ジャッジメンタルについて、細々と、ずっと考えてる。今日も、【ジーンズ 世界は2人のために】で。

Indian Movies / インド映画の話
2014年11月17日 東京でのブロガーミーティングにて

昨年、【マダム・イン・ニューヨーク】(English Vinlish)が大ヒットしました。自分の周りでも、普段インド映画観ないような知り合いたちがこの映画を続々とほめていて、へええ、と思ったものです。

2012年のロードショー時にシンガポールで観て、そのときはかなり感動したのだけど、日本に上陸したときは実はそれほど感動しなかったの。個人的に、娘が親を小馬鹿にするシーンがやりすぎで感情移入できなかったというか。
(ただし、昨秋、ガウリ・シンデー監督のブロガーミーティングでこの点質問したら、ガウリ監督はこの辺は深刻に描いたつもりはなかったみたい。
娘はもちろんお母さん大好きだけど、思春期だから日によってはお母さんを突き放す態度をとってて、映画ではそのいじわるな部分だけをとりあげてる、という感じ?)

2014年11月17日 東京でのブロガーミーティングにて

でも日本語字幕つきで観たことで、落ち着いて観られたこともあって、「ジャッジメンタル」のくだりには、かなりグッときたの。
ジャッジメンタルっていう、人を見た目で判断したり、偏見をもって人と接する態度。
ジャッジメンタルという単語がテレビ放送で聞こえて、耳に残ってたシュリデヴィが、ラストシーンのスピーチの中でも「ジャッジメンタル」とはっきり発音していたところが聞き取れたときは、この伏線すごいわー、と感激してた。

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人に対してに限らず、例えば、「インド映画」に対してだって、人はジャッジメンタルになりがち。
「踊る」と決めつけていたり、ね。
インド映画ファンの間であっても、北のファンの方々の何気ないサウスの作品に対するつぶやきの冷たいこと、冷たいことといったら。
(【マダム・イン・ニューヨーク】がヒットした同じ年に日本公開された南インド映画の扱いが、ちょっとね、あんまりだったんじゃないかと感じてる!)

まあそんなことはいいんだけどね、インド映画を観るときの自分の心構えもね、ハリウッドや欧米の映画の文法にばかり捕われていたときに観たら、「何これわかんねー」って終わりがち。
確かにハチャメチャではあるんだけども。
【ロボット】(Enthiran)が日本上陸するときに、「ワケわからんが面白い」ってコピーついたときは、そりゃーショックでしたよ。
だって、私の大好きなシャンカル監督のパワー溢れまくりのあのストーリーやラジニのあの熱演が「ワケわからん」って???(シャンカル監督作品の中では、わたくし的には最も辻褄の合う作品の部類だと思ってるのだ☆)

自分が分からないと、それって、ワケわからん、と決められちゃうヘンな映画なのか?
そのお国の映像文法の心構えで観てる人には、ハリウッドよりも心に訴えかけてくる!と喜ばれているのに?
いくらボリウッドがインドのメインストリームっていったって、チェンナイではボリウッドよりタミル映画の方が好まれて観られているのに?

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自分もね、【ムトゥ 踊るマハラジャ】でインド映画にはまったわけだけど、正確には、そのときはラジニ映画にハマったのであって、ラジニの出てないインド映画を観てもあんまり楽しめなかった時期が数年続いてた。
その時期に日本公開されたインド映画のひとつが、【ジーンズ 世界は2人のために】だった。

【ムトゥ】を唯一超えられる作品だ、みたいな宣伝文句があったせいで、ラジニ原理主義だったわたくしはカチンときていたのもある(笑)
シネセゾン渋谷にサービスデーの時に観に行った覚えがあるけど、正直、あんまり楽しめなかったな。世界一の美女だというアイシュにもちっとも萌えなかったし。(ミーナの方が圧倒的に好みでした☆)

ところがだ。

その1〜2年後、【ジーンズ】の次のシャンカル監督作品【Mudhalvan】を観て、突如シャンカル監督大ファンになり、彼の監督作品は多くないから割とすぐにタミルについては全作品DVDで鑑賞制覇。

それで、【ジーンズ】を再び観たら、面白かったんだよねー。
シャンカル監督の映像文法みたいなものに、すっかり慣れたというか。
何で、日本公開当時、あんなに楽しめなかったのかなあ?とさえ思った。

今思うと、自分のラジニ以外のインド映画に対するジャッジメンタルだったのかな。
今日も細切れだけど、ちらちら【ジーンズ】を見直していて、そんなことをふと思った。

「思い込み」「偏見」のリミッターを振り切れたなら、もっと(インド映画に限らず)世界中の映画を楽しめるよね。もっといろんな場所でのいろんな人やいろんな感情に、共感して感動したりできるよね、たぶん。

せっかく昨年覚えた「ジャッジメンタル」という言葉、時々思い返したり考えたりしつつ、日々の暮らしというか人生をもっと楽しくハッピーに有意義に、過ごしたいものです。

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