2005/9/10:溝の口のスリランカ家庭料理、SURASA

神奈川県川崎市高津区下作延236-3
TEL:044-857-1158
営業時間:11:30〜14:30
18:00〜23:00
水曜定休

参加者は、マコラジャ、むんむんinaの3人でした。


溝の口駅、武蔵溝の口駅から徒歩5分。通りに面した1Fにある。店内はフローリングの床に、シンプルな内装。20人ぐらい入れる。オーナーはスリランカのキャンディ出身のシンハラ人で、調理補助兼ホール担当の女性との2人で、きりもりしている。
DSC-J2による撮影データDSC-J2による撮影データDSC-J2による撮影データ


フィッシュ・カトゥレット
魚のすり身のコロッケ。外側はカリッと、中はすり身が甘くやわらかかく、ほんのりスパイシー、スリランカのビール、ラガー、スタウトどちらでも一緒に飲みながら食べればハッピーだ。
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ビッタラ・ロティ
ゴーダンバの間に玉子をはさんだ、スリランカの食堂などでも定番の食べ物。玉子の甘みと、外側の生地の味わいがなかなかよく、上にかけられたソースが濃い目でなかなかよい。
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デヴィルド・フィッシュ
デヴィルドは辛めのチリソースにペッパーが効いた、酒のつまみに最適な料理だ。具は肉や魚などがあるが、今日は魚にした。肴はバラマール(マグロ)。あまりこってりとした仕上がりではなく、辛さもやや控えめな感じがした。これにスリランカの銘酒アラックをやりながら食べると最高だ。ちなみにこの店では、アラックはダブル・ディスティールを置いている。オススメのアラックだ。
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ロティ
大きめで中には野菜が入ってて、ちょっと肉厚。固めの焼き方、表面の焼き目などを見てちょっとにんまり。スリランカの家庭で食べたロティで、こういうのあったなぁと思い出してしまった。中に野菜が入ってるので、噛んだときに野菜の甘みがほのかに感じられて、噛むほどに味わいがある。これだけ食べてもイケる。
DSC-J2による撮影データDSC-J2による撮影データ
パリップ
豆は緑豆をポル・キリ(ココナッツ・ミルク)で煮ている。緑豆がホロリと崩れるぐらいに煮込まれており、ポル・キリのほうは濃くもなく、あっさり目なのがよい。ほのかなココナッツの香りが鼻をくすぐる。インディアーッパにつけて食べる。
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インディアーッパ
10枚ぐらいあるだろうか。セットでサンボールとパリップが付いてくる。家庭では朝食や夕食によく食べる。テーブルの前に山盛りになったインディアーッパは圧巻だが、作るのに時間がかかるため、普通のお店では出すのに躊躇するだろう。東京でもコートロッジに行くか、茨城あたりだったらレストラン294でも食べられるが、出しているところは希少。出てきたインディアーッパは、ふんわりとしており指ざわりとかも申し分ない。真ん中にサンボールとのことだが、実際は火を入れているので、ポル・マッルン。味わいがグッと増している。これとパリップを適量インディアーッパにかけて、手指でよく混ぜる。そうすることで、よく絡まり味わいがよくなるのだ。
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ピットゥ
その昔、六本木にあった「アータラ・ピータラ」しか出していたことがなかった料理だ。それをここで見るとは驚き。米粉と削ったココナッツを、少量の水でかるく米粒のようにまぜあわせていき、ピットゥバンプと呼ばれる筒にやさしく詰める。そうしたものを蒸して出来上がったものがピットゥだ。日本のシトギ餅に似ている。蒸しあがったものを押し出してさらに載せる。写真を見てもらえればわかると思うが、今にも崩れそうな感じ。だからこそ、食べたときの食感がフワフワなのである。これにディヤ・キリ(濃い目のココナッツ・ミルク)や、シンハラ家庭料理の定番、キリ・ホディをかけて食べると最高だ。まるでお菓子のようで甘い。甘くておいしいが、結構おなかにたまりやすい。一人で一つだと結構な量なので、2〜3人ぐらいでとりわけるのがよさそうだ。作り方は単純だが、用意するまでに時間がかかるので、イディヤパン同様、まず出すところは少ない。特にピットゥは、今ではこのお店でしか見たことがないレアなものだ。一度は試されることをオススメする。
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キリ・ホディ
先のピットゥにかけて食べた。キリ・ホディは、直訳してしまうとココナッツのスープ。実際具はなくて、ココナッツ・ミルクを刻んだタマネギやスパイスで煮た、シンプルな料理だ。家庭ごとにいろいろな作り方があり、味わいもさまざま。魚のカレーにしても肉のカレーにしても、ここから出発しているといっても過言ではない。スリランカの家庭では、ポル・サンボールと並んで頻繁に登場するこの料理、なぜか日本では出しているところがほとんどない。メニューに載っているのを見たのは、今はなくなってしまった立石の「ラサイ」と、コートロッジ(すくなくともインディアーッパのセットには付いてきている)のみ。それがこうして普通に食べられるのは個人的には大変うれしい。家庭料理を名乗っているだけのことはある。このお店のは、赤味がかった色合いをしている。飲み口は甘い味わいながらも、濃すぎることもなくさっぱりしている。キリ・ホディで大事なのはスッキリした飲み口。ライスにかけたり、インディアーッパやピットゥ、アーッパなどにかけたりと大活躍だ。
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キリ・パニ
ヨーグルトに、ココナッツの雄花の蜜、キトゥルをかけたもの。家庭では、素焼きのカップに入ったヨーグルトに、キトゥルをたっぷりかけて食べる。キトゥルは、糖度は低いらしく体の負担も少ないらしい。とはいえ、かけ過ぎはしないほうが身のためだろう。日本でもスリランカの食材屋に行けば手に入る。
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ワタラッパン
ババロア、はたまたプディングのような口当たり。甘みはハクルという椰子の花穂からこぼれおちた駅で作った糖蜜による。風味がよく甘くてうまい。
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キリ・テー
締めはスリランカのミルクティ。濃い目でうまい。
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●ごちそうさま

茨城とか千葉といった都心から離れたところばかりに目が行ってたが、まさかこのようなところにあるとは、灯台元暗し。なにせ今では都心におけるスリランカのレストランは、のきなみ潰れてしまい、わずかしかないぐらいだ。お店があるだけで貴重と言える。オーナーのシンハラ人と調理補助兼ホール担当の女性2人で切り盛りしているお店のようだ。注文が入ってから調理を基本としているため、料理が出てくるのに多少時間がかかる。特にイディヤパンやピットゥといった料理は、立て続けに注文が入ると、それだけ出てくるのが遅くなるのは覚悟しておいたほうが良い。ある程度時間にゆとりをもてないと厳しい。メニューの数は、他店に比べればさほど多くはないが、スリランカの料理店なのにナンを出したりとか、そういう変なところはないので安心できる。ポル・サンボールはもとより、キリ・ホディ、イディヤパン、ピットゥといった涙ものの料理もしっかりあり、うれしい限りである。是非ともがんばって続けていただきたいものだ。