Indian Movies / インド映画の話

Deiva Thirumagal (神さまがくれた娘) | インド映画 ヴィクラム

2016/01/13

神さまがくれた娘チラシ

தெய்வ திருமகள் Deiva Thirumagal (英題:God's Own Child) 神さまがくれた娘
(2011年 Tamil 164分 ※149分←日本公開版)

Director : A.L.Vijay (A.L.ヴィジャイ)
Music : G.V.Prakash Kumar (G.V.プラカーシュクマール)
Starring : Vikram (ヴィクラム), Baby Sara (ベイビー・サーラー), Anushka Shetty (アヌーシュカー), Amala Paul (アマラ・ポール)

6歳の精神年齢の父・クリシュナと、5歳のひとり娘・ニラーの親子の絆と周りの人々の心の移り変わりを描いた、あまり踊らない、でもエモーションに訴える、とてもインド映画らしい力作。インド映画を見慣れない方々にもぜひ見ていただきたいですがインド映画ファンにもグッとくる、娯楽感動作!

タミル映画界きっての演技派・男前俳優ヴィクラムの、本当に無垢な6歳児が乗り移ったような演技、A.L.ヴィジャイ監督のイノセントで底抜けに美しい映像、子役のベイビー・サーラーの熱演、全て必見。観ていてエモーション(感情)をぶんぶん揺さぶられます。

2012年の大阪アジアン映画祭でグランプリ&ABC賞ダブル受賞。
その後関西テレビで放送され、大きな反響を受け、2014年2月15日より日本全国公開

日本公開


日本公式サイト
公開劇場

スタッフ&キャスト

writen, screenplay, directed:A.L.Vijay
music:G. V. Prakash Kumar
cinematograph:Nirav Shah
editor:Anthony

Vikram (クリシュナー), Baby Sara (ニラー), Anushka Shetty (弁護士:アヌラーダー・ラグナーダン), Amala Paul (事務局長:シュヴェータ・ラージェンドラン), Nassar (バーシャム弁護士), Santhanam (ヴィノード弁護士), Sachin Khedekar (ラージェンドラン)

あらすじ

(日本公式サイトより;)
チョコレート工場で働くクリシュナ(ヴィクラム)は、6歳児程度の知能しか持っていないが、嘘のつき方も知らない正直者でみんなに愛されていた。そんな彼も結婚をして子どもを授かるが、妻は娘を残して亡くなってしまう。娘にニラー“お月様”と名づけたクリシュナは、周囲の助けを借りながら彼女を育てるのだった。
時は流れ、ニラー(ベイビー・サーラー)は素直で可愛らしい5歳の女の子に成長した。そんなある日、町の有力者である亡き妻の父は、クリシュナ親子の存在を知り、「子どものような親に子育てはできない」と、ニラーを連れ去ってしまう。クリシュナはニラーとの穏やかな毎日を取り戻すことができるのか。そして、ニラーの幸せを心から願うクリシュナが初めてついたあまりにも切ない嘘とは…。

むんむん's コメント

2012年の大阪アジアン映画祭で上映され、ヴィクラムが来日するというのでいてもたってもいられず、当時10ヶ月の息子を連れて鑑賞しに行きました。

自分は高齢でやっとこさっとこ、息子を授かり、難産の一歩手前の状態で出産したので、出産って命がけなんだ、と身をもって実感してから一年も経っていない時期。
子どもって本当に「神さまがくれたこども」だなあと思ってました。

そんな時期に、Deiva Thirumagal(deiva:神、thiru:「御」といった敬語の接頭語、magal:娘)が日本で観られるとの報。
会社産休中で、復帰まで一ヶ月を切っていた頃でもあり、「これって大阪に観に行けって、神さまの啓示じゃない?」ぐらいの運命感じて観てきました(笑)

映画は、よかったですねえ。泣きましたねえ。

(妻・バーヌの父が、6歳の精神年齢のクリシュナがニラーを育てられないというのなら、クリシュナごと家に引き取ればそれで問題クリアじゃん、なぜその議論は置きざりにされたままのクライマックスなのか?と思っちゃうのは置いといて。。。)

ヴィクラムは、現タミル映画界ではカマルハーサンに続く演技派中の演技派な大スター俳優さんだし、まあうまく演じちゃうんだろうなあと、つい期待するレベルを高くして演技を見てしまうんだけども、今回も期待どおりすごかったです。

演技派なんだけれども、この映画ではヴィクラムの優しい人柄がものすごくよく出てたと思います。
(変な話、例えばこれをカマルハーサンが演じたらどうか? カマルもめっちゃうまく演じるだろうけど、2回の離婚歴を誇る彼が演じたら、今回のような純粋無垢な父親役は少し浮いて見えたかもしれない。)

A.L.ヴィジャイ監督がヴィクラムに演じてもらいたくて、この企画をヴィクラムがスケジュールをあけて演じてくれるまで3年近く待ったらしいですけど、その理由が分かる気がします。

そしてヴィクラムも「この映画は他の監督では撮れない。心の底からイノセントでないとこの作品は撮れない。」と語っていたとおり、A.L.ヴィジャイ監督が前半で描いたウッティーで繰り広げられるクリシュナや取り巻く人たちの子育てシーンは、神さまがくれたものとしか思えないくらいの、神懸かり的な美しさや空気があるように感じました。
クリシュナが法廷に巻き込まれていくチェンナイでのシーンは逆に、神さまはここにはいないのか!?って感じのコントラストになってる。

ウッティーで、知的障碍者を積極的に雇用しているチョコレート工場の社長の目線も本当に優しくて、インド全体でいえば、障碍者に対しての人々の対応は、バーヌの父親みたいに冷たいものなのかもしれない(インドの知的障碍者といえば、日本でも公開されたマニラトナム監督作【アンジャリ】がありますけど、マンションの住民たちのアンジャリへの冷たい反応がひどいものでしたもんね)けれども、あの社長さんみたいな人もきっとたくさんインドにはいるんだろうなあ。

この映画に限らず、インド映画は楽しいだけのマサラムービーばかりではなく、社会性だとかリアリティを追求したものもたくさんありますが、リアリティを追求するあまりか娯楽性がなくてしんどくなったり、救いがないラストで落ち込むばかりになる作品が多いのも事実。
(映画祭での質疑応答やインタビューでも出てくる、ヴィクラムのキャリアを語る上で絶対欠かせない作品【Pithamagan】(ピターマハン)も、私には2回見るのはしんどい映画です。)

そういう意味でもこの映画は秀逸。インド映画らしさを失わず、(踊るとまではいかなくても)妄想ソングシーンでヴィクラムはカッコいい王様になっちゃうし、スーパーマンになって笑わせてくれたり。でもちゃんとストーリーに密接に絡んでる。子ども向けとかいうわけでなく、全ての世代の人が暖かい気持ちになれる映画。

配給会社さん的には、どうしても「主役の子どもがかわいい。子どもの演技がすごい」と強調したくなっちゃうところでしょうけど、世の中、子どもに興味がない方もたくさんいると思うので、子どもに力点を置きすぎないでほしい気がします。

(ただ、子育て中、子育て経験があった人には、日々の忙しい暮らしの中でつい忘れかけているものをこの映画を見て取り戻す効果は、大きい気はします!)

子どもに興味があってもなくても、人間の大事にすべき「愛情」について、本当にていねいに神懸かりな美しい映像で描かれている、インド映画らしい「エモーション」に訴える映画だと思います。

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それから、A.L.ヴィジャイが撮る美しい映像、というのは女優さんにも大変効果的に働いているようで、現在南インド映画界で大活躍する二人の女優さん(アヌシュカー、アマラー・ポール)が出演してますが、二人ともこれまた大変キレイで女性としての凛とした美しさを称えていて、見ててホレボレします(笑)。
(アマラー・ポールは、A.L.ヴィジャイ監督作品でヴィジャイ主演の【Thalaivaa】でも出演してますが、実にかわいい☆)
アヌシュカーは売れない若手弁護士の役でしたが、知性あふれるべっぴんさんでしたね。いい起用のされ方してます。(私がこの映画以前に観た彼女出演のタミル映画【Vettaikaran】(ヴィジャイ主演)では彼女のいい所が発揮されてなかったからね~。)

また、サンターナムがくせが強すぎずに、面白いところとシリアスなところをうまくブリッジしていて好演。日本では(サンターナム的には、不完全燃焼気味の起用のされ方だった)【ロボット】ぐらいでしかまだ紹介されていないから、【神さまがくれた娘】できちんと日本にお披露目されてウレシイです。

それからそれから!名優・ナーサルさんが絶対アヌシュカーが敵いっこない敵対弁護士役。またまたいいところ持ってってます。彼のおかげでますますクライマックスが盛り上がってます。

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むすこがニラーと同じ5歳ぐらいになったら、一緒にこの映画を観直してみたいです。
そのときには、どんな感想を持つのかな。

大阪アジアン映画祭

映画祭では2回の上映で、両方でヴィクラムが登壇し、質疑応答に答え、希望者全員と写真撮影&サインに気さくに応じてくれました。
私は3月15日の回に行き、質疑応答で最後に質問をさせていただくことができました!
しかも、長いことタミル映画関係者に直接尋ねてみたいと思った質問ができ、ヴィクラムとA.L.ヴィジャイ監督もとても的確にその問いに答えをくれて、本当に感激でした。

さらに感涙ものだったのは、「エン・ペール・ノリコ」と片言タミル語で自己紹介してあとは日本語で質問しましたが、「ノリコ、お子さんと観に来てくれてうれしい。ありがとう」と言ってから質問に答えてくれたのです。
外国人が1回名前を聞いただけで一発で「ノリコ」と発音できたことも驚きだったし、他にもノリコさんがいて、「他にもノリコというファンがさっき話しかけてくれたよ」と嬉しそうに話してる姿に、彼の耳のよさと、ファンとの対話を聞き流しではなくちゃんと大切にしている姿勢が感じられて、ヴィクラムの役者として、人間としてのすごさを改めて感じました!

大阪アジアン映画祭にて

私が質問したのは、「タミル映画やインド映画の特徴を何だと思っていますか。踊らない映画も増えてますし、ヴィクラムさんは踊る映画も踊らない映画も出てますけど、今後タミル映画はどんなふうになっていくと思いますか、ご自身はどんなタミル映画に出たい、作りたいと思っていますか?」という内容。
A.L.ヴィジャイ監督、ヴィクラムが順に答えてくれましたが、ふたりの答えはほぼ一致していて、以下のような感じ。(2013年12月22日の日記より引用。)

インド映画やタミル映画の特徴は、「エモーション(感情)」だと思う。 インド人にとって、音楽は切っても切り離せないものであり、ミュージカルシーンはエモーションを表現するもの。 ダンスシーンがない/少ないインド映画は増えているし、自分たちも無理にダンスシーンを入れようと思わないが、踊る踊らないに関わらず、ミュージカルシーンそのものはこれからもインド映画に残っていくと思う

質問とその答えに関してを交えて、先日試写会で観た感想を日記に書いてるので、詳しくはそちらで。(大阪アジアン映画祭での写真ツイートもまとめてます)↓

【神さまがくれた娘】(Deiva Thirumagal)試写会 (2013年12月22日)

シングルスーツのボタンを留めて最初登壇したヴィクラムでしたが、鍛え上げたからだにはピチピチ。途中からボタンを外してましたが、その光景も拝めて幸せな瞬間でした。
いただいた答えは、その後インド映画を観るたびにとても大きなヒントになっています。

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サイン&撮影会後、ヴィクラムに、日本のファンへのメッセージをいただきました。

くぅ~、かっこいいなあ。
ヴィクラム、ありがとうございました!

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☆大阪アジアン映画祭時の、【神さまがくれた娘】に関する記事、ブログ

大阪アジアンpart1
『神さまがくれた娘』A.L.ヴィジャイ監督、ヴィクラム氏質疑応答&インタビュー
大阪アジアン映画祭クロージング
■『神さまがくれた娘』■ ※ネタバレ有
インド映画の春が来る

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(2012年3月15日、大阪・ABCホールにて初鑑賞。)

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