、粒粒がもっとはっきりと、米状のものであった。イメージとしては山菜おこわを、筒状にしたものと思ってもらってもよい。味のほうはほのかな甘みを感じる程度。一方この店のものは、色は白く、粒粒は米状と見えなくもないけど、崩れている感がある。味のほうは、若干こちらのほうがココナッツの香りがあるという感じであった。食感については、ボロボロっとしている。いっしょについてくるココナッツミルクをかけて食べるのもよいのだが、先のキリ・ホディをかけてたべるのもお勧めしたい。
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ポル・サンボール
スリランカの料理を食する上では、これは欠かしてはいけないものであると思う。ココナッツのすり身(日本で作るときはココナッツ・ファインを使うとよいでしょう)に、チリやタマネギ、モルディブを加えたりして、塩で味を調えつつ、練り上げる。それに酢橘の汁を加えれば完成という、単純ながらも味わいは深い。インディ・アーッパや、アーッパ、ライス、パン等あらゆるものに混ぜて食べることができる。ということで必ず注文しましょう。
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パリップ・カリー
パリップもまたよく食べられている。いわゆる豆の料理であるが、作る人によっては、豆を煮崩してグレービーもトロトロにしたり、ポテッとしたり等いろいろあり、テイストもまた異なる。この店のようにグレービーがシャバシャバで、豆は少なめというのを食するのはこれで2度目である。ココナッツ・ミルクが前面にでて、豆の風味が感じられないようにならないことが大事ではないかと。そういう点に注意しつつ味わってみると、豆の風味は感じられ、ココナッツミルクもミルク臭さはなく、なかなか良いバランスを保ってるように思われる。ライスとの相性はもちろん、インディ・アーッパやアーッパにもバッチリなので試してみて欲しい。
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アーッパ
演出がいい。小さなお椀状のフタ付き鍋で作られる、これまた変わった料理。この料理は形にその意義があると思う。真中はプクッと膨れていて、外側が薄くなっている、その形状は口で説明するのが難しい。外側が薄くなってるのはよいが、真中の膨らみが不十分なのが残念。味は特に問題はない。焼き上げられて香ばしく甘みがあり、これだけでも美味しく食べれるであろう。
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ビッタラ・アーッパ
これはアーッパの真中に玉子を落としたものだ。半熟の卵の黄身のトロッとしたところが、なんともよい。
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ビッタラ・ロティ
ビッタラといのは玉子という意味。これはロティに玉子をはさんだようなつくりになっているが、現地では玉子を上に重ねて折りたたまれてでてくる。味のほうであるが、チョップされたトマト、あら挽きのペッパーの刺激はなかなかよいのだが、肝心の玉子があまり入ってなくて少々残念。玉子はたっぷり使ってもらいたい。食感はクレープのようで、そしてココナッツ・オイルの香りが漂っているようであれば、最高だったのだが、それはなかった。
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ワタラッパン
ワタラッパンを食べるのはこれで3店目だが、いずれもテイストが異なる。この店のものは見た目がムース状だけれども、食べ口の固さからこれまたオーブンで焼いているだろうということを感じる。甘みは控えめ。
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キリ・パニ
ヨーグルトにキトゥル・ハニーをかけたもの。蜂蜜に似たテイストだが、甘みの質は異なる。タップリかけて食べるとうまい。量としてはこれの倍ぐらいがいいかも。
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キリ・テー
ミルク・ティです。
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●バダ・ピリラ

料理を作っているときに、ほのかに漂う香りが、現地での食事を思い出させてくれた。スリランカの料理を出す店は実は少ない。また、料理自体もカレー主体になりがちになってしまう。この店の料理の品数は申し分ない。酒のつまみもさることながら、カリー中心ではなく、オカズもなかなかの充実ぶりだし、肝心なところは押さえてあるといったところ。とりわけ、アーッパ、インディアーッパ、ピットゥがメニューに載っているのがとてもよい。スリランカの料理は、辛い、とびきり辛いものだというイメージがあるようだが、たしかに辛い料理もあるけれども、それだけではない。もっとセンシティブな部分がある。ココナッツをよく使うからと言って、やたらとそればかりが目立つような味付けは、逆にしつこく感じるしワンパターンになりがちであろう。実際は料理によって濃度を調整し、全体のバランスを考えるべきである。この店の料理はそういう部分が伺われるので、再度来てまた次回は違った料理を食べてみたい。