Indian Movies / インド映画の話

Yaradi Nee Mohini (ヤーラディ・ニー・モーヒニ) | ダヌシュ ラグヴァラン

2015/12/20

-yaaradi-nee-mohini

Title : யாரடி நீ மோகினி Yaradi(Yaaradi) Nee Mohini  (2008年 Tamil 173分)
Director : Mithran Jawahar(ジャワハル)
Music : Yuvanshankar Raja(ユヴァンシャンカル・ラージャー)
Starring : Danush(ダヌシュ), Nayanthala(ナヤンターラー), Raghuvaran (ラグヴァラン)

2008年4月4日公開。2008年3月19日にラグヴァランが急逝し、その数日前にこの映画の撮影に臨んでいた、ということで大きな話題となり、2008年のタミル映画界のベスト3に入る大ヒット。ダヌシュの久々の大ヒット映画にも。

An enigma called Raghuvaran 2008.2.22 The Hinduのインタビュー。
ネット上に存在するものでは生前最後のインタビュー記事に。この映画やダヌシュとの関係なども語っている
http://www.thehindu.com/todays-paper/tp-features/tp-fridayreview/an-enigma-called-raghuvaran/article1433289.ece

作品自体は、2007年のテルグ映画で評判の高かった【Aadavari Matalaku Ardhalu Verule】のタミル版リメイクで、暴力シーンが過多な傾向の近年タミル映画の中では、かなり安心して観られる、ファミリードラマ。
都会で父と二人暮しだった主人公が、地方の大家族の中で滞在することになり、暮らしぶりの違いに目を白黒させながらも次第に成長していく過程が実にすがすがしいです。

キャスト

Dhanush : Vasu ヴァス 面接が苦手で、入社試験にことごとく失敗し無職のままなのを父に嫌味を言われている。
Nayanthara :Keerthi (Komalavalli)  キールティ ヴァスの一目惚れの相手で後に上司になる
Raghuvaran :ヴァスの父親。教師。
Karthik Kumar : Cheenu チーヌ ヴァスの親友の一人。キールティの許婚。
K. Vishwanath : キールティの田舎に住む祖父 (※原作のテルグ映画でも同役)
Karunas : Ganesh ガネーシュ ヴァスの親友の一人。
Saranya Mohan : Pooja (Anandhavalli)  プージャ キールティの妹で15歳。ちょっとオマセでヴァスに憧れる
Sukumari : Grandmother おばあさん 
Manobala : Balu バル

スタッフ

Direction:Mithran Jawahar
Story & Screenplay:Selvaraghavan
Production:Dr. K. Vimalageetha
Music:Yuvan Shankar Raja
Cinematography:Siddharth
Editing:'Kola' Bhaskar
Art direction:T. Santhanam
Choreography:Dinesh & Kalyan
Stunts:Selvam
Lyrics:Na. Muthukumar
Banner:R. K. Productions

音楽

Engeyo Paartha Udit Narayan 5:27 Na. Muthukumar
Oh! Baby Oh! Baby Haricharan, Naveen, Andrea Jeremiah, Bhargavi 5:44 Na.Muthukumar
Oru Naalaikkul Karthik, Rita 5:45 Na.Muthukumar
Vennmegam Hariharan 4:40 Na.Muthukumar
Nenjai Kasakki Udit Narayan, Suchitra 5:11 Na.Muthukumar

あらすじ

チェンナイに父親と二人暮しのヴァス(ダヌシュ)は、上がり症で自分に自信がないまま、面接を受けては落ち受けては落ち…を繰り返して自暴自棄になりかけた生活を送っている。
教師の父親(ラグヴァラン)は、息子のふがいなさに、「息子のせいで、自分は(世間では息子に養ってもいい歳なのに)退職できない。」と愚痴をこぼしていた。

ヴァスは雨の中、車から顔を出したキールティ(ナヤンターラー)に一目惚れ、追いかけていくうちに彼女がソフトウェア会社の社員であることを知る。
その会社の求人広告を見つけると、今までの態度を改めて面接に臨み、ついに採用が決定。
そしてキールティが上司になった。

オーストラリアに一緒に出張に行った折に、ヴァスはキールティに告白するが、キールティは敢え無く拒否し罵る。

失意の息子を見た父は、親心でキールティに「息子はいい奴なんです」と直談判で訴えた。
会社に押しかけられたキールティは、父親にも逆上した。

自分を愚痴っていた父親が突然自分の味方をしたこと、でも会社に押しかけられて恥ずかしい思いをしたことで、ヴァスは気が動転した。
その夜珍しくヴァスと一緒にお酒をあおり、眠った父親は、翌朝目を覚まさなかった。

心臓が弱っていたとはいえ自分のせいで父が死んだのでは、というショックと、二人きりの家族であった父親への愛情に今更気づき、呆然とし何も口にできなく衰弱したヴァス。
見かねた親友のチーヌ(カールティク・クマール)は、これから田舎に帰って結婚式をあげるが一緒に行こう、と誘う。

仕方なしに、ついていくヴァスだったが、チーヌの許嫁はキールティだった。

そしてたどり着いた田舎の大家族の風習の、都会の生活とのあまりの違い。
失意ととまどいの中でも、今まで考えたこともなかった、自分の周りの家族のこと、キールティと家族のことをヴァスは心に留めるようになっていく。

キールティも、自分が罵った夜にヴァスの父親が亡くなったという事実が心に重く、チェンナイを離れた地で、(今まで会社の仕事でカリカリ怒ってばかりいた)自分の在り方や幸せについて、考え直すようになる。
その一方で、キールティの妹プージャー(サラニヤー・モーハン)がヴァスに憧れ、ストレートな愛情をヴァスにぶつけようとするように。

そして結婚式のその日が迫り…。

むんむん's コメント

【Aadavari Matalaku Ardhalu Verule】

※たまたま2007年5月6日、シンガポールでこの原作映画であるテルグ映画【Aadavari Matalaku Ardhalu Verule】を観ていた(上記写真がそのときのチケット)ので、その映画のイメージがかなり強くて、比較的な見かたになってしまうのをまずお断りしておきます。

原作を見ないでこの映画を直接観ていれば、また違った感想になると思うんですけどネ。

このテルグ版、字幕なしで、テルグ映画の出演者陣に慣れてないなかで映画館で観ましたが、とても楽しめたのです。

インドの都会の小家族の暮らしと田舎の大家族の暮らしをゆっくり描写して、でも途中にアクセント程度にオーストラリアが登場するけど、結果としてインドの暮らしがより鮮明に浮かび上がる効果がでてます。

トータルでいうと、わたし的にはテルグ版の方がインパクトがあっておもしろかったかな。
でも、このタミル版もいい作品だと思います。
ヴァイオレンスを強調した映画ばかりの中、こういう映画がタミルでヒットしたということは、とてもホッとしました。

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テルグ版では、ダヌシュの役をヴェンカテーシュがやってましたが、ダヌシュより一回りは年齢が上だと思うんですけど、そんな主人公の上司が遥かに年下に見えるトリシヤーというギャップがまず可笑しかったし、そんなヴェンカテーシュのストーカーぶりが年齢にミスマッチだろ!とつっこみたくなるくらい、こっぱずかしくてかわいくて叙情的でした。
そしてトリシヤーの怒りっぷりが、タミル映画で見せたことがあるのか?ってぐらいはっちゃけてて、これまたキュートでよかったです。

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テルグ映画の佳作をリメイクしたわけで、物語としては実に落ち着いてて起承転結もしっかりしていて余韻が残る原作です。
映画の流れもほぼ原作に忠実に演出されているので、ある程度の質はもう保証されている映画といえるでしょう。
ヴァイオレンスもないし、インドの生活がしっかり描かれています。
普通にディープなインド映画ファンじゃなくてもお勧めできる、ハートウォーミングなファミリー映画になってると思います。

あとは、テルグ版に忠実なリメイクということは、タミル版の出演者をそこに当てはめるとテルグ版とどれだけ印象が変わるのか、そんなところが鑑賞のおもしろさのひとつなのかなー。

ヴェンカテーシュはちゃんと就職して自信がつけばシャキっとなっていくであろう雰囲気があったのですが、タミル版のダヌシュにはそれが全くない!
最初から最後まで、ダヌシュらしく(?)、なんか貧相でした。

なんていうんですかね、就職試験に受からない風貌としては、タミル版の方がハマりすぎなぐらいハマってましたが、テルグ版の方はちょっとミスマッチなくらいなところがおもしろかったんですよね。

後半の都会暮らしの主人公が、田舎の大家族にホームステイしていくなかで受け入れられていくシーンは、どちらも甲乙つけがたいけど、テルグ版の方が、主人公と村の子供の交流がもっとゆったり描かれていてほろリとしたかな。

トリシヤーの怒りっぷりとナヤンターラーの怒りっぷりにしても、ナヤンターラーが怒るのは容易に想像がついちゃうので(【チャンドラムキ】でも他の映画でも怒ってるナヤンターラーってよく見るでしょ?笑)、トリシヤーの意外性の方がおもしろかったかな。

ヒロインの許婚役がこれまた!
テルグ版では、タミル映画で今でもバリバリに主役を張っているシュリーカーント!(テルグ映画界でのクレジットはSriram)
シュリーカーントがこんなにかっこいいのに脇役かいっ!みたいな豪華な意外性(笑)
タミル版は、それに較べると、ちょっと弱いかな・・・?

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さてさて、わたしにとりまして、最大の見所は、ラグヴァラン
ラグさまの最後の演技!

こういう映画がラストになったというのはホッとしました。
もちろん、タミル映画として近年の中でも傑作中の傑作!みたいな作品だともっとうれしいかもしれないけど、実に味のあるいい演技をしているし、最後にとてもいい役を与えてもらったね、と思いました。

たとえば、この映画の3ヶ月前に公開だった【Bheemaa】がラグさまのラストだったりしたら、ちょっと切なすぎ。(【Bheemaa】では、どうしてこんな役をやらせるんだよーと思ったのでした)

テルグ版の方が父と息子の心の交流のシーンがもっと多かったような気がするのだけど、ラグ様は予定していた撮影をこの映画で全部こなしたのかな?
もし残っていたのだとしたら、もっとこんな演技を見たかったです。

実年齢よりだいぶ老け役(演技当時の年齢が48歳位なのに、仕事をリタイアしてもいい頃な親父を演じていた)なのだけど、ラグがそんな歳になったころ、息子のリシくんがダメ息子だったらこんな風に諭したり、でも愛情のある眼差しを向けたりしていたのかな、と彼の実生活とリンクするような、リアルでしっとりした演技を見せてくれました。

中でも、ラグがドーサ焼いてるシーンが特筆ものです!
これは貴重だ!ラグが自分で料理してるなんて!(笑)

せっかく焼いてるのに、いじけた息子はそれを食べようとしない。怒る父親。
何気ないシーンでも、本当にラグは奥行きを与えて心に残る演技をする。

登場シーンはそんなに多くはないですが、もうこれだけで必見中の必見映画となりました!

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【Kadhal Kondain】【Thiruda Thirudi】(2003年)以来、久々にダヌシュの映画を観たんですけど、あの頃のダヌシュのいい持ち味が、この映画では無くなったのかあるいは活かしきれてない感があります。

5年前のあの頃より大人になっちゃったから、といえばそれまでなんだけど、原作に忠実なリメイクな分、ダヌシュのポテンシャルを爆発させるまで行き着かなかったのかなあ。

でもリメイクが原作を超えられないのが当たり前、じゃあつまんないわけですよ!
演出側だけでなく、もうちょいダヌシュ自身も、この映画でもっとよくできたのでは?という気が。

上記の2本の大傑作で突然スターダムに躍り出た2003年当時、
どこにでもいるやせっぽちのタミルの男の子のルックスながら、
強烈にキビキビした動きでマドラス・ブルース・リーと言われるほど人の目を引き、
一方で内向的な男の子の繊細な気持ちとか表現ができる、
(ルックスはちょいと貧相だけど)演技力は未知数ながら、ポテンシャルが高い男の子だと思ったものでした。

でもその後はあまりヒットに恵まれず、公私評判が悪い時期があったようです。
2006年頃、インドに行ったときに、彼は名声を手にして努力しなくなった、という話も巷でききました。

ラジニの娘と結婚したこと、この映画のヒット等々で、その後再び盛り返しつつあるようですが、本作品はダヌシュの魅力そのものよりも、元の作品のよさに助けられた映画かな。

余談ながら、それでもダヌシュの通称(?)葬式おどりは、この映画でも少し観られました。これは相変わらず上手!

(2010年5月3日 アインガラン社DVDで鑑賞。)

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