ポリス@東京ドーム 20080213

Music / 音楽の話

19時半を少しまわり、場内が暗転。
激しいギターの音とともに、舞台の下からせりあがって3人が現れた。
最初の曲は、大阪のセットリストと同じ「Message in a Bottle」!

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私はポリスの【シンクロニシティー】が売れまくってる頃に洋楽を聴き始めたから、ポリス世代とギリギリ言える年代ではあるけど、曲名と曲を一致して覚えてるのは「見つめていたい」と「ロクサーヌ」くらい。
(もったいないことしたけど、その当時はポール・マッカートニー一辺倒だったからさ、しょうがない。)

そうこうするうちに気がついたら、スティングがソロデビューして、日本の缶チューハイか何かのCMで、黒いタンクトップを着てベース抱えて「Will Be Together」を歌いながら、ぴょんぴょん飛び跳ねていた。
スティングってかわいいねえ、って当時誰かと話したもんだ。

スティングのソロプロジェクトが大成功して、ポリスが解散状態になって20年以上経って、自分が30代を超えたところで、ふとポリスを耳にしたときに、ああやっぱり80年代前半の音楽好きだわ~、って思うことが増えてさ。
そして今回の再結成と東京ドーム公演。
曲をあんまり知らないけど、たぶん聴きに行ったら絶対満足する!という強い確信が何故かあって、チケット争奪戦にどう切り込めばいいんだかわからず、ぴあのプレリザーブで勢い余ってプレミアムシートを購入しちゃったんだけど。

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スティング
息子より細い!(ジョーくんもわりと細身だったけど)
でも、二の腕が力強く(鍛えてるのね!)、若い頃と同じく黒いノースリーブが似合いすぎ。
タンクトップが似合う50代、って… おそるべし、スティング。
1曲目から飛ばして上気してるのか、顔や首筋が赤くなっている。
歌い方はほんの少し変わったかもしれないけど、艶のある力強い歌声は、ポリスの現役時代とほとんど変わらない。

ギターのアンディ・サマーズ
ギター持った手元に目をやっているときの角度が、ラサール石井に似てる。
あごがないけど、これはこれでかっこいいよ。ロックなおやぢって感じで!
スティングもよくぴょんぴょん跳ねるけど、アンディも跳ぶのね。かわいい。

私の席からは、スティングの左肩越しに見える、ドラムのスチュアート・コープランド
黒いTシャツ(アルバム【ゴースト・イン・ザ・マシーン】のTシャツ)に、白っぽいグローブをつけての演奏。
角度によっては、ラグヴァランにすごく似てるぅ。
かっこよすぎる。何なんだ、このドラムの叩き方は!

Police 20080213

なんていうんですかね、多くのドラマーさんは体中で叩いていて、時にオーバーアクションで、でオーバーアクションに見合っただけの音が出てるのか疑問(ただ音がでかいだけ)、なこともあったりするのだけど。
(ああ、ドラマーさんもソロのパートなど、たまには目立つ場面がないとねえ、と思いながら見てるわけですが!)
スチュアートは、ぜんぜんオーバーじゃなく、最小限の動きで最大限の音を出しているというか、自由に音を出しているスティングたちのグルーブにあわせて変幻自在にドラムを叩くために、目つきするどく真剣勝負をしているというか、「自分を目立たせる」ためのプレイの部分がほとんどない。
手首のスナップを利かせて叩いているようにも見える。
そして「自分を目立たせようとする意図がない」その姿が、まさしく目立っていて、ぞっこんになってしまいました。

そして、2曲目の「シンクロニシティII」でだったかな?
ドラムスティックが一本、ステージを高く飛んでいった。
このときは、スチュのドラムアクションの見せ場? なんて思ったんだけど、翌日の報道で、実はドラミングが力強すぎて、その時点でスティックが折れて飛んで行ってたのでした。コンサートのしょっぱなで折れるってすごすぎ。

「Wraped Around Your Finger」のドラ?を叩く仕草、そこからドラムセットにちゃちゃっと戻る姿がまたお茶目でステキだったり。

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はじめ、スティングばかり見ていたけど、アンディもスチュアートもかっこいいから中盤過ぎるころには3人を交互に見てうっとりしつつ、こぶしをあげつつ、身体をゆらしつつ。

3人ともひとりひとりがすごくて、この3人が今同じ場所にいて一緒に演奏して、このグルーブ感を出しているって、ものすごい奇跡ではないか?という気がしてきた。
現役時代のポリスをほとんど知らないけど、心からそう思った。

ビッグネームのバンドの再結成ブームが長年続いているけれども、ときどきソロでは引退状態だった方が混じっていて、「おかえり!」というノスタルジックな部分をもって感動することはある。
それだけでもうOK、となっちゃって、それ以上を望まない、そして望めない。
だけど、ポリスの3人は違う。恐らくは3人ともずっとがっちりプロとしてショービジネス界で生き抜いてきて、過去の名声だけではなく今も名声がある現役だからこその、完成度の高さがある。
そんな3人がそのうえで、あんなにオリジナルのポリスの3人(だけ)で楽しそうに演奏してるんである。

ポリスの再結成コンサートはこの先もうない、と言われている。
それならそれで今日は貴重。
でも、また再集結してくれることがあるとしても、たった今のこのグルーブ感は、今しか共有しえないことだろう。
そう思うと、身震いがしました。

Police 20080213

写真は、フラッシュを焚かないようにして、何枚か撮影。
まわりでも、うれしそうにケイタイをステージに向けている人が結構いたな。
こういう席で、こういう見え方でこのコンサートを楽しんだ、という記念になります。
ありがとうございます、スタッフのみなさん~!

プロショットでは、ココで見られます。

最後に、MCがものすごく少なかった。
コンサート終了時も、淡々とステージを降りてっちゃうし。

ポール・マッカートニーのMC多めのコンサートにどっぷりと慣れきった(?)私には、逆に新鮮でますますかっこいいと思いました。

いや~、いいコンサートだった!うっとり。

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