2004/10/3:板橋のバングラディシュ料理、ルチ

東京都板橋区板橋2-63-1
TEL:03-3963-8195
営業時間:11:30〜15:00
17:00〜22:00
無休

調査隊メンバーは、佐藤たかし、アフロ、まちだ、mura、inaの5人でした。


最寄駅は、都営三田線の板橋区役所前。駅構内に近辺地図があるので、番地とてららしあわせて店の位置を確認しよう。駅から歩いて5分ぐらいのところです。
DSC-SX560による撮影データDSC-SX560による撮影データDSC-SX560による撮影データ

店内はあまり広くない。カウンターはなく、全て4人掛けのテーブルが4組。16人まで入れる。ゆったりした雰囲気で、和み度はかなり高い。
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海老センベイ
普通にメニューに載っていますが、ベンガル料理でもなんでもないです。酒のおつまみにということで。
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バングラ・サラダ
トマトとキュウリのサラダ。ビールのつまみとして最高。え、サラダがビールのツマミに最高なんですか、それは凄い。そのようにメニューに書かれている。だけども我々が飲んでいるお酒は、赤ワイン。昼から飲みまくりです。前も書いたかもしれませんけど、私は好き嫌いはほとんどないのですけど、数少ない嫌いなものがキュウリ。もちろん食べることは出来ますが、美味いと思ったことはほとんど無し。自分で料理するときに、絶対に買うことはないし使うこともない野菜です。お店で注文した料理に、たまたまキュウリが入っていたら、それは食べますが、初めからキュウリが入ってると分かっていて食べることはまずないです。前置きがながくなっちゃいましたが、そういうことであれば、このサラダももちろん食べないはずなのですが...ワイン飲んでいて酔っ払っていたのか、サトウさんがこれは絶対オススメと言ったからなのかわかりませんけど、自分から「このサラダ注文しようよ」と言ってました。メニューにしっかり、キュウリが入っていると書かれているし、写真にもでているのに。なので、来たときは、もう全部が全部キュウリ...しまったなぁと思いました。まぁでも注文したんだから、食べることにしようと、まったく積極性0なわけです。おそるおそる一口食べてみましたところ、美味い。あれ、これは美味いぞ。そんなわけで、どんどん手が伸びる。キュウリって食べ口が爽やかですよね。爽やかなのはまぁいいのですけど、どうも匂いというのか、あれが自分にとってはイマイチで、なじめなかったんですけど、なんかこのサラダは、キュウリの良いところが全面に出ている感じ。キュウリのほかにはトマトが少々。それからコリアンダーリーフがたっぷりと入っている。ナイスだ。味付けは辛めで、いや...辛い、辛い、それでいてとても爽やか。そうだな、味付けは異なるけれども、サンサールで食べるカーンクロー・アツァールを思い浮かべてしまった。他のキュウリ嫌いの人にも私とおなじことが当てはまるかわかりませんが、これはとてもイケてます。もちろんキュウリが嫌いでない人は、積極的に注文するといいです。
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シンガラ
サモサとどのように違うのかはわかりません。実は同じで、バングラディシュでは、シンガラと呼んでいるのかもしれないのですが、わからないのでこれ以上は言及しません。サックリした生地に、ニンジンやジャガイモ、グリーンピース、アジョワンといったおなじみの内容。それからピーナッツが入ってます。素直に美味いです。
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ルチ
店の名前にもなっているルチ。食べなくてはいけませんね。ベンガル料理に詳しいサトウさんに聞いてみましたけど、ルチについてはよく知りませんでした。見たところ、バトゥーラに似ていますが、生地の作り方がナンとは違うようです。バトゥーラと同じく、生地は油で揚げられてプクーッとしてますので、食べたときに油のうまみというか甘味が感じられます。本当は食事の時に食べるものでしょうけど、まだこの段階ではワインのツマミで食べてました。
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ムルギ・マサラ
バングラディシュで言うところの、トルカリ。骨付きの大きな鶏もも肉が入った、この店でたいへん人気のある料理だそうだ。これだけの骨付き肉が入ってたら、見た目でも魅力的。さて、この料理を手始めに食事に突入していくわけだが、ここからが凄いのなんの。もちろん骨付きのもも肉は素晴らしい味わい。それにもましてこのグレービー(マングシェルジョールというらしいが)がとてつもなく美味い。やはりこれもコリアンダーリーフがたっぷりと入っている。板橋はハーブが安く手に入るようですね。これだけしっかり入れてる店は、一部を除いてほとんどみかけたことがない。煮込むと素晴らしい味がでてくるしね。よくインド料理なんか食べた人が感想言うときに、スパイスの際立った使い方が凄いという表現をしている人が結構いるけれども、自分はそういう言い方は好きじゃない。そもそも際立った使い方っていったいどういうことを指すのだろう。もっと単純にいこう。見た目は、かなりドップッとしたヘビィなグレービーさながら、香りはたいへん豊か。そもそも他の料理にしても、店の外にいながら、もの凄い良い香りが漂っている。そういう状態だから、店内の香りなんて、スパイスの香り酔いするぐらい。グレービーに話をもどそう。ドップッとしたグレービーも、実際に口にしてみると、まったくそれを感じさせない。というよりも、口にしたが最後、一気に食べまくるのみ。いや、勝手に手が動いちゃうのですが。しっかりした味わいながらも香りの豊かさ、辛さが絡み合い、グレービーソースが実に味わいが豊か。ソースのバランスは、辛味、香りといったものが、うまく融合しているという感じ。この味に似ている料理は、今まで食べたことがなかったので、とても新鮮だった。他の料理にも言えるが、疾風のように駆け抜ける、鮮烈なる味わい。なにより出来たてのフレッシュな料理というのが、食べていてとても感じる。そんなわけで3分で、皿が空になった。ちなみに同じものをもう一皿注文しました。
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海老マライカレー
ルチの中ではスペシャリティに属する料理か。値段も他の料理に比べてルチの中では一番高い部類に入る(980円)。値段はさておき、これまた香り豊かで味わい深い。グレービーソースは、まったくムルギ・マサラとは異なる味わい。書いていて、もっと気の利いた言葉はないのか、このあたりが今の自分の限界なんだけれども...共通して言いえるのは、食べる手がとまらない。これまたあっという間に空になる。一皿一皿順番に料理がでているわけではないんだけどね。
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キムチ・カレー
最初耳を疑った。「今キムチって言った?」。ウソではない、まぎれもなくキムチを使ったカレー。ルチのシェフ、通称マイケルさんによれば、韓国でチゲってあるでしょ、これから寒くなるから、キムチを使って作ってみたのとの事。看板に偽りなし。創作と書いてあったけど、こういうものを時々だしているのかね。メニューにはないよ。関係ないけれども、マイケルさん、納豆が好きなようです。卵をかけてまぜてご飯と一緒にいただく。大変おいしいと言ってた。いい人だ。話をキムチ・カレーに戻そう。全員一口食べて思ったことは同じだろう。「キムチの味だ」。チゲとは違うけれども、やっぱりキムチはキムチ。楽しませていただいた。
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スペシャル・マトン・カレー
マトン・ブナというトルカリが、メニューに載っているけれども、まちださんとかアフロさんの注文の仕方や、マイケルさんとのやり取りを見てて、本当にスペシャルのようです。他の料理も唸るような美味さだけど、このスペシャル・マトンは、本当にスペシャルなんだろう、これだけ素晴らしく美味いマトン・カレーは食べた記憶がない。たぶんこの料理が一番早くなくなった。ちょっと目を離すと、既になくなりかけていた。やばいぞ、急いで食わないと。これまた香りや味わいが、他のものと明らかに異なる。なんとも複雑でいて奥深い。このグレービー、どうやったらこんなに味わい深くなるのだろう。
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ダル・マトン
一番最後に出てきた料理。メニューに載っているダルとは違うみたいだ。グレービーの味わいが、なんとなく日本のカレーの味わいを思い起こさせる、そうだな...私にはそば屋で食べるときの、かつおだしを加えたような感じのイメージがあった。それでもやっぱりそば屋のものとは違うけどね。このあたりでライスがなくなってしまったから、ルチと一緒にたべた。
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●ごちそうさま

前々から気になっていたお店にようやく来ることができた。まちださんからは、美味い美味すぎるというベタ褒めの言葉を聞いていたが、正直ほんとかと...なめきっていた。そう思いつつも興味があったので、行きたいと思っていた。それに、自分のふるさとの味はベンガル料理にありとまでいわしめる佐藤たかしさんも、絶賛していることだし。最近、ようやくまともにIFC調査隊のメンバーも集まり本格活動しようかと思ってたけど(笑)、今回がその第一歩か。やや積極性を欠いたような態度で臨んだルチ...それは大いなる誤りだったとしきりに反省。カタカナでルチと書かれた看板は、かわいらしい。店内はき飾ったところもなく、地域に根付きそうな簡素ながらも、和めそうな雰囲気。私が好む空間だ。ランチタイムと言えども、アラカルトのオーダーOKというのも、ポイントが高い。客が食べたいものを食べさせてくれる姿勢は好きだ。実際に酒をのみつつダラダラとつまみをつまむ進行は、せっかちな人ならイライラするだろうけど、私にはフィットする。これだけでこの店を好きになった。お店のシェフの通称マイケルさんは、バングラディシュ出身の方みたい(ちゃんと確認はしていない)。料理はマイケルさんの家庭料理を提供しているとのこと。実際に料理が出てくるのは、やや遅い。一つ一つ丁寧な仕事が伺える。気さくで真面目で人柄は文句なしであろう。自分のペースで仕事をこなすタイプと見た。値段も安くて良心的なんだが、とにかく料理には驚いた。名前だけ聞けば、どこにでもありそうな料理がメニューには並んでいるが、実際食べてみると驚きの連続。今までも美味いと思った店はいくつかあるけれども、この店は抜群の美味さ。久しぶりに胸おどる、魅力的な店に出会えた。ベンガル料理にとことん惚れ抜いている佐藤さんは言う。ようやく自分の求める、自分が昔食べていたベンガルの家庭料理に出会えた。この味を皆に知って欲しかったのだと、熱くかたる。ベンガル料理は最高に美味しい料理なのですといいつつ、とてもうまそうに料理を食べるのであった。ルチとの出会いに感謝。