Arputham (希石) | ローレンス クナール

Indian Movies / インド映画の話


Title:Arputham அற்புதம் (奇跡) (Tamil,2002)
監督:R.S.ヴェンカテーシュ 音楽:シヴァー
主演:ローレンス、アヌ・プラバーカル、クナール

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2015年に突如【希石(原題:Arputham) 】というタイトルで日本でDVDがリリースされました。タミルでひっそりと公開された低予算映画と紹介されていましたが、意外に結構(いや、かなり)面白い! 少なくとも、ローレンスの踊りはセットが低予算でも相当にテンションが高くてカッコいい♪ リーズナブルなDVDですし、私はおススメします。

あらすじ

アショーク(ローレンス)は、学校卒業後も中途半端な仕事ぶりで何かと親にお金をせびるような生活を送っていた。
ある日、プリヤー(アヌ・プラバーカル)と出会い、叱咤激励されて恋心をいだき、告白をする。君がいないと死ぬ!と言い続けるアショークを見て、本当に死なせてはいけないと心配するプリヤーは完全に拒絶をすることはしなかった。
アショークはプリヤーに振り向いてもらうために、懸命に働くようになった。
しかし、プリヤーには、アルヴィン(クナール)という、将来を誓った彼がいて…

映画が公開された時期のことなど

この映画、まったく知らないけど、なんかビジュアルを見たことがあるかも…
と思って、2002年にチェンナイ旅行したときの写真をチェックしてみたら、ありました!

Arputham

Arputhamの宣伝看板 2002年9月 チェンナイで撮影

この映画は2002年9月12日公開ということで、9月半ばにラジニカーントの【Baba】を観にチェンナイに行ってて、町でタミル映画のポスターや看板を見かけたら片っ端から写真を撮ってたので、公開直後だったこの映画のものも無意識に写してました。
でも、この当時にチェンナイで大ブームになっていたのは、R.マーダヴァン(【きっと、うまくいく】の彼ね)が初めてアクション映画に挑んだという話題作【RUN】でしたね。バーバーのお祭り騒ぎはすっかり静まってて、マディフィーバーだったなあ。

クナールは【Kadhal Dhinam】(1999年)という主役デビュー作で大ブレイクした後、この映画の頃にはキャリアがたぶん、どん詰まりになりかけていた時期。(2000年前後、日本でも「こんなコがタミル映画でこの先、主役を張っていけるの!?」的な注目を一部で浴びていた甘いルックスだけど線の細いクナールくんでした… 2008年に、まさか、自殺してしまうとは。)

アヌ・プラバーカルは、DVDを見始めてこのコ観たことあるなあ誰だっけ?としばらく考えてたら、思い出した!
象さんのバーシャが活躍する神様映画【Annai Kaligambal】(2003年)でラミヤー・クリシュナンの妹を演じてた彼女だわ。カンナダの女優さんらしいけど、2002年頃はタミル映画にも進出しようとしてたんですね。

そしてローレンス。ダンスマスターから主役級の俳優に昇格した彼は、2015年の今でこそ【Kanchana 2】などでトップスターだけれども、2002年の頃は主役を演じたといっても釣書が増えているだけ、という印象も無きにしもあらず。
2000年のプラシャーントの【Parthein Rasithein】でも、悪役的な役どころを演じていたもんね。

ということでネームバリューがあるようなないような…なキャストが集結した本作ですが、大看板がアンナーサライに立てられていたということは(低予算とはいっても)それなりにお金をかけて公開していたのではないかな?と予想するんですが、どうでしょう。

キャスト

Arputham-poster

上記ポスター写真の左から;クナール、ダーム、ヴァイヤープリ、ローレンス、アヌ・プラバーカル
ポスター上の記載によるとシャーンティ劇場でも上映してたようなので、ビッグスクリーンでも上映されていたんだなと推測されます。

Raghava Lawrence (ローレンス) アショーク
Anu Prabhakar (アヌ・プラバーカル) プリヤー
Kunal (クナール) アルヴィン
Dhamu (ダーム) アショークの友だち
Vaiyapuri (ヴァイヤープリ) アショークの友だち
Livingston (リヴィングストン) プリヤーを追いかけ回している資産家
Lavanya (ラーヴァンヤー) ヴァサンティ

ソングシーン

♪ Aaha Anandham / Shankar Mahadevan
ウチの4歳の息子が、超お気に入り。もう何回もこれだけのためにDVDを再生してるので、元は取ったと思う(笑)

♪ Pondy Bazaaril / Harish Raghavendra
私のお気に入り。賑やかなT.ナガル地区のポンディ・バザールで生き生きと踊ってる感じがイイね!

♪ Nee Malara Malara / Unnikrishnan, Chitra
クナールくんのダンスコーナー。

♪ Pothunda / Tippu
ローレンスはもちろん、カラフルなルンギダンサーズとかイイ!
翌2003年のヴィジャイとの【Thirumalai】のダンスバトルでも見せた、高速の振り付けもちらほら!?

♪ Thattu Thattu / S.P.Balasubramaniam
ローレンスたちが改心してたちあげた事業が成功していくところの音楽。
南インド料理好きとしては、ローレンスのミールスサーブとか、厨房シーンとか、ウキウキします☆

ポンガル様製のDVDの日本語字幕が、歌についてはほぼ全部意味が不明でした。
が、タミル語の響きにあった日本語訳をしつこいくらいに当ててるところ(言い換えると、空耳ともいう…)は、労作であることがうかがえ、逆に感心いたしました。今後、ブックレットに歌だけでも本当の直訳を付記していただけると、大変ありがたいかも☆

感想

これ、低予算かもしれないけど、タミルの人々のココロを掴む普遍的な何かを持つ説教映画だと思う。
昔のヴィジャイだって、こういう話に出ていたかもしれない。それからダヌシュだったらこれは完璧に演じるだろうな。

ローレンスのダンスは、今見てもとにかくすごい!
でも、台詞回しが単調で弱々しくて、当時はダンスは得意でも演技やアクションはニガテだったのかな。
この映画をヴィジャイやダヌシュが演じてたら、ぜったい、どかんどかんとアクションをやらかすところだけど、ローレンス、踊りまくってるけどあまりアクションシーンがない。

(逆に言うと、2015年の今は監督業もこなしつつ、よくここまで役者として大成したな、って素直に感心する☆)

最初、いけすかない上流階級の兄ちゃんだったクナールが、後半でどんどんイイ奴になっていく。ローレンスとクナールでヒロインの取り合い(ローレンス側はそれを知らない)になってクライマックスに向かってなんでそうなるのー?な連続なわけですが、クナール、そんな簡単にあきらめないでがんばれ!ホラがんばれ!とクナールを叱りつけたくなりましたよー。

強烈なマサラを振りまいた映画ではないんですけど、見終わった後に、ここちのいい余韻がありました。
起承転結もしっかりしていて、すっきりです。
面白かった、いいお買い物をさせていただきましたー!

(2015年11月2〜3日、日本盤DVDで鑑賞。)

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