ペナン島のインド人街

ジョージ・タウン周辺には、コムタという58階建ての高層ビルや、日常品ならばGAMAストアでなんでも買える。実は宿泊しているところはリゾート地で、こういったお店がほとんどないので、ショッピングするにはいちいちこの辺に来ないといけないのであった。
58階建てのコムタ
GAMA Store
また、チャイナタウンや今回一番行きたかったインド人街も、この周辺にある。GAMAストアあたりからだと、15〜20分ぐらい歩けばタミル人が多く住んでいるインド人街にいける。ペナン島のインド人街は、規模としてはシンガポールのインド人街の1/3程度の大きさだろうか、30〜40分程度で全てまわれる。ところ狭しと、人やお店でひしめきあっている。歩いて行くと、インド人街にさしかかったあたりに、映画館があったりするが、のんびり映画を観ている暇もないので、写真だけにとどめておくことにした。2003年にペナンのインド人街に訪れて、このコラムを書いているのが、いろいろあって3年後の2006年なのだが、当時撮影した映画館の写真を観て驚いた。今やタミル映画界の若きスター、ラジニカーントの後はこの人だろうと言われている、VijayのTHIRUMALAIのポスターが!
上映中
Vijay
といっても、当時はVijayのことをしってるわけでもなく、どんどこ歩き進んで行くのであった。実は、この時期はインドのお祭り、Deepavaliがあるので、街はとても賑わっている。滞在日数がもう少し長ければ、それにぶちあたったわけで、ちょっと残念。 そんなわけでインド人街に到着。
Deepavali
インド人街
インド人街では、主に2つ目的があって、一つは当然ながら食事。ちょうど昼時だから、ミールスにありつこうというわけ。それからもう一つが重要で、こういう所でしか買えインドの調理器具の購入。といってもドーサやイディリを作る器具とかではなくて、もっと下拵えで必要な器具にあたる。それはココナッツ削り器。手動でハンドルを舞わすと、ガリガリ削れるやつ。ココナッツの実から、生ココナッツを削ってチャトニなんかを作ってみたいと思っていたのである(実際本格的に使って作ったのは、2〜3年後なんだが)。食事は後回しにして、まずは調理器具を売っているお店を探そう....そう思って歩いてたら、前方斜め前ぐらいにお店を見付けたのでそこで購入することにした。25リンギットのところを20リンギットにまけてくれた。
人混み
お店
スパイスショップ
Sweets
Sweets
とりあえず買いものもすんだから、食事にでも行こう。うーむ、しかし人混みや車がごった返しで、まっすぐ進めなかったりする。しかも、なんだかお腹の具合があまりよくなかったりする。腹痛があるとか下痢しているとかそういうのはないんだが、ゴロゴロしているような感じで、下剤を飲んだ後のようだ。こんな調子で食事して大丈夫かなと不安をかかえつつ、まぁなんとかなるだろうと思いながらノロノロと進む。
どの店にしようかと、あたりをきょろきょろしながら食堂を探す。あまり広いエリアでもないので、選択子はそれほどないのだが、とりあえず人が沢山入っているところにすれば間違いないだろう。そんなことをぼんやり考えながら歩いていると、よさそうなお店があった。SHUSI BANANA LEAF RESTAURANT。
SHUSI BANANA Leaf Restaurant
お店
外から中の様子をじーっと見ていると、お店の主らしき人が出てきて、何人かと聞いているようだ。一人だと言うと、どうぞ中へと手招きしてくれる。店の中は満員で、完全に空いている席はない。当然ながら相席となった。女性二人が座っている席へ通され、とりあえず腰を降ろす。ワナカムとタミル語で挨拶したら、ニコッとわらっていた。彼女達は既に食事は終わりらしく、チキンカレー等を食べていたようだ。
座っているとバナナの葉が置かれたので、水で軽くあらっていると、先ほどの主が料理を3品、葉の上のほうに置いて、真中にライスをドカッと盛ってくれた。それから小さめのパパド(アッパラム)を3枚程度。他に何か欲しいものありますかといってきたようなので、サンバルと言うとニヤリと笑ってサンバルを持ってきてくれ、ライスの上から並々とかけてくれた。お腹の調子も不安なので、他にも食べたいものはあったが、これだけにしておいた。
こういうスタイルは、たとえばシンガポールのインド人街にある、フィッシュヘッドカレーで有名な、BANANA LEAF APOLOの料理の出しかたに似ている。数品の料理がデフォルトで置かれて、あとは欲しいものを注文する形式。基本的には食べ放題(のはずである)。後ろの席の人はガンガンお替わりしていたみたいだ。
写真撮影をすませたので、食べてみよう。当然手で食べる。まずドカッと盛られたライスだが、粒は大き目でずんぐりむっくり。パラパラしていて粘りはない。たぶんこれはPONNI RICEだろう。お米の種類もいろいろあるが、PONNI RICEは定番の普通に食べられているお米で、ミールスにもこの米がつかわれてたりする。間違ってもバスマティライスではない。粒は大きいが、軽やかな食べ口である。
上からかけられているサンバルは、ダイコンと茄子で、味がとても浸みており絶品。トゥールダルもよく煮込まれていて、シャバっとしてライスにすっと沈む感じがよい。なにより出来たてのフレッシュ感、スパイスの香りもたっており、匂いをかいでいるだけで美味さが伝わって来る見事なサンバルだ。南インドでよく見られる、小さなパパドを割り崩して、ライスとサンバルによく混ぜて口に運ぶと、さらに美味さが広がる。クートゥは、具がイモだったか、ちょっと忘れてしまったが、これの味わいも絶品。ココナッツとダルのまろやかな味わいと、ほのかにただようグリーンチリの風味と香りがさわやか。インゲンのポリヤルは、クラッシュしたホールチリがピリリと、ほどよいアクセントになっていて、野菜の味わいも濃くうまい。ライスによく混ぜて食べると、食べる手がとまらない。ウリのパチャディは、水で伸ばしたようなシャバシャバしたヨーグルトと和えたような感じだが、これだけシャバシャバなくせして、しっかりと味わいがある。異が軽くなるようだ。到底日本のヨーグルトではここまで出来ないと思った。どの料理も、香りや味わいが秀逸で、多くの人がここに訪れるのがわかる気がした。
食事
サンバル
クートゥ
ポリヤル
パチャディ
いや、満足満足。会計したらたしか2リンギットだった。お店をでるころには、ゴロゴロして調子の悪かったお腹の具合も、すっかり直っていて体がシャキッとしていたので、あらためてインド料理の底知れぬパワーに感動した。
歩いているとさすがに暑いので、喉がかわく。屋台で冷たい飲物を売ってるので、何か飲むことにした。赤い色したものとかあるが、白いやつがよく売れているみたいで美味そうだったからそれにした。お店のおじさんは、フレンドリーな感じで、どこから来たのか聞いて来たから、日本からといったらちょっと驚いていたようだ。日本ではインド映画はやってるかとか聞いて来たので、ラジニカーントは有名だよといったら、「Oh Super Star!」と言って、また驚いていた。さて白い飲物だが、モールでした。すっきり爽やかで、暑さが一瞬でも抜けていくような爽快感。たまりません。この後スパイスやピクルス等を買い込んでインド人街を後にしたのであった。
飲物
揚げ物店