2003/6/12:京橋の南インド料理、Dhaba India

東京都中央区八重洲2-7-9サガミビル1F
Tel:03-3272-7160
平日11:15〜14:30LO
17:00〜22:15LO
土曜日は12:00〜22:00通し営業
日曜定休日

参加者は、nishi-yan、inaの2人でした。


銀座線京橋駅5番出口から歩いて3分ぐらいのところにある。位置としては東京よりかな。表通りには面して無いが、目立たないということもない。名刺、メニューには堂々と「ミールス」と「ドーサ」の専門店と書かれている。
DSC-SX560による撮影データDSC-SX560による撮影データ

壁は青を基調としたインテリジェンスな印象を受ける。4人がけのテーブルと、壁向かいの一列になった一人用のテーブルをあわせると、40〜50人規模のキャパである。テーブルはわりと大きめで、テーブル間はわりとゆったり目。全体的にダイニングバー、レストランといった趣か。入り口正面からみると、厨房はオープンになっているので、調理風景を見ることができる。
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アルボンダとダルワダ
ジャガイモのボンダと豆の入ったワダが2つづつ、それとチャトニはジンジャーチャトニ。サンバルは付かない。メニューでは前菜として区分されており、酒のつまみとしてという感じ。他にグリーンサラダや、ウタパム、ミックスパコラがある。味のほうをみていこう。ボンダはホクホクとしており、イモの甘みと外側の生地のサクサクした食感がなかなかよろしい。ワダも小さめながら(一口サイズ)もホクホクしていて味もなかなか。ジンジャーチャトニは、いくぶん甘めで濃い目の味。
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ペーパードーサ
今回はペーパードーサを食べてみたが、他にプレーン・ドーサ、マサラ・ドーサ、キーマ・ドーサ(マニアックかも)、オニオン・ドーサがある。ドーサのサイズは結構大きめであり、焼き目もなかなかよく食感もパリパリしている。サンバルはほとんど具がなく、ほのかな酸味とシャバシャバ加減のバランスはなかなか良い。2種類のチャトニは、ワダにも付いてきたジンジャーチャトニとココナッツチャトニ。ココナッツチャトニは、甘く濃い目である。
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白身魚とバナナの葉蒸しココナッツの香り
メニューには南インドの一品料理にあり、食事よりもお酒のおつまみの部類になるであろう。他に貝柱とえびのシャクティマサラ、季節の魚のインド式バーベキューがある。バナナの葉にココナッツミルクのソースに白身魚(あこうだいを使っているようだ)が包まれてでてくる。葉を開けるとココナツの甘い香りが漂う。ココナツミルクのソースはそれほど濃厚という感じもなく、甘みと香りが良い。ソースをからめつつ食べてみると、身のやわらかさにココナッツの甘さと爽快な味わいが南国気分をイメージさせてくれる。惜しむらくは一瞬で食べきってしまうことか。3人だと量的には少なすぎるから、せいぜい2人で一皿といったところだろう。
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ミールス
ミールスはノン・ベジかベジのどちらかから選べる。今回はベジのほうにした。ライスは普通の日本米もしくはバスマティライスのいずれかが選択できる。長粒米はありがたいが、バスマティライスはもったいないような...しかしながらバスマティを選択。それと、ここには写ってないが(後ででてきますが)、プーリもしくはナンのどちらかが選択できる。まぁ当然プーリでしょう。小さいカトゥリ(自宅にあるやつと同じサイズだったな)に6種類、トマト・チャトニがちょっぴりついてくる。あとはライスにパパドが盛られている。全体量は少ない。そこで問題はお替りできるかということになる。メニューにはそれらのことについては一切書かれていないので、多くの人はこれで完結してしまっていることであろう。もしくはライスのお替りをする程度にとどまっているかである。そのあたりはっきりさせるため、私はライスだけでなく料理のほうもお替りをお願いしてみたところ、すんなり通ってしまった。フロアマネージャーらしき人が料理を持ってきたときに、そのあたりを聞いてみたところ、どうやら明確にそのあたりを決めているわけではなさそうであった。今までそういう人がいなかったからであろうか。すぐに出せるものとそうでないものがあるので、全ての料理がお替りができるかというと、そのときの料理内容によるみたいである。今回はラッサム、サンバル、チャトニについては可能であった。もしかしたらライタも可能であったかもしれない。ものによっては追加料金で対応するような感じであろうか。そういうことなので、お替りを希望する人は言ってみるといいだろう。それと今日のミールスを食べた印象として、某店の味に似ている点が特に印象的であった。
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プーリ2種類
プーリは普通のものと、サグ・プーリとの2種類。プーリの生地は厚めなので、ミールスをお替りしないで食べ終えて、実はちょうどよかったと思える量なのかもしれない。
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トマト・チャトニ
まずはペロッとひとなめしてみたが、濃度としては特に問題も無い。知り合いで既に訪れた人の中には、チャトニの薄さを指摘していたが、先のティファンについてきたものも含めて、この日食べた限りではそういう印象は感じられない。ライスにまぜても薄まることはなく、味わいは軽いトマトの酸味でさわやかな印象。
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サンバル
写真が少々ボケてはいるのが残念。味についてはドーサのときと同じ。具は人参が入っていた。
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アル・ベイガン
ジャガイモとナスの炒め物。一口でおしまいという量だ。味わいは甘さを基調にして、食べ口がなかなか濃い印象を受ける。
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サグ
これも甘さを基調として、グッと全体が濃い目の印象をうける。ライスに少量まぜたときにまろやかさがある。
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ラッサム
トマトの濃度が濃い目で、辛さや酸味は押さえ気味。ちょっぴりペッパーの刺激を感じることができる。
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キャベツのクートゥ
濃い目でトロトロのソースにキャベツが少々。なめらかな口当たりで、甘めの味わい。これまでのところ料理の多くは甘さが目立つ。あまり量があると飽きるかもしれない。
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ライタ
締めにライスをお替りしてライタをかけて食べた。
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デザート2種盛り合わせ
マンゴークルフィーとフルーツのジュレ。クルフィーは小さなカップに入っており、甘さはくどくなく味わいも濃厚ではない。フルーツのジュレは、全体の甘さは控え目でゼリーに柑橘系の香りと、味わいがなんとも爽やか。ここのオリジナルだろうか。その他のデザートは、カスタード入りクレープに、今回デザート2種類のクルフィ、ジュレがそれぞれ単品で3種類用意されている。
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マドラス・コーヒー
もちろんチャイもあったが、飲むべきはやはりコーヒー。おなじみのカップででてくるが、一度客自身で好みの分量の砂糖を入れて、スタッフに手渡すと泡立ててくれる。泡の部分のテイストがまろやかでイケます。コーヒー自体もなかなかおいしい。
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●ごちそうさま

この店がオープンしたのはつい10日前のことである。今回来る前に、既に何人かのインド料理好きの人からこの店の外観や雰囲気、味や料理についての感想を聞いていた。しかし実際には自分で行って食べてみないとわからないものである。南インド料理を提供するお店は、まだ日本においては数がとても少ない。そんな中で京橋という地に南インド料理のお店が出来た。しかも「ドーサ」と「ミールス」を主とした専門店は初めてのことであろう。南インド料理好きの人たちには、不安とともに期待が寄せられることであろう。
店内はオープンな作りで、壁一面は青を基調としたインテリジェンスな内装。木でできたテーブル(うっかり体重を乗せると動いてしまうので注意が必要)、椅子がいくぶん落ち着きがあり、気軽に入れるような印象を受けた。テーブル間はわりとゆったりしているので、狭さは感じない。オープンになった厨房は、ハイデラバード出身でありインド各地にあるTajグループのホテルにて腕を振るったシェフが2人。ホールは日本人が2人であたっている。
席に着きメニューを見る。種類のほうはそれほど多くなく食事の主となっているものは、ドーサとミールス。多くのインド料理店にある、カレー類の単品の決まった料理はなく、それらが食べたければ、その日提供されるノン・ベジ、ベジのミールスで出される料理から選択できるようになっている。それらの料理は日替わりとなるため、何があるのかはスタッフに問い合わせないとわからない。
その他、ビールやワイン、カクテル等が充実しており、それにあわせて前菜、タンドール料理、南インドの一品料理といったつまみ的要素が多いものが多い。それらが600〜1000円ぐらいの価格で提供されている(南インドの一品料理は平均1300円ぐらいか)。パーティメニュー等も用意されているが、やはり酒を飲みながら食べれるように構成されている。そして食後のチャイやコーヒー、デザートが数種類というような構成。
その日は、客層は近所の会社帰りのサラリーマンのグループやカップルが目立っており、酒を飲みながら一品料理をつまむといったケースが多く見られる。まぁ場所柄それは予想していた通りだった。しかしながら、まだ10日程しか経ってないので、客の入りにかんしてはもうしばらく先にならないとなんともいえないところだが、今後もこういった客層が大半を占めるとすれば、客単価はおおよそ4000〜5000円ぐらいにはなるであろう。この先わからないが、今の感じだとディナーは1回転でまわすという感じか。ミールスを目的で来る客は、ミールスがおおよそ2000円ぐらいに食後にデザート、コーヒーを飲むとして、2500〜3000円ぐらいといった感じである。料理については、ミールスの料理は固定では無いので毎回作ることになるし、現在の質を維持していくのは大変だろうなぁなどとコーヒーを飲みつつ思いにふけっていた。
食事も一段落したので、フロアマネージャーらしき人にお話を伺ってみた。そもそもなぜ「ドーサ」や「ミールス」を専門としたお店を出したのかということ。もともと本人も10年程まえには厨房で調理を行っていて、南インドの料理が好きだったこともあり、専門店を出したかったというのが第一の理由であったようだ。インド料理のマニアというより、あまり良く知らない一般の人たちに根付いてもらいたい、そして食堂のような雰囲気で食事をしてもらえるようになったらいいのではないかというイメージがあるようだ。ただし提供している料理は、インド料理を知っている人にはともかく、一般の普通の人にとってはまったくといっていいほどなじみのないものであるから、すぐには浸透するのは難しいであろうとのことである。周りで食べていれば、そういう雰囲気の中で興味を持って食べてみようという気にもなるが、未知のものにたいして、やはり敬遠しがちだという。ミールスの説明をしても、なかなか注文していただけるまでが大変らしい。そういうこともあるので、現在までのところミールスの注文の多くは、1人で一つという注文ではなく、複数で一つが多いそうだ。またメニューも今後、今のように固定にしていくつもりはないという。本当はもっといろいろ出したいが、それはもっと根付いてきてからの話。ビジネスとして成り立たなくてはいけないので、酒を中心とした料理も出す必要があるとのことである(むしろ現状はこちらのほうが売り上げのメインだろう)。日本におけるインド料理の事情からも、本来やりたいことを貫き通す難しさのようなものを、言葉の中から感じる。料理の味に関しては、もっとスパイシーな部分があり、メリハリのあるものを求めている人もいるでしょねとの問いには、そうですね...たとえば現地の街中の味を求めているとしたら確かに違いますね。シェフがホテルのレストランで修行していたこともあるので、味付けに関してはレストランの味ですから。辛さについても最初からもっと辛くすることは出来ますが、辛さに弱い人もいますから、そのような人向けに料理を出すときに、料理に後から加えてもなるべく違和感のないように配合したチリ・ソースをつけていますとのことであった。
といった会話をして帰途につく。現在のところ正直ブレイクするかどうかはわからない。今後も定期的に伺って、様子を見て行きたいと思う。