Santosh Sivan 2007.9.28 in Tokyo (1)

Celebrity / インド映画界の人々の話

Santosh Sivan

日本・インド映画人シンポジウム東京会場でゲストだった、サントーシュ・シヴァン監督。

9月28日(金)、東京で「日本インド映画人シンポジウム」というイベントが日本撮影監督協会の主催で行われたので、行ってきました!

午前中に【ナヴァラサ】を鑑賞、午後からサントーシュ・シヴァン監督の基調講演、日本の映画人を交えてのパネル・ディスカッションをはさみ、【ディル・セ 心から】をさらに鑑賞するという、長丁場ながらなんとも魅力的なイベントなのでした。
しかも、その後さらに、シヴァン監督も参加、一般の映画ファンもウェルカムだという懇親会まで♪

昨年のNHKアジアフィルムフェスティバルでも【ナヴァラサ】が上映され、シヴァン監督はティーチイン(質疑応答)を行ったのですが、その際もかなりの観客がいらっしゃってました。
ただ、【ナヴァラサ】が、サードジェンダー(またはトランスジェンダー)のヒジュラを題材に扱っていた関係で、インド映画やアジア映画に興味がある方もさることながら、トランスジェンダーな方やそれに関心のある方も多く、質問の内容もヒジュラを扱うことに対しアツい方が多かった記憶があります。

それに対し、今回は、日本の映画業界関係者が多く出席していて、今回インド映画を観るのも初めてという方も多いながら同じ映画を作る業界の者として興味をもって参加されている方が多く、質問の内容や雰囲気がガラリと変わって、おもしろかったです。

また、映画上映の方も、どちらも劇場鑑賞したことのある作品でしたが、【ディル・セ】は配給権が切れているという話を聞いていたので、恐らく今後日本でスクリーン上映は困難だと思われますし、気合入れて見てきました。
(中古VHSビデオでも既に購入していますが。やっぱり他の観客と一緒にスクリーン鑑賞したい!)

シヴァン監督も、【ディル・セ】を一緒に会場で観ていたようです。

基調講演の前に、シヴァン監督に挨拶をして、昨年のNHKでお会いしたときの写真をお渡ししました。
そのとき少し顔を覚えていただいていたからか、その後の質疑応答などが非常に話がスムーズにいきました。

興味深いコメントがたくさんあったので、メモして覚えている範囲で内容を記録しておこうと思います。

サントーシュ・シヴァン監督基調講演&質疑応答メモ

※1作目【ナヴァラサ】の上映後に、基調講演が行われました。

・今日は2作品が上映される。上映される2作目(【ディル・セ 心から】)は、自分は撮影監督として参加したが、とても商業的(コマーシャル・フィルム)で、シャールク・カーンなど大スターも出演し、予算(バジェット)も大きい。
・そういった映画で稼いだ自分のお金で制作・監督したのが、1作目の【ナヴァラサ】だ。
・インドでは近年、マルチプレックス(シネコン)が増えてきたので、非商業的な映画も上映されやすくなり、【ナヴァラサ】も国内で上映された。

 : (講演の内容は短く、監督より「質問になんでも答えます」という言葉があり質疑応答へ。)

質問:今拝見した【ナヴァラサ】はドキュメンタリーと物語がミックスされたような作品だったが、ドキュメンタリー映画は撮るんですか?

【ナヴァラサ】もドキュメンタリーに近い。クーヴァガムの人たちは当初撮られるのを嫌がっていた。
カメラを意識しないように、16mmのカメラで隠しながら撮影したりした。

質問:今日はヒジュラの映画の上映があるということで来ました。サード・ジェンダーを題材に取り上げた理由は?

AIDS撲滅のプロモーションフィルムを撮っていた関係で、関係者の知り合いが増えた。
それでクーヴァガムのお祭りを取材することができた。
ヒジュラの人たちは、自分たちのことを知ってほしいとは願っているが、メディアに取り上げられるときは歪んだ形で報道されることが多く、それを嫌って前に出たがらない。
(そのため、クーヴァガムのドキュメンタリーはとても珍しい。)

質問:サントーシュ・シヴァンさんは、「光と影を操る映像」を撮るというような紹介をよくされているが、【ナヴァラサ】では、ドキュメンタリー要素が強い分、「光と影」というのは若干弱かった感があります。【ナヴァラサ】では、どのような映像を撮りたいというような意図がありましたか?

自分のアーティスティックな個性を出したいと、考えながら普段は撮影をしているが、時々は自分が見たままで撮りたくなるときもある。
【ナヴァラサ】は、見たままで撮って伝えたかった映画だ。

(私が質問しました。昨年のNHKアジアフィルムフェスティバルの上映時に質問しそこねて1年経っていたので、直にこれを聞けてうれしかったです~!)

質問:あなたの作品に【ザ・テロリスト (マッリの種)】と【マッリ】というのがあるようですが、違う映画なのですか?

違う。【マッリ(Malli)】は、8歳の女の子マッリが主人公の児童向けの映画。
このときマッリを演じた少女が、今回の【ナヴァラサ】の主人公・シュエータも演じている。
【マッリ】で「子供向けの映画しか撮らないんですね」と言われたことが何度かあった。その後、【ザ・テロリスト】のマッリを見てびっくりした人も多い。

同じ「マッリ」という女性を子供と娘で撮ったので、どうせならいつか、おばあさんの「マッリ」も撮ってみたいよ(笑)。

公演中

パネル・ディスカッションの内容、懇親会はつづく

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