映画評論家の佐藤忠男さんが、3月17日に逝去。
佐藤忠男さんといえば、似たお名前で金ピカ先生こと佐藤忠志さんがいて(カセットテープで「ズバ単ラップ」も買った!)、若い頃は失礼ながら二人を混同しがちだった。
映画界の佐藤忠男さんを初めて認識したのはたぶん、2003年に初めて「アジアフォーカス・福岡国際映画祭」に行った際に、この映画祭のディレクターが佐藤さんだったからだと思う。
観たのは、
と【シャドー・キル】だったな。
福岡行くの初めてだったけど、映画祭がとても気に入っちゃって、遡ると佐藤さんのセレクトでいっぱいインド映画が福岡に入ってきていたというのを知る。
佐藤さんが気に入ったインド映画がたくさんリスト入りしている、とか。
マニラトナム監督がお気に入りらしい、とか。
【虎男】がテレビ放送された時の録画を見せてもらう機会があり、その「アジア映画劇場」前説でその佐藤さんのお姿を初めて見た。
彼が「生涯No.1」映画だという【魔法使いのおじいさん】を、佐藤さんがそう言うんだから見なきゃ!と後年川崎で観たときはぶっとんだ。
今年閉館してしまう、岩波ホールの支配人 岩波 律子さんのコメント

佐藤忠男さんが1979年の書籍「世界の映画作家 37」で、女性映画監督について書いた文章をシェアしたい。
「女だからなにか特別に女性的なテーマをとりあげなければならないということはない。男にやれることはたいてい女にもやれるだろう。ただ、これまで映画監督がほとんど男だったために→— Erina Ito USC🇺🇸映画芸術学部 Fulbright Journalist (@erinaito_shiba) March 22, 2022
↑ 最近、監督の女優への「性暴力」告発がtwitterに多く流れてくる中で、佐藤さんの女性への眼差しの話。
1979年でこのコメントはスゴイなあ。この文章を肝に銘じてる映画業界人が多ければ、今こんなことにはなっていないだろうに。。。
最後に、その【虎男】のコメンタリーを久々に再生してみる。
毎年インドに通っている、と語る佐藤さん。伝統芸能についての言及もある。
この映画が放送された1990年代から30年が経った今も、そこに横たわる問題やテーマは色褪せるどころか、色濃くなっている。
私が権利を買った、【Sarvam Thaala Mayam】も、そのテーマが絡んでいるものだ。
佐藤さんのように、良心を持って、真摯に、日本の人たちに紹介することを心がけよう。
(佐藤さんに見ていただきたかったな。。。)
ご冥福をお祈りいたします。
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