日本ヴィジャイ・メルサル祭り3日間終了。

Indian Movies / インド映画の話
【Mersal】のファーストルック

結局、Mersal、3回観に行っちゃいましたー。
もしガラガラだったら、ひとりで貸切絶叫上映会してやる!と思ってました(笑)が、行ってみたら、全て満員、キャンセル待ち当日券の方もいるし。
映画の評判が高かったからか、インド人のみなさんもいつもよりすごく多かった。
もう、シアワセすぎるう♪♪♪

応援ページで、「お祭りマサラムービーになると思います」と書きましたが、そのへんは予想ドンピシャでした。

でも、映画に込められていたメッセージは、予想を遥かに上回るテンションで、そしてヴィジャイの決意みたいなもの、回りでヴィジャイを支える人たちの「タミル人としての誇り」をもってさらにテンション高く支えている感じが、何ともいえなく感動しちゃって…。

エモーションやメッセージが洪水のような映画で、何を書いたらいいんだか頭の中がちっともまとまらないんですけど、ヴィジャイの代表作のひとつになることは間違いないと思う!スクリーンで観られたみなさんは絶対ラッキーだったですよ!
ヴィジャイのファンやってて、よかった…。 日本で観られてよかった…。

ということで、とりいそぎ、3日間で思ったことを書き留めておきます。

1回目:10月20日(金)20:00〜 イオンシネマ市川妙典スクリーン5 (182席)

ポップコーンを売店で買っている間に、アナウンスなしに上映がはじまってしまい、出だしを見逃す。 戻ってきて、今流れてるのは次回上映予定作の予告編かしら〜とかのんきに思いながら流し見していたら、ヴィジャイが登場してしまい、完全に出遅れた。痛恨のミスー!!!(ヴィジャイの登場に間に合っただけ、マシか。)
とはいえ、ひたすら、ヴィジャイのかっこよさに痺れて圧倒されていた。(特に後半。) 今月歌舞伎座で上演されている、【マハーバーラタ戦記】が、ラジ二やヴィジャイが見得を切って正面向いて演技してる感じとそっくりだと思っていたけど、メルサル観て、ヴィジャイの「歌舞く」様に、今迄のヴィジャイを何かものすごく超越しちゃった感じに震えた。。。(で、また歌舞伎も観たくなったー!!!)

後半の第3のヴィジャイが、とにかくこの映画で血が沸き立つ役どころ。(3日間とも、このヴィジャイの登場シーンが一番客席の絶叫がすごかった!) ヴィジャイは近年の作品は「実年齢より若く見えてキュートだ」とやたらと言われ、映画の中でも「そのかわいい顔が傷付くぜ」などと「若さ」を強調されることが多く、40代のあんちゃんにそれを強制してたら、ヴィジャイもいつか若作り路線になっちゃってやだなあと思っていた。 
が!この第3のヴィジャイはそれを覆すかのような、白髪まじりのおヒゲの中年のおっさん。でもスーパーかっこいいおっさん。中年の星! ドーティの着こなしも何なのだこれは。(【JILLA】の頃は、モーハンラール様のドーティの着こなしはまだまだ到底ヴィジャイには無理かもね、と思ってたのに!) 中年の星だけど、でもやっぱりかわいらしい瞬間やファニーでヘラヘラした表情もあって、ヴィジャイがヴィジャイたる所以みたいなものはブレずにがっちりしていたので、嬉しい〜。
【Aalapolan Thamizhan】のダンスは、もうやばい。涙でそうだった。
額はシヴァ派。 シヴァ神が乗り移ったかのようなヴィジャイの社会悪への怒り。 スチール写真の時点でそんなシーンがあることは想定していても、分かりきっていても、また新しいヴィジャイの表現があり。(30代になったばかりの頃の作品【Thirupaachi】も彷彿とさせるんだけど、40代のヴィジャイの説得力たるや、ここまで進化するものなのか!)

脇は、S.J.スーリヤの悪役ぶりにブラボーもので、ラジニカーントvsラグヴァラン映画を観ているような感覚の瞬間もあった。 あとニティヤーちゃん!
ヒロイン3人の豪華な使いっぷりに呆気に取られたり(笑)
(サマンターとのローズミルクのやり取りがとてもかわいいけど、え、サマンターとの恋の描写はその程度で終わりかいっ)
2時間50分があまりにあっという間に終わったので、びっくりしてしまった。
ヴィジャイが1人3役なのが、吉と出るか凶と出るか、観る前は確信が全くなかったけど、3役ともキャラがたっていて、濃いんだけど、サラサラのラッサムみたい、というか何杯飲んでも美味いね!って感じ?

2回目:10月21日(土)15:00〜 イオンシネマ市川妙典スクリーン4 (249席)

ちょっと目が慣れてきて、ヴァディヴェールもかなりいい演技してることに気付く。そしてヴィジャイとヴァディヴェールの子供時代を演じてる子役たちがまた似てるし、いいんだよ!
この日も2時間50分が早い! 3時間近くあるのに、よくよく考えてみたら、いつもよりヴィジャイの踊る曲が少ないよ!? 曲の途中で伏線張っているちょっとしたカットがばんばん入ってる。曲のシーンでは、英語字幕を読んでる場合ではない!
最後のシーンで出てくる牢獄のあんちゃん(Boxer Dheena)が、【Theri】(テリ〜スパーク〜)で、子供に物乞いをさせてた悪い奴だとここで気付く。(かつらが違うと分からないものね〜)
ヴィジャイが「Thalapathy」(タラパティ、タラバディ、ダラパティ、映画の中でも人に寄って発音がかなりバラバラ)と呼ばれる回数がものすごい。 今回の映画から愛称がThalapathy Vijayになったので、それに対する覚悟みたいなものを感じた。
MGRの映画が上映されている中を、スクリーンのMGRと共に歩むような見え方で歩くヴィジャイが、身震いした〜! (でも、MGRみたく政治家に転身して映画界を引退したりしないでほしいな!)

3回目:10月22日(日)15:00〜 イオンシネマ海老名スクリーン4 (147席)

だいぶ目が慣れてきて、伏線がいくつも分かる。(お医者さんヴィジャイが、5歳の時に頭を怪我してそれまでの記憶が全くなく大人になった、とインタビューで話していることがやっと頭に残って、それで後半との繋がりに合点がいった。)
前半のトリッキーな展開が、1回目のときはさっぱり分からなかったのが分かってきて、第一・第二のヴィジャイについても堪能しまくり☆
 
サティヤラージ(【バーフバリ】のカッタッパ役)が、ヴィジャイを尋問する警官役で、当初ちょっと地味だなあと思ってたのが、耳も慣れてきて、あの独特のシニカルな台詞まわしが耳に気持ちよくって、【Nanban】の時の校長先生のときのようにヴィジャイとちょっとファニーなやり取りをしてる感じがかなり面白かった!
後半のニティヤちゃんの病院シーン、自分も数年前に出産を体験したことで漠然と出産に関する医療のビジネスっぽさについて考えていた時期があっただけに、胸がほんとに苦しくなった。
赤ん坊が生まれるのを建物の外で待ってるヴィジャイが長男に、「象のお話をしようか? …俺の話をする? お前のかあちゃんはな、俺の女神様、ラクシュミーなんだ。 いっぱいアタックして、やっと振り向いてくれてね…」というふうに語ってるときの口調や、ヴィジャイの瞳のきれいさ。(このときの慈愛に満ちたお顔が、その後シヴァ神の怒りのような表情になっていく。まさにこの映画の真骨頂なシーンに…) うおー、夫婦の理想型だ。自分もダンナ様にそんなことを思われるような人間かな、と自分のことも省みたりして。
そしてS.J.スーリヤが企む「病院ビジネス」の話が、背中が凍り付きそうな話で、でも映画だけの話じゃなくて日本でも現実に起こりうる話で、ほんとにすごく、インドの医療システムについての啓蒙をガチのエンターテイメントの中に骨太に滑り込ませていて、この映画の製作陣の「本気」をびしばしに感じまくってました。

一緒に3回観に行ってしまった6歳のむすこは、「ひものヴィジャイ(=第3のヴィジャイ)がかっこいいよね!」と何度も繰り返し話してました。でも、どのヴィジャイが一番好き?って聞くと「ぜんぶだよ!みんなかっこいい!」ですって。 タミル語もわからければ、字幕もまだ読めないちびっこにも、ヴィジャイのエモーションが伝わりまくっているのがウレシイよ。

3回目を観た帰り、以下の日本語ニュースが出回っていることを知りました。

映画のせりふは首相への憎しみ?カット要求の与党に非難 インド
2017年10月22日 16:55 発信地:ニューデリー/インド

【10月22日 AFP】インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相への「憎しみ」を表すせりふがあるとの理由で公開中の映画の一場面をカットするよう求めた与党インド人民党(BJP)にインターネット上で非難が集まっている。

 この映画は、タミル語作品『メルサル(Mersal)』。インド南部のスター俳優ビジャイ(Vijay)が演じる登場人物が、「シンガポールの国民は7%の物品サービス税(GST)を納め、無料で医療を受けている。インド政府は国民から28%のGSTを取っているのに、なぜ無料で医療を提供できないのか」と話すシーンがある。

 これに不満を持ったBJP党員らが、このシーンのカットを要求した。同党幹部の一人は20日、ツイッター(Twitter)への投稿で「シンガポールで医療が無料だというのは事実ではない」とせりふの内容に反論するとともに、この映画が「モディ首相に対するビジャイの憎しみ」を表していると主張した。

 BJPのカット要求は、ソーシャルメディア上で猛反発を引き起こした。21日には、表現の自由を抑圧する動きだとして大勢のネットユーザーがBJPを非難し、「#Mersal(メルサル)」や「#MersalvsModi(メルサル対モディ)」のハッシュタグがトレンド入りした。

 GSTは国税と州税が複雑に絡み合った税制を簡素化し、アジア第3の経済大国インドを経済規模2兆ドル(約227兆円)の単一市場にすることを目指して7月1日に導入された。しかし5%から28%まで4段階の主な税率があるGSTは企業に混乱を招き、売上高の減少や経済成長ペースの鈍化につながっている。

『メルサル』はインドで18日に公開。記録的な興行成績を挙げ、映画館には大勢の観客が詰め掛けている。(c)AFP

社会的メッセージ部分は、ネタバレになるかもしれないので、また後日改めて別ページで感想を書きます。

上映をしてくださった、スペースボックスさん、ありがとうございました!
再上映を検討してくださってるらしいので、続報をお待ちしております♪

★togetterで、みなさまのメルサルなツイートをまとめさせていただきました。

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