Red (レッド) | アジット ラグヴァラン

Indian Movies / インド映画の話

Red2002

Title : Red (レッド) (2002年 Tamil)
Director : Ram Sathya (ラーム・サティヤ)
Music : Deva (デーヴァー)
Starring : Ajith Kumar(アジット・クマール), Priya Gill(プリヤー・ギル)
タミル映画界のフェロモンNo.1男優・アジットが、敢えて坊主頭にしてマドゥライのチンピラを演じた。
ラジニカーント【バーシャ!踊る夕陽のビッグボス】を意識した、男気ぷんぷんの映画。

Red

2002年1月、チェンナイで見かけた【Red】公開を告げるポスター。

制作データ

公開日)2002/01/14
DVD) DVD:AYN(字:英)
悪役) コメディアン)
共演) Raghuvaran, Manivannan, Rajan P.Dev, Revathi, Vindiya(1曲ダンス出演), Charlie, Salim Gouse, Madan Bob, Rajesh, ‘Nizhalgal’ Ravi.
振付) Raju Sundaram
アクション監督) Kanal Kannan
制作 / 提供) S.S.Chakravarthy,(*Telugu-E.Venkat Rao)
その他スタッフ)
Art:Sabu Cyril,
Camera:R.D.Rajashekhar,
Audio Rights Holder:NIC Audio,

挿入歌

♪ Red Red – SP Balasubramanyam
♪ Olikuchi Udambukari – Kay Kay, Anuradha Sriram
♪ Dil Dil Italy Kattil – TR. Silambarasan, Mathangi, Sivakumar (ヴィンディヤー出演)
♪ Roja Kaadu – Hariharan
♪ Thai Madiyae – Tippu
♪ November Madham – Hariharan, Mahalaxmi Iyer

劇場鑑賞した当時(2002年1月)の背景など

(2002年3月のメルマガで配信した文章です)

ラジニカーントの跡継ぎ候補と呼ばれる若手スターは何人かいます。
(女優のサンギーターに聞いた話だと、現在はこの5人かな。)
ヴィジャイ ●アジット・クマール ●プラシャーント ●マーダヴァン  ●スーリヤ 
1年ほど前は、ヴィジャイがぶっちぎりの候補、という感がありましたが、現在のチェンナイの町中で、スター看板や、ポスター、グリーティング・カードの勢いを見るに、アジットがヴィジャイに並んだようです。

アジットは、他のスターと比べると苦労人で、下積み時代が長く、やっと作品が成功した、というときに脊椎を傷めて休養を余儀無くされ、その後も不屈の精神で復活したという方です。
映画界にコネなしでスターにのしあがったラジニに憧れる庶民が、アジットにも同じような夢を託すのは、当然のことかもしれません。

タミルの新作ラッシュの時期は、日本と同様いくつかあり、有名なのが、11月のヒンドゥーのお祭り「ディーパーヴァリ(ディワーリ)」、4月のタミルの正月、そして1月の「ポンガル」の時期です。

ちょうど「ポンガル」の1月14日にチェンナイにいましたので、たくさんの新作のポスターや看板を見かけました。
その中でも鳴りもの入りで宣伝されていたのが、カマルハーサンの【パンマル・K・サンバンダン】と今回鑑賞した【レッド】です。
ポンガルから1ヶ月が経ち、ポンガル新作レースでは『パンマル・K・サンバンダン』がひとり勝ちの大成功を収めてるようですが…

この映画は、日本で前知識を全く仕入れていなかったんですが、チェンナイで、ラグヴァランが出演していることを聞き、旅行後半のKL(オデオン劇場)で観ました。
ポスト・ラジニの一番手と言われるアジットも気になるけど、ラグがこの映画では悪役なのか?の方が実は気になってたりして(笑)

お客さんは上映途中でわらわらと増えてきましたが、50人前後かな?平日の21時スタートの回にこれだけのお客さんがいるなんて、日本ではあまり考えられませんけど、次の日に観た『K3G』が20時スタートで500人前後の映画館が満員だったのを考えると、不入りだったのかもしれません。

マレーシアでは、インド系でないマレー人もインド映画を観ます。(シャールク・カーンが、インド俳優の中で現在の一番人気に見受けられました。)
ということで、字幕はマレー語!わ、分からん…(笑)
インドに比べると若干、観客は静かな感じがしましたが、アジット登場シーンなど、大きな歓声があがっていました。

あらすじ

以下、前知識がなく、タミル語オンリーで映画を観てる中で分かったあらすじです。(誤解は当然あると思うので、あしからず。)

レッド(アジット)は、ギャング。しかし、奪ったお金で貧しい人たちにごはんを配ったり、子どもをかわいがったりしている。(なんか、ラジニのバーシャに似てます。)民衆の信頼は厚い。
でもギャングなので敵が多い。しょっちゅう敵に狙われている。
ある日、レッドは町で出会ったガーヤトゥリー(プリヤー・ギル)に一目惚れ。(この辺、いかにもタミル映画!)彼女もボランティアに勤しむ心優しい女性だった。少しずつ、距離が近付いていく二人。
しかし、自分が命を狙われているギャングだということなどがあり、レッドは彼女を拒否してしまう。
悲嘆にくれて、他の男性との縁談が進んでしまうガーヤトゥリー。

ラグヴァランはひょうひょうとした風貌の雑誌ライター。Ananda Vikatan誌でレッドの記事を書くために、取材している。
そして、ガーヤトゥリーの結婚式の日が。その日、レッドは敵のCheeni(Salim Ghouse) と果たし合いになり、刺されてしまう。
それを見つけたラグヴァランは…。

制作Note

●同じタイトルで、テルグ版に吹き替え制作
●「Red」は「赤」の意味の他に、「Revolution, Education, Development」の意味もこめられている。

コメント

(2002年に劇場で鑑賞したときの感想です。)

まず、ポスト・ラジニカーントを意識した作品だと感じました。アジットが汚れ役ながら、民衆の支持を受けているあたりのエピソードはラジニそのもの。
それから、ラジニお得意のタオル回しや敬礼、たばこの投げ加えといった決めポーズ、いわゆる「スタイル」にアジットも挑戦してます。
どういうスタイルかは、観てのお楽しみということにしておきましょう。

私から見ると、ラジニのように年季が入ってない分、「…フッ、まだまだ青いね♪」って感じでしたが、何年か先にはアジットも「スタイル」が板についてるかもしれません。
…でも、凡人の私にも真似しやすい「スタイル」なので、今でも時々、真似しています。楽しいです♪
今後もどんどん挑戦してください。

それから、坊主頭だし、役作りなのかもしれないけどアジットが太ってるのよね。タミル映画ファンなら観た方も多いと思う【Kandukondain Kandukondain】 (’00)のアジットがお気に入りな人なら(それは私だ!)、ちょっと違和感があるかも…。でも、仁侠映画が好きな人にはたまらないかもしれない。ダンス とか、男くささプンプンです。

音楽は【バーシャ】【アルナーチャラム】と同じデーヴァーです。タイトルソングの『RED』は、ラジニ映画でもお馴染みのS.P.バーラスブラマニヤムが、ミディアム・テンポのロックンロール調で激しいボーカルを聴かせてくれます。文句なしにかっこいい曲です。さすがだ、デーヴァー先生!
デーヴァーは、『バーシャ』や『Avvai Shanmughi』等でも感じたことですが、主人公の名前を連呼するような曲が、すごくキマるのね。『レッド』でもそう。

ところで、なかなかラグヴァランが登場しない。途中寝てしまい、寝てる間にまさかちょっとだけ出演して終わりだったのでは!?とやきもきしてましたが、後半も後半(最後の30分間位。ここからは、ラグを中心に話が進む)で登場。
ラグがスウェットのようなよれよれなクルタで登場するのです。(こういうクルタもステキ!キャ~♪)ちょっと意地悪そうな顔をして。悪役なのかなあ~~~?ドキドキして観てました。その意地悪そうなお顔もステキ~♪

ラストを見るに、良い役でした~!(主役じゃなく、脇役に興奮してる…)
わ~いわ~い!ラグを大きなスクリーンで観られただけで大満足な私。
あと、お笑い役の多いチャーリーが、レッドの片腕として、この映画ではめずらしく、シリアスな表情の演技をしています。それもなかなか新鮮でした。

★ラグの役★
レッドを取材する雑誌記者役。ラスト30分で登場するが、結構重要な役回り。あまり見たことがないタイプのクルタパジャマ姿。
アジットはこの映画で太っちゃっててイマイチだけど、ラグはニヒルな感じでかっこいい♪

(2002年1月23日(水) 21:00~の回、マレーシア・クアラルンプールのオデオン劇場で初鑑賞。)

※2002年3月3日配信のメールマガジンの記事を再構成しました。

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