Title : படகோட்டி Padagotti / Padakotti(パダゴーッティ:船乗り) (1964年 Tamil)
Director : T.Prakash Rao (T.プラカーシュラーオ)
Music :M.S.Viswanathan (M.S.ヴィシュワナーダン)、T.K.Ramamoorthy (T.K.ラーマムールティ)
Starring : MGR, Saroja Devi (サロージャー・デーヴィ)
MGRが演ずるは、貧しい漁村の漁師でリーダー。
部落間の闘争や、部落違いの娘との恋に苦悩。社会問題を随所にちりばめながら、最高にロマンティックで、フォトジェニックなMGR(とサロージャー・デーヴィ)を堪能!
漁や海辺の情景描写も美しい。
古き良き映画ってのは、こういうもんだ!って思う傑作。
1964年11月3日公開
キャスト
MGR: マニカム(Thirukaai Meenavargalという部落の若いリーダー)
サロージャーデーヴィ:ムットゥ(Sura Meenavergalという部落のリーダーの娘)
マノーラマー:マニカムの妹
ナーゲーシュ:ムットゥと同じ部落民。マノーラマーに恋する。
M.N.ナンビアール:ヤジャマン(地主:ザミンダール)
S.A.アショーガン:地主の使用人
スタッフ
Main Story: Nannu
Dialogue: Krishnamurthy
Screenplay & Direction: T. Prakash Rao
あらすじ
タミルナードゥ州のとある漁村で隣り同士の部落、ティルカーイとスラーは事あるごとに反目しあっていた。
ティルカーイのリーダーは、貧しい漁民どうしで手を取り合っていけないかと心を砕いていたが、スラーのリーダーは聞き入れず、ティルカーイのリーダーを襲った。
ティルカーイのリーダーは息子のマニカム(MGR)に、「(リベンジなどをせず)スラーの人たちと協力するように努力してほしい」と言い残してリーダーは息を引き取った。
マニカムは腕っ節が強かったが父の言葉どおり、スラーの人々と同盟を結ぶべく働きかけていくことにした。しかし漁民たちは和解することが正しいと頭では分かっていても、なかなか受け入れることをできずにいた。
部落が反目しあうのは、地主(M.N.ナンビアール)がウラで糸をひいていた。
対立させることで、貧しい漁民たちを壊滅させようとしていたのだ。
ある日、嵐のせいで漁に出られずに借金の用立てに地主に泣きついた漁民たちを諭した。
地主は漁民たちが文盲であることをいいことに、不当な契約書に拇印を押させようとしていたのだ。
契約書を読むことができたマニカムは、漁民たちに思いとどまるように諭した。
「妻や子供の食料にも事欠く今、正義を言ったって生きていけない」と人々はマニカムに反論する。
孤立したマニカムは、意地になって嵐の中、ひとりで船を出し、波にのまれてしまった。
翌日、スラーのリーダーの娘、ムットゥ(サロージャー・デーヴィ)は浜辺で倒れていたマニカムを見つけた。
反目グループの男性であることに気づいたムットゥは、危険だと察知し、隠れてマニカムを介抱した。
目を覚ましたマニカムは、妖精のようなムットゥに恋をし、ムットゥもマニカムにすぐに惹かれた。
部落の和解、対立部落の相手との恋の成就のために、マニカムとムットゥはあの手この手を使っていくが、事態は一向によくならず、それどころかムットゥの美しさに目をつけた地主が強引に彼女との結婚を父親に申し入れ…。
Songs
♪ Tharaimel Pirakka T. M. Soundararajan Vaali (poet)
♪ Thottal Poo Malarum T. M. Soundararajan, P. Susheela Vaali (poet)
♪ Koduthellam Koduthaan T. M. Soundararajan Vaali (poet)
♪ Kalyana Ponnu T. M. Soundararajan Vaali (poet)
♪ Paatukku Patteduthu T. M. Soundararajan, P. Susheela Vaali (poet)
♪ Naan Oru Kuzhandhai T. M. Soundararajan Vaali (poet)
♪ Azhagu Oru Ragam P. Susheela Vaali (poet)
♪ Ennai Eduthu P. Susheela Vaali (poet)
派手なダンスシーン、お色気サービス的な女性の露出度大なダンスシーンは一切ないけれど、音楽が叙情的で素晴しく、踊ってなくてもステキなミュージカルシーンばかりでした!
MGRがタップ(?)を叩きながら切なそうに歌う最初の曲から、つかみはOK!
(音と指の動きがほぼ完全にピッタリ。MGR、芸達者だなー!)
むんむん’s コメント
ヴィジャイの【Sura】が、MGRの映画の何かを下敷きにしているんじゃないか?とふと思い、手持ちのMGRのDVDジャケットを漁るうちに発見した作品。
バッチリ、MGRが漁師。半袖シャツ、袖の先をアクセントにしたようなファッションは、ドンピシャで【Sura】のヴィジャイにとっても似てる♪
検索してみると、インドの記事にもそれについて言及アリ。(indiaglitz)
ヴィジャイつながりで興味をもって見た映画でしたが、3時間の時間も気にならずに、一気に見ました!
ど派手なシーンも控えめながら、だらけた展開がほとんどなく、最初の数分を見ただけで素晴しい映画だろうと確信。
ヒロインが水に濡れるようなお色気シーンだの、観客に媚を売るようなシーンもなく。
(1960年代のインド映画はこういうのが普通だったのか、これが異端なのか?)
見終わった時のすがすがしさや余韻も期待以上。
MGR映画の常連さん、ナーゲーシュの役のファニーさがこれまたいいです!
何故か浜辺に蓄音機があり(笑)、レコードがかかると人が変わったように腕っ節が強くなったり弱くなったりするキャラクター。
ナーゲーシュが恋する相手は、マノーラマーで、他のMGR映画でも恋人同士だったりしてますね。
悪役な地主役のM.N.ナンビアールもワルな色男(?)がいいですよ。前髪の垂れ具合とか。
背筋がピンとしてて、悪い奴だけどどこか憎めない役。
昔のタミル映画やインド映画を観てみたい、という方にはぜひぜひオススメしたいです。
キーワード
自分的には、MGRの作品中でもかなり上位!
恋するMGR、苦悩するMGR、変装して敵地に乗り込むMGR、…他のMGRでなかなか観られないMGRがたくさん観られる。芸達者ぶりを堪能。
ヴィジャイの【Sura】の世界観に相通じるところがある。
タミルスターが貧民を演ずる娯楽映画は決して多くないので、PadagottiもSuraも珍しい部類かも。
ボートレースのシーンをタミル映画で初めて観た。(ケーララの文化紹介では見たことがあるが。)秀逸。このシーンのためだけでも観る価値大。
padagu படகு:boat
otti:one who operates(乗り物について) padagu+otti=boatman
2011年6月28日S.P.S.(マレーシア)製DVD(英語字幕つき)にて初鑑賞。
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