Indian Movies / インド映画の話

Ulagam Sutrum Valiban(ウラガン・スットルン・ヴァーリバン)

2016/12/17

Ulagam Sutrum Valiban DVD

Title : உலகம் சுற்றும் வாலிபன் Ulagam Sutrum Valiban / Ulagam Chutrum Valipan (1973年 Tamil 184分)
Director : M.G.Ramachandran(MGR)
Music : K.S.Vishwanathan (K.S.ヴィシュワナーダン)
Starring : MGR, Manjula (マンジュラー)
タミル映画界最大のスター・MGRが、自分で監督して主演した作品のひとつ。(監督作品は3つ)
秘密を追って、アジア各国をMGRが駆け巡る。最終地は大阪万国博覧会(1970年)
恐らくはタミル映画初の日本ロケ作品
大阪万博の観客が呆然(?)とする中、岡本太郎作・太陽の塔をバックにMGRが歌い踊るシーンが最大の見所。他にもいろいろな場所でMGRが「バンザイ」しまくり。インド映画ファンも、Expoファンもひっくるめ、全ての日本人にぜひ観て頂きたい大傑作!

※タイトルの読み方について;「ウラガム・スットルム(又はチュットルム)・ヴァーリバン」と表記するのが、タミル文字の綴り的には正しいです。
ただし、(1)文章の途中の「m」は「ン」に聞こえやすいこと、(2)おそらく韻を踏んだタイトルなので「ヴァーリバ」に合わせて全ての単語の後ろを「ン」に統一した方が日本語で書いたときに語感的に自然な気がするので、このサイトでは「ウラガ・スットル・ヴァーリバ」という表記にしました。
ちなみに、真ん中の単語「சுற்றும்」の先頭文字「சு」は、スともチュともジュとも読みます。この単語の読みは、スットルンでもチュットルンでも、どちらでもOKです。
(Malaysia Columbia盤では「Ulagam Sutrum Valiban」、Pyramid盤では「Ulagam Chutrum Valiban」、Raj Video Vision盤では「Ulagam Sutrum Valipan」の表記です)

キャスト

Ulagam Sutrum ValibanMGR (科学者・ムルガン & 刑事・ジェイラージ/ラージュー)
Manjula (ムルガンの婚約者・ヴィマラー)
Latha (ムルガンの秘書・リリー)
Chandrakala (出稼ぎダンサーで後にラージューの妻・ラトナ)
Metta Runrath (タイでラージューに恋する女の子)
S.A. Ashokan(ムルガンの発明を付け狙う科学者・ベアラヴァン)
Nagesh (ウェイター)
M.N.Nambiar (謎の空手マスター)

※右画像(Raj Video版DVD裏ジャケットより拝借)をクリックすると、フリッカー上で、画像の俳優名をメモしてあります

スタッフ等


Producer : MGR
Dialogue : K.Sornam
Editor : M.Umanath
Art Director : P.Angamuthu
Make up : Pthambaram (MGR), A.Ramthas (Ashokan, Manjula), Thanakodi (Latha), Ramu (Nambiar), Mohanrav (Monokar), Rajan (Chandrakala), Ramasamy (Nagesh)
(Assistance : Selvaraj, Sababathi, Vijayan)
Udaigal : M.G. Nayudu, M.A.Muthu (Assistance: V.R.Muthu, Sivam, Rajaiya, Shanmugam, Kannan)
Lyrics : Kannadasan, S.Vedha, Vaali, Pulamaippitthan
Songs : M.S.Viswanathan
Banner : MGR Pictures
Studio : Sathya
Release : 1973.5.11
公開日数 : 227日(Galattaの記載によれば)

※2007.11.8に、リマスター版がタミルで再公開されたそうです!

サイト内の関連記事:
太陽の塔をバックに、MGRの真似をしてバンザイしてみる(2006.5.10)

大阪万博公園で、MGRごっこ

この映画に関する記事:
Periploさまの書籍情報(2006.5.15) ~MGRがどれほど日本行きを所望していたかという記述
The Hub この映画の歌に関してのディスカッション
Galattaのデータベース
Location Scouting in “Ulagam Sutrum Vaaliban” (1973) by sgfilmlocations

メディア:Malaysia Columbia Films製 DVD(英語字幕つき。歌には字幕なし)、Pyramid製(歌にも字幕つき、ただし発色がColumbia盤より弱い)、Pyramid関係会社製の2 in 1盤、Raj Video Vision盤(うちのプレーヤーでは認識せず!)があることは確認。
再生状況:良好
初鑑賞:2003.6.1 (Malaysia Columbia Films DVDにて)

Story

 タミル人の科学者・ムルガン(MGR)は、研究を重ねた末、稲妻のエネルギーを集めて保存する方法を発明した。
 ムルガンは、エネルギーを有効活用するためにこれを発明したが、同時に世界を爆破する程の爆弾にもなりうる危険な発明でもあった。
 そこで、ムルガンはアジアの各地にその発明の秘密の断片を隠して回っていた。
 香港での国際学会で発明の概要を発表はしたが、詳細を決して語らず、学会を終えると婚約者のヴィマラー(マンジュラー)を連れて、旅に出た。

 ムルガンの発明を横取りして大金を稼ごうと企む科学者・ベアラヴァン(アショガン)は、ムルガンの秘書としてリリー(ラター)をスパイに送り込んでいたが情報を得られず、ムルガンに発明の譲渡を高額で持ちかけるも断られた。
 ベアラヴァンはムルガンをつけ狙い、マレーシアで彼を誘拐した。
 しかし、拘束時のショックでムルガンは記憶を失ってしまい、ベアラヴァンは肝心の情報を得られず、ムルガンが記憶を取り戻すよう、あの手この手を使う。

 一方で、ムルガンの弟で刑事のラージュー(フルネームはジェイ・ラージ MGR:二役)は、行方不明の兄を探すため、マレーシアにやって来た。
 兄の手がかりを求め、シンガポール、香港、バンコク、そして日本へと向かう。ベアラヴァンも、ラージューが解読した秘密を奪おうと追って来る。
 折しも日本は大阪万博開催中であった...。

Songs

Aval Oru Navarasa Singer : S.P.Balasubramaniam Lyrics : Kannadasan
 よみうりランドの水中バレエ団と共に(?)MGRも水槽に潜って踊っちゃった! 他では決して観られない、貴重な貴重な水中ミュージカルシーン。若き日のS.P.バーラの歌声にもご注目!
Bansaayee (バンザイ) Singer : L.R.Eswari , T.M.Soundararajan Lyrics : Vaali
 MGRとチャンドラカラーが東京タワーをはじめ、日本の様々な場所で「バンザイ」♪ ロケ地チェック!
Lilly Malarukku Singer : T.M.Soundararajan, P.Susheela Lyrics : Kannadasan
Nilavu Oru Singer : T.M.Soundararajan Lyrics : Vaali
 香港
Oh My Darling Singer : T.M.Soundararajan, P.Susheela
Pachhcai Kili Singer : T.M.Soundararajan, P.Susheela Lyrics : Vaali
 タイでラージューに一目惚れした娘の大妄想。 タイ女優とタミル映画の初コラボ、だとか?
 ロケ地はタイだが、一部合成でチェンナイのサティヤ・スタジオでも撮影
Sirithu Vaazhavendum Singer : T.M.Soundararajan Lyrics : Pulamaipithan
 シンガポールのタイガーバームガーデンで、MGRとナーゲーシュ、チャンドラカラーが子供たちとほのぼのと笑いながら踊るのが印象的。※ロケ地訪問日記
Thangath Thoniyile Singer : P.Susheela, K.J.Yesudas  Lyrics : Vaali
 香港
Ulagam Ulagam Singer : S.Janaki, T.M.Soundararajan Lyrics : Kannadasan
 映画のクライマックスを盛り上げまくる、大阪万博と太陽の塔をバックにMGRの笑顔が炸裂な1曲。 ※ロケ地訪問日記
Vetriyai Naalai Lyrics : Veda

本作でMGRは合計4人ものヒロインと踊ってます。
モテモテすぎだよ!(笑)

コメント

<<↓(2010.7.30追記) >>

 下のコメント(2003.7.1)を書いてから月日は流れ、MGR作品をいくつも観ました。
 いや~、他のMGR作品も大変おもしろいです。彼のフォトジェニックさは、本当に他の追随を許さない。

 この作品は、MGRのキャリアの中でも晩年に近いものです。
 とっくに大スターで、傑作をたくさん発表していて、望めばもう自分でおバカなことをしなくたって済むし、もっと民衆のリーダーを気取っておスマシしてることだってできる。
 なのに、この【Ulagam Sutrum Valiban】は、MGR作品の中でも異色中の異色な作品で、他のもっと若くて体もキレキレだった頃の作品と較べても、ぶっ飛び方が実にすごいです。

 MGRが自分で監督して、50代を超えてもなお、アグレッシブに、カっとんでいる。
 昔の映画ならではの、だらけた展開も勿論アリですが、今の時代にも決して色褪せることのない、情緒に溢れた素晴らしいアクション・おバカ映画だと思います。
 
 この数年でこの映画の情報がネット上でもだいぶ出回るようになりました。それによると、予算や諸事情が絡み、日本行きは周囲に猛反対され、俳優の引退を迫る人もいたそうです。
 それでも、MGRが自身でお金を出してでも日本で撮影を望み、強行したようです。
 
 そして、この映画で一番最初に撮影されたシーンが、1970年の大阪万国博覧会が舞台となるクライマックス。

 ゲリラ撮影かと思われるようなシーンがあちこちでありますが、大阪万博の会場内へロケ車での入場を許可してもらえず、MGR自身が肩にカメラを担いで歩いて中に入ったとか。
 最初の撮影から公開まで3年を要し、制作サイドでは相当な苦労があったはずですが、出来上がった映画は全編に渡って、脳天気なエネルギーが充満しています。
 それでいて、やはりプロの仕事だと思わせる、数々の素晴らしいアングルからのショット。Expo '70や1970年の日本の記録映画としても秀逸かと。
 これってすごいですよね?絶対すごすぎる!

 2007年1月1日、まだ当時お元気だったナーゲーシュに会いに行きました。 日本での撮影は良く覚えているよ、日本の人々の礼儀正しさなどがとても印象に残っている、と目を細めて語ってくれました。(→日本への挨拶動画
 
 MGRの代表作といえば、別の作品かもしれません。
 でも、他のMGR作品もいくつか観たら、もう一度この映画を観てみてください。この映画の不気味なまでのMGRの野望(?)が、ギラギラ伝わって、更におもしろいですよ、きっと。
 この感じ、他のMGR映画ではなかなか味わえない!


<<↓(2003.7.1初稿) >>

 タミルの往年の大スター、MGR自身が監督・主演した3作品のうちの一本であり、タミル映画で初?の日本ロケ作品。大ヒットを記録したそうです。
 公開当時、28週のロングラン、MGR作品中でもNo.2のロングランヒットだったとか。

 MGRの他の作品を見ていないので、MGR作品としてどんな位置に来るものなのかは分かりませんが、日本人の私が見る限り、面白過ぎ、大傑作、大喝采!

 MGRという大スターが50歳を超えているのに、何でこんな大スターにこんなことをさせるんだ!?と思うばかばかしいシーンの連続。 こんなことをスターにやらせちゃう人はいったい誰なんだ、と思いきや、監督はMGR本人じゃないの!
 ウチや巷の掲示板で、この映画が話題になりましたが、予想を遥かに越える、ばかばかしさ大爆発、タミルの底力をみせつけられた、サスペンス・アクション映画でした。

とりあえず、めちゃくちゃツボにはまったトコロ
●MGRの回し蹴り(床を転がって敵を蹴るなんて、初めて見たよ、こんなアクション!)
●MGRの水中バレエ(足にフィンをつけて、ほんとに水中で踊ってるよ...。もしかして、よみうりランドで1964年~1997年まで上演していた、世界で唯一、という「水中バレエ劇場」がロケ地か?
だとしたら、当該日本人バレエ団の人たちが踊ってると思われるので、タミル映画、恐らくインド映画初めての日本人群舞によるミュージカルかもしれない...。というか、こうして日本の文化?がインドに紹介されたのか、と思うと感慨深いものがあります。
※よみうりランド情報:袋井師匠、ろんば・なんどぅり♪)
●人を探しているのに、大阪万博のアトラクションなどを楽しみまくっている。(...それより探せよ!)。 なおかつ、こんな人ごみで人を見つけるのは難しい。ならば、こうやって探そう♪と踊りだすところ。
(踊って目立てば、相手が自分を見つけてくれるだろう、ということ? たくさんの日本人ギャラリーに囲まれて、天真爛漫に踊るMGRには、涙が出そうなほど感動した...)
●クライマックスのローラスケート・アクション摩訶不思議な自白装置

 MGRの後継者がラジニだ、とよく言われるけど、なるほど納得です。
 MGRは日本でいうなら、長嶋茂雄氏みたいな感じ。ボケが天然。この域に到達する芸人は滅多にいないであろう、とこのDVD1本でしみじみ思いました。

 とにかく、テンションの高いベタな展開の連続。'70年代の懐かしい、いろいろな場所(東京タワー、富士急ハイランド、マリンランド、よみうりランド、富士山、鎌倉の大仏、銀座和光...)の日本が映り、1960年代にアメリカでも「上を向いて歩こう」を大ヒットさせた坂本九の歌声が挿入され、ノスタルジーぷんぷん。

インド人のフィルターを通した当時の日本も興味深いところです。音楽もGood!大阪万博で歌い踊る曲は、今でもタミルでよく知られているそうです。

 ちなみに、題名の意味は「世界を駆け巡る若者」。50代を迎えたMGR(←若者?)が、どんな意気込みで自身がワールドワイドに活躍する映画を撮ったのか、彼が今でも生きていたならぜひお伺いしたかった。

 また、この映画の頃にMGRはDMKから独立して政党AIADMKを立ち上げ、後に州首相に就任。政治的なプロパガンダとしても、重要な意味がありそう。インドやタミルに興味ある方なら、どの角度から見てもおもしろい作品には間違いなさそうです。

ご参考までに

★recoさんが2006年夏のチェンナイで鑑賞したMGR映画【Naadodi Mannan】の映画館前写真

旧ブログ時代のコメント

ina 2007年5月10日 17:34
MGRの監督作品としては2本目で、この一つ前の作品、Adimai Pennもメガヒット
だったそうな。
このUlagam Sutrum Valibanは、最初のタイトルは、Ulagam Sutrum Tamilianだ
ったそうだけど、最終的にValibanになったんだという。
また、撮影は最後の万博シーンから始まったそうだよ。


むんむん 2006年5月16日 20:17
そうですか、じゃヴィジャイオフを兼ねて、アカデミックに国会図書館と南インド料理店をハシゴしましょうか!
東京ロケ時に、どっかのレストランでMGRは食事してないかなあ...。


Periplo 2006年5月15日 23:28
>35年以上前のロケの話だから、調査は困難を極めそうですが、もっとこの映画のエピソードを知りたいですね。

いつか暇を見つけて当時の新聞の縮刷版かなんかを調べたいと思ってはいるのですけどね。なんせあれだけ派手なロケをやったんだから、全国紙が無理でも関西の地方紙だったら絶対に取りあげてると思うんですが。

こんど一緒に国会図書館に行きませう笑。


むんむん 2006年5月15日 17:14
Periploさま

すばらしいご報告、ありがとうございますっ!
(トラックバック送らせていただきまする~)
ジャヤ様は来日しなかった、ということですかね。
35年以上前のロケの話だから、調査は困難を極めそうですが、もっとこの映画のエピソードを知りたいですね。


Periplo 2006年5月15日 00:28
>MGR作品としてどんな位置に来るものなのかは分かりませんが

制作時のスキャンダラスなエピソードをある本で見つけました。MGRの本作に寄せる大層な執着が伝わってきます。
http://periplo.mond.jp/cgi/mt/archive1/2006/05/cutouts.html

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