Boys (ボーイズ)

Indian Movies / インド映画の話
BoysのDVDジャケット (シッダールタのサイン入り)
BoysのDVDジャケット (シッダールタのサイン入り)

BoysのDVDジャケット
(シッダールタのサイン入り)

Title : Boys (ボーイズ) (2003年 Tamil 145分) ※タミル語読みは「バーイス」
Director : S.Shankar (シャンカル)
Music : A.R.Rahman (A.R.ラフマーン
Starring : Siddharth(シッダルタ), Harini (Genelia)(ジェネリヤー), Nakhul(ナグル), Bharath (バラト), Sai Srinivas, Manigandan,

社会派映画が得意なシャンカル監督の、1999年の【Mudhalvan】以来4年ぶりの作品。
女の子とデートしたい盛りの5人の少年が主人公で一風変わった青春映画系。
しかし、ただの甘い青春映画にとどまらないところがシャンカルらしい。CGの使い方がアグレッシブすぎ。
A.R.ラフマーンの実験的ファンク調な音楽も、うねりまくって最高。
インド本土では、従来のインド映画から逸脱する演出が多いため賛否両論だったが、力作!おススメ。

制作データ

公開日)2003/08/29 トレイラー
DVD) DVD:AYN(字:英)
コメディアン) Vivek (Mangalam Sir), Senthil (お寺に住み着いた聖者Mendicant)
出演者) R. Siddharth Narayan (ムンナ役), Bharath(Bob Galy/Babu Kalyanam),
Nakhul (ジュジュ), Sai Srinivas (クリシュナ),
Manigandan (クマール), Genelia D’Souza (ハリニ:俳優名のクレジットも「ハリニ」)

A.V. Ramanan (ムンナの父), Janaki Sabesh (ムンナの母), Anitha Rathnam (ハリニの父),
Kalairani (クマールの母), Havarasu (クマールの父), Subashini (ジュジュの母), K.P. Mohan (ジュジュの父),
Jaya Murali (クリシュナの母), Bhuvaneswari (The Prostitute),
Delhi Kumar (Magistrate), Chitti Babu (写真屋), Solomon Pappayya (離婚の審判員),
A.C. Murali (ボブの父), Dhiraj (ハリニの婚約者), Reshu (テジュ), R. Swetha (Sampatha),
Kuthupattarai Kalaignargal (Rebel Dancers), Kamal Chopra (レコード会社のディレクター),
Amandaa, Sindhuri,
Ravi Prakaash, T.V. Mani, Rajan, Abdul, Isaak, Raviraj, Lakshman,
Deeba, Tirupur Ramaswamy, Sirippu Bhaktan, Maghendran, Raajaa,
Lambert, Suryakant, Panther Sreedhar, Pavithra, Bhaskar,
Blaaze (MTV Awardsの司会), Hariharan(MTV Awardsのプレゼンター)
原作) S. Shankar 脚本) Sujatha 
振付)
アクション監督) Vikram Dharma
編集) V.T.Vijayan
制作 / 提供) A.M.Rathnam / Sri Surya Movies
その他スタッフ)
美術) Sabu Cyril,
撮影) Ravi K.Chandran, ★映画公開時のRavi K.Chandranのインタビュー (rediff)

むんむん’s コメント

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初めて観た日の日記
左の写真は、シンガポールのゴールデン・プラザ劇場前に出ていた【Boys】上映告知看板。

(後日、追記します)

挿入歌

Girlfriend – Karthik, Tippu, Timmy
  ※5人のボーイズたちは、股割りができるコもいれば、太っちょで少しタイミングが遅いコも。
  でも、振付もさることながら、カメラワーク、それからCG処理(まだ知らぬ未来のカノジョを、CGで出現させるところとか、すごい!)で、未知の体験である「女の子とデート」に想いを馳せる、大胆なようでシャイな少年たちの若さや躍動感が、存分に伝わってくるとても素晴らしいミュージックシーン。
どんな映画なのか、この先がすごくわくわくしてくる1曲目。映画館で初めて観たときは、鳥肌立ちかけました。
  歌詞は「ガールフレンドが欲しい」と連呼してるような、他愛のない内容なんですけどね!

DatingBlaaze, Vasundhara Das
  ※曲は全体的にはラップ調なかけあいのポップソング(そもそも、歌ってるのがラップ歌手のブラーゼだし)、歌詞の大部分は英語だし、浜辺で水着を着ているダンスシーン。
  なのだけど、ジェネリヤーたち女性陣のダンスは、バラタナティヤム系な振付けなのです。(スタイル的には古典になりきってないけれど)
  よくよく曲を聴いてみると、サリガメー♪な古典の音階的なフレーズだったりする!おお!
  ラップ的曲調と服で、古典系を融合させてくるセンス、インドムービーダンスを習っている私としては、たいへん興味ぶかい。
  イマドキなマセた子たちが主人公とはいえ、そんな若者にもインドの昔ながらの文化だとか慎みぶかさみたいなものも根底に流れているのを、微妙にシャンカル監督は表現してるのかしら?

Ale Ale – Karthik, Chitra Sivaraman. Lyrics for this song were written by Kabilan and its completely in Tamil.
  ムンナとハリニが両想いを確かめた直後に、うれしさのあまり、妄想で海外に飛び出して踊っちゃう曲。
  ミディアムテンポで少し地味めな展開の曲と思いきや、サビにかけてとてもドラマチックに展開していきます。
  シャンカル監督のCG大好き度が、爆発してます。そこまでクドクやらなくてもいいんだけど(笑)

Boom Boom – Adnan Sami, Sadhana Sargam

  不安な中でも5人のボーイズとハリニは親元を離れて自立しようともがいていく場面で挿入された曲。
  曲だけなら、とても楽しげなんだけれども、画面は若干暗め。派手派手な衣裳に身を包んだムンナとハリニなんだけど、どこか不気味な、心の不安だとかが現れたような演出でおもしろい。
  CG多用が最高潮。

Please Sir – Kunal, Clinton, Charan, Chinmayee

  ソニーレコードの会長だかディレクター(?)にレコード契約をお願いしにストーカーしまくる曲。

Maro Maro (Break the Rule) – Karthik, Kunal, George, Anupama, Sunitha

  500人のダンサーを従えた、ド迫力のミュージックシーンです。
  シャンカル監督は、インド映画界でいつも「Break the rule!」な姿勢で挑戦しているなあと、
  こういうのを観てるとほれぼれします。
  ジェネリヤーは、こういう派手なメイクがすごく似合うねえ。

Saregame (Secret of Success) – Lucky Ali,Clinton,Blaaze,Vasundhara Das

  シャンカル監督がお気に入りの曲。
  私もすごく大好きで、習っているインドムービーダンスでも練習にこの曲で踊ってました。

あらすじ

ムンナ、ボブ・ゲーリー、ジュジュ、クリシュナ、クマールは中産階級の家庭育ちな大学生。
まだ見ぬ未来のガールフレンドを妄想したり、5人でこっそり飲酒やタバコをふかしたり、売春婦を呼んでみたり、オトナの世界に憧れながら多感な毎日を過ごしている。

ある日、5人は女子大に通うハリニとその友達たちに出会う。
ムンナが特にハリニに惹かれるが、そもそも女の子に興味しんしんの5人はあの手この手で彼女たちの気をひこうと追い掛け回すが、どこかまだシャイな彼らは詰めが甘く、いつもハリニたちに失笑され、つれなくあしらわれるのだった。

しかし、ムンナのハリニへの想いは募るばかり。
「本当に好きだということを証明したいなら、とある無理難題を実行したら、ハリニが認めると言っている」と、ハリニの友人が嘘を言うと、ムンナは意を決して実行してしまい、警察沙汰、新聞沙汰になってしまう始末。

やがて、ハリニはムンナの心に動かされ、めでたく両想いとなった。が両親の大反対に遭う。
ふたりは駆け落ちを決行し、ティルパティのお寺でひっそりと結婚式を挙げた。

この二人を応援する4人も家を出た。
しかし、学生が自立をするには大変な困難が待ち受けていた。

そこで、この5人+紅一点のハリニで、バンドを組んでデビューすれば?という夢ができた。
グループ名は「Boys」。
ボーイズはあの手この手でデビューのきっかけをつかもうと奮闘していき…。

みどころ

●とにかく、今までのインド映画の常識を打ち破る演出がてんこ盛り。
●シッダルタのストリーキングのシーン!チェンナイのど真ん中・スペンサープラザ前でのこのシーン、よく撮影できたなあと感心しきり。
(ストリーキングは本人が演じたんだろうか?前張りとかしたのかな。アホなことが気になる。)
●A.R.ラフマーンの、若者のためにせいいっぱい作曲しました!という感じの音楽。

制作Note

●これまで、比較的知名度の高いスターを配役してきたシャンカル監督は、今回は主役を新人から抜擢。
5人のボーイズは19歳~24歳。
(ただしナグルは、無名だったがデーヴァヤーニの弟)
この映画の後、シッダルタ、バラト、ナグル、ジェネリアーが主役級で大活躍している。
●タミルでは、中ヒットといったところであったが、アーンドラプラデーシュ州では熱狂的なヒットとなり、公開300日を達成。オーストラリアでも大ヒットだったらしい。
タミル圏では、女性の地位の向上を訴える団体の行動が活発で、この映画はかなり槍玉にあげられ、酷評のレビューも多く、若干苦戦の結果となった。
逆に隣のテルグ圏では、そういった活動がまだ発達していなく、単純に若者がこの映画に熱狂し、大ヒットに繋がったとか。
海外のタミル人は、欧米文化にも馴染んでいるので、この映画をすんなり受け入れ楽しんでいたらしい。(タミル人の知人からの情報) 

2003年8月31日、シンガポールのゴールデン・プラザ劇場で初鑑賞。) 

旧ブログ時代のコメント

むんむん 2007年9月 3日 17:47
▼ムトゥさん

ものすごい亀レスで失礼しました!

ムトゥさんのご指摘の部分、私はそこまで聞き取れてなかった(=意味が分かってない)ので、そうなんだ~!と今さら感激してます。

かなり英語が多い詞の曲ばかりでしたが、タミル語も心ニクイ使われ方をしてるんですね~。

タミルでは大評判ではなかったといいますが(でも年間トップテンには入ってたと思いますが)、きっと後世で評価は変わっていくんじゃないですかね。


ムトゥ 2007年7月25日 07:26
大好きな映画の1つです。
ラフマーンの曲ありきで完成した映画なので、
挿入歌はカッコイイものばかりだし、
リリース当時のプロモーションも斬新だった事を覚えています。
映画の中で最後の曲Saregame(Secret of Success)で、
「マーティ・ヨーセ(考えを変えよ)」というタミル語と、
「What yo say」という英語が掛っている所では
いつも「ウマイ!!」と思ってしまいます。


むんむん 2007年6月 7日 21:48
ととひろさん、わなっかん!

どこに注文されたのか存じませんが、海外ですか?
版元のアインガランでさえ、3週間経っても来ないと問い合わせすると、けろっと「送るの忘れてました」なんてメールが来たりするんですから、問い合わせてみたほうがいいと思いますよ。

ぜひ【Sivaji】を観る前に、同じ監督の【Boys】も楽しんでくださいねっ。


ととひろ 2007年6月 6日 18:48
そういえば「Boys」DVDを注文して2ヶ月になるのにまだ届かない・・・事故かな?

コメント

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