Mersalのシンガポール版(&本国インド版)と、日本の自主上映会版の違い

Indian Movies / インド映画の話
Mersal公開50日広告

もしかして、日本で観たメルサルが、インドを超える、制作者が意図していた正真正銘の完全版だった!?

[シンガポールに行ってきました 2017年秋 3]

本日12月6日、Mersalは公開50日! まだまだチェンナイやタミルナードゥ州、ケーララ州あたりでは大ヒット上映中!

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イマドキのインド(タミル)映画は、現地でも50日以上上映が続くのは珍しいこととなっているそうです。
マドゥライのとある劇場では、【バーフバリ2】以来の50日達成!と祝福コメントを出していました。

今日、アーミル・カーンの【ダンガル】が来春日本公開されることが公表されてましたね。インド映画として全世界興収歴代1位というふれこみで。
でもバーフバリ2(バーフバリ王の凱旋)は、インド国内での興収がぶっちぎりで1位ですよね。ダンガルの興収340億円のうち200億円が、現在映画館バブルといわれる中国での売上らしいと言われてるし、(他のインド映画はまだあんまり中国で公開されていないことを考えると)何だか数字のトリックというか、なんというか…

ま、何が言いたいかというと、メルサルはローカルなタミル映画なんで、全世界でどうのこうのという土俵には乗ってないわけですけど、現在、全世界で250カロール突破で大ヒットしていることには変わりない。(でも本日のWikipedia「List of Highest-grossing Indian Films」の第25位に顔を出していた!)
ならば本拠地のタミルナードゥ州内だけのカウントではどうなんだという話でいけば、現在バーフバリ2に次ぐ、歴代第2位の興行収入映画になっているそうです。ラジニ映画も抜いたんですよ! (来年になればラジニ【ロボット2】(2.0)あたりに抜かされるでしょうけどネ。でもそれだけ南インド映画はアツくてラジニだけじゃなくいろんなスターでデッドヒートしてると思うととてもワクワクして楽しいよ☆)

さてさて、インド映画は日本に来ると短縮版ばかりだと言われる件。 でも在日インド人のみなさんによる、インドの公開時とほぼ同時期に自主上映会で上映されるヴァージョン(付いていても英語字幕ですけど)が完全版であることをお気づきですか。 しかも、時にはインドを超える完全版である場合もあることに!

自分が気付いたものでは、少なくとも、ヴィジャイの【Kaththi】は、インドよりも長い(インドは1曲カット)完全版だった(日本上映会時の日記)し、ラジニの【Lingaa】(今年日本語字幕ついたやつじゃなくて、2014年12月上映時)も、インドで公開10日後位に数カ所カットされてしまったところが、日本で上映されたのはカット前のものだったです。(リンガーのその辺についての記事

そして、今回のMersal。
日本で上映会3回も観に行けた後にシンガポールで4回観ました。
ということで、カットされたところがありまくりなのは分かったのですが、帰国後にtwitterを毎日Mersalで検索して読んでいたら、どうやら日本で観たものよりもインド版もカットがあったのではないか、と疑問が湧きました。 後日、スリランカの公開初日にはそのシーンはあったよ!みたいな情報も出てきたりで、確信に変わりました。

インド版:2時間52分(49分情報も) ←日本での上映版はランニングタイムはほぼ同じながら、インドでのカットされたシーンが入っていると思われる。
シンガポール版:2時間49分(PG13)
観られなかったけど、マレーシア版:2時間27分(P13) CinemaOnline情報

公式ティーザーをご覧ください

0:47あたりから、ヴィジャイの手から鳩が飛び出すシーン → シンガポール版では鳩を消す処理
本編では、この鳩に続く、マジシャンヴィジャイのアクションシーンの中でヘビが出てくる部分が完全カット

公式プロモ

0:13あたりの、ヴィジャイの両脇に馬が前足を上げているシーン → シンガポール版、youtube公開版では馬を消す処理

ビデオ公開された、【Aalaporan Thamizhan】

0:51〜 日本上映版では右側からラクダが音に合わせて登場していたのが、シンガポール版もyoutube公開版も消されている

日本では映画冒頭で、マジシャンヴィジャイの「マヨ〜マヨ〜♪」秘密基地でいろんな動物と戯れていたのが、シンガポールで観た時、何か動物が足りない気がする〜と思ったっけ。
youtubeで検索すると、mersal deleted Sceneというのが、いっぱいひっかかってきます。インドでも削除された、というふれこみのシーンが、シンガポールでも上映されていなかったし、でも日本では削除されていないものを観たようです。

日本上映版では、インドで表示が義務づけられているらしい「タバコと飲酒は身体に悪い」というテロップがタバコを吸うシーンなどで登場しなかった。
でもシンガポールでは、はっきりテロップ表示されていた。
ということは、日本で上映されたのは、インドで検閲を通したものではないもの(通す前のもの?)の可能性もありますね。

現在のインドは、暴力表現よりも、動物愛護に神経質?

メルサルは、そういえば、検閲通過がかなりギリギリだったんですよね。動物愛護団体の承認を得ないとダメだとかで。
たぶん削除を要求されちゃったんですね、動物さんたちのシーン。

今年初めに、インドの連日の大ニュースになっていた、ジャリカットゥの中止問題も、動物愛護団体の虐待クレームが事の発端。 ヴィジャイは早々にジャリカットゥ開催を支持する、という表明も出していたし、その辺もあって今回も標的になりやすかったのかな。

日本人の私から見て、ただピアノの鍵盤の上を歩いてる猫が削除されていたり、っていうのはやりすぎのような気もしますが。。。
日本で見たメルサルに出てきた動物は、とりたててかわいそうな扱いされているようには見受けられませんでしたけど。。。
それどころか、【Aalaporan Thamizhan】のラクダさんが、音に完全に合ってるところに、日本で観たときは心躍ったんですけど。。。

ウ〜ンざんねんだ、すてきなシーンばかりだったのにもったいない。

しかしだね、バーフバリ2の方がよっぽど、バーフバリに蹴られた象さんだったり、可哀相な動物さんがたくさん登場している気がするんですが! 
シンガポールでメルサル観た後に、バーフバリ2の試写を見せてもらって逆に驚いた;;;
(これはCGで動物さんを作って登場させて、検閲を通過したってことかしら???)

シンガポールで大きくカットされていた2か所

※ちょっとネタバレです

●後半 ニティヤちゃんの分娩室に入って、無理矢理帝王切開を承諾させられた後〜麻酔のアナフィラキシーショックを起こす直後まで

おなかにメスを入れる帝王切開シーンのカットは予想されるところだったが、子供(後のマジシャンヴィジャイ)が死産になったこと、ニティヤちゃんが麻酔の医療手順ミスが原因で最悪の事態になったところが全く説明されていない

●後半 病院の敷地内の小さな祠前で神に捧げて地面に立ててある大きな鉞を、ヴィジャイが取り上げて敵と闘う場面

その後の場面への伏線となる、相手の右腕をブッタ切るところはカットだろうと予想していたけど、その瞬間だけカットすれば充分なのに、ヴィジャイがドーティの裾をまくるキメ姿などまでカットしなくても…楽しみにしてたのに…楽しみにしてたのに…
(6歳のむすこも、「いちばんかっこいいヴィジャイのところがなくなってたあー!」と何度も怒っていた)

伏線やらストーリーの説明がスムーズにつかなくなってしまうカットぶりで、こればかりは残念無念。
日本で自主上映会版を観たみなさんは、本当に本当に、ラッキーだったですよ。
これからも、自主上映会に感謝して、これは!と思ったときは、後でまた機会があったら観ようなんて思わずにチャンスを無駄にせず上映会に行くべきだと思います。

とはいえ、公開3週目で観に行ったシンガポールながら、爆音と大歓声の中でメルサルを観まくれたので、シアワセです、はい。

後はいつか、日本での、「完全版」での再々上映を夢見て、これからもメルサルについてつぶやきまくるのみ、です(笑)

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