スレーシュ・クリシュナー監督、リマスター版【バーシャ】を語る。(The Hinduインタビューより)

Indian Movies / インド映画の話
The Hinduの記事より

バーシャが戻ってくる

バーシャ】のリマスター版公開にあたり、シュリーニヴァーサ・ラーマヌジャンは、スレーシュ・クリシュナー監督に1995年の公開初日のことなどを回想してもらった。

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バーシャが、言葉を発する。
すると観衆が歓声を上げる。

バーシャが、一文を言う。
すると観衆は発狂する。

スレーシュ・クリシュナー監督は、1995年、チェンナイ・アルバート劇場でラジニカーント主演の【バーシャ】の初日上映を鑑賞した。ラジニファンの反応を目撃して、鳥肌が立ったことを思い出す。

22年後、監督は先月のチェンナイ・サティヤム劇場における、デジタルリマスター版【バーシャ】の初演時に、再びそれを体験した。
「約200人もの若者がスクリーンの横で踊っているのを目の当たりにした。私が今まで経験したことのない最もユニークな体験のひとつになった。」と彼は回想する。

デジタルリマスタリングされたバージョンはどんなものですか?

フィルムを使用して22年前に撮影された映画が、すべてのフレームで強化されている。コンピュータソフトウェアはとても進化していて、何でも強化することができる。色、音。それはもう別の映画のようだ。

私たちは「音」に課題があった。1990年代は、「サウンド、音楽、エフェクト」の3つの要素を1トラックにミックスしていたんだ。この2017年バージョンでは、1ビット1ビット、慎重に調整する必要があった。音楽監督のデーヴァーは、自分の作品を聴いて、再録音する前にスコアを書きなおさねばならなかった。
最終的に、私たちはいくつかの良い仕事をなしとげた…そして、【バーシャ】は確かに2017年の映画のように見える。

チェンナイでプレミアと、ロンドンでチャリティーショーがありました。観客の反応はどうでしたか?

観衆の中にはテレビで何度もバーシャを観ていた人もいた。
そして、劇場でオリジナルを見て、ノスタルジアのためだけに来た人が多くいた。
彼らは何年も前と同じように絶叫していた。この経験は映画製作者として、鳥肌が立った。
通常、聴衆はセリフを聞いてから拍手するものだが、そこではセリフの前にはもう大喝采だった!
まるで、この映画を最初に見た、22年前のアルバート劇場に戻ってきたようだったよ。

この映画の制作開始時、あなたの着想は、ラジニカーントが提案してきた【Hum】(タイガー~炎の三兄弟)からのシーンでした。撮影開始前、どのように内容を詰めたのですか?

私はハイデラバードで25日間、ラジニ・サーと一緒に過ごした。
私たちは多くのアイデアを思いついたが、そのうちのいくつかは自分のイメージを念頭に置いた。
私たちの以前のプロジェクトである【Veera】(ヴィーラ 踊るONE MORE NIGHT!)はコメディーだったので、今度は巨大なマス・フィルムを作りたかった。

ラジニは映画前半ではオートリキシャー・ドライバーです。彼は家族がいて、まったく闘わない…

闘わない、アクションがないラジニ映画の前半を書くなんて、それまでだったらありえなかった。
実際、この映画での彼は騒動に遭遇しても、及び腰でいつも逃げ出してばかりいるんだ。

私が最初に脚本をチームに説明すると、前半に戦いやコメディがなかったことを誰もが仰天していた。
その中でも問題になったのは、スーパースターであるラジニカーントが街灯の柱に縛られて殴られるシーンだった。

あの象徴的なシーンについて、どうやって彼らを説得しましたか?

私のプロデューサー(RM Veerappan)もそれに反対していた。ワヒニ・スタジオでこのシーンについて缶詰になっていたとき、彼は撮影中止を宣告してきた。
私に電話で「君は大きな過ちをしている。ラジニカーントはスーパー・スターだ。観客が彼が殴られているのを見たら、彼らは(怒って)スクリーンを裂いてしまうだろう!」ってね。

私がプロデューサーを説得するときに、ラジ二・サーが駆けつけて同席した。
ラジニは彼がこの前半でうまくいくと確信していることを彼に保証した。また、最終段階でプロデューサーがそれについて同意できなかった場合は、彼は自分の資金で再撮影する、とまで提案した。

【バーシャ】はまた、ラグヴァランによって演じられた悪役とのやりとりで、さらにパワーアップしています…

ラグヴァランは典型的なアクションの俳優ではない。しかし、強力だったのは彼の「目」だ。彼がセットにただ立つだけで、みんなを沈黙させるのには十分だった。
彼がマーク・アントニーの「性格」と「声」に慣れ親しんだことは、そのキャラクターをパワフルにした。
ラグヴァランはいつも監督の要求に応えられる俳優だった。彼は私の映画の多くに出演したけれど、今でもタミル映画界で彼に置き換わる存在は出現していないと思うよ。

決め台詞(パンチダイアログ)を書くにあたり意識したことはありましたか?

バーシャは多くを語らない男だ。だから、我々は短くて強力なセリフが必要だった。バーラクマラン氏がダイアログ担当だったが、あのラインのためにチームワークでたくさん議論した。「Oru Thadava Sonna …」の台詞は、最初に「vaati」(Oru Vaati Sonna …)という言葉で書かれたが、ラジニがそれを最後に変更した。そうして出来上がったんだ。

あなたがラジニを説得するのが難しいと感じたことは何かありましたか?

彼は「ラ・ラ・ラーマイヤー」の曲を拒否していた。彼の論理だと、ドンは歌ったり踊ったりしてはならないから、ってね。しかし、私はこれが後世に残る曲になる可能性があると思った。
彼は最終的には同意してくれた、歌にいくつかの哲学的な行を含めるべきという条件をつけて。

あなたが今、新しいスターでバーシャを作り直すとしたら、あなたは誰を選びますか、そしてその理由は?

【バーシャ】が完成した後、ラジニはテルグ映画界の親友、モーハン・バーブがテルグ版リメイクの主役を務めるべきだと言ってきた。

私はスーパースターのイメージを持つ俳優でないと、この映画はうまくいかないと彼に言った。これはチランジーヴィーのようなスターなら可能かもしれないが、とね。それで、私たちはラジニ版バーシャをテルグ語版に吹き替えて公開し、テルグ映画界でのラジニ市場はその後急騰したんだ。

スーパースターのイメージを持つ者だけがこの映画のスクリプトにふさわしいんだ。だから、今選ぶとしたら、アジットクマールかヴィジャイの二人しか考えられないな。

Nandri ! The Hindu 2017.2.1 Baasha is back
つたない和訳にチャレンジしてみました~。

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