タミル好き好きの私は、結構お久しぶりなヒンディー映画だったんですけど、いやあ、豪華で映像きれいで俳優のみなさんは芸達者でよかったですね。
...それ以上、とりたててほめたいコメントが思いつきません。
何故これが選ばれたんでしょうかね。
ナマステ・インディアでも松岡環さんがちらっと言及されてましたが。
(以下、ちょいとネタばれのため、これから観る人は読まないほうがいいです)
90年代ごろまでのヒンディー映画は、比較的私も興味は持っているんですけど、
近年のヒンディー映画、すなわち「ボリウッド映画」はどうもなかなか感動しないんですよ、私。
(ボリウッドファンの方、ごめんなさい〜。)
一昨年の【Kal Ho Na Ho】も東京フィルメックスで観て、とってもつまんなかったんです。
その前の年の東京国際映画祭での【Kaante】(トゲ)も、「あ、そう」としか思わなかった。
私、「ボリウッド」って言葉も抵抗あるんですよ、割と。
インドはインドなんだから、「ハリウッド」に隷属したような名前で呼ぶなんて...って。
アミターブ・バッチャンもどこかでそういう発言してませんでしたっけ?
だから、タミル映画を「コリウッド」と言うのも同様に違和感なんです。
この近年に私が映画祭で観たヒンディー映画は、本当に「ボリウッド」ですねえ。
アメリカが舞台なものばっかり。
ミュージカルシーンがなくても、これはインド映画!って思うインド映画はたくさんあるけど、
(【Mr.& Mrs.アイヤル】とか【マナサロワールの愛】とか...)
ミュージカルシーンがあっても、これはインド映画?って思うインド映画もまたしかり、なんですね。。。
妻がキャリアウーマンなのに対し無職同然のいじけんぼな男と、妥協の塊で結婚して、旦那に心がどうにも許せない主婦の、不倫話。
そりゃあ、いじけてる者同志、心が通じる面がバリバリにあるのは分かるけど、
お互いをなぐさめてはいるけど、自分の未来を切り開こうとしてないシャー・ルク・カーンの役設定は、
最悪...。
で妻に不倫を打ち明けて、でやり直そうと許しを請うなんて、信じられない。
妻の気持ちを思いやるなら、終わった(という)不倫を一生隠し通せ、ってば。
妻も妻なのよね。
ニューヨークの話だからしょうがないのかもしれないけど、タミルの有名な古典叙事詩【シラッパディハーラム―アンクレット物語】のカンナギのように、不倫されても、最後に自分のもとに帰ってきた旦那の全てを受け入れる、というようなインドの忍耐強い女性とかけ離れてるし。
でもやっぱり悪いのは不倫した二人。
一度相手に許してもらえなかったからといって、あっさりと引き下がって、なんて変!
違和感だらけ。
ダンスは、最後の方のプリーティとアビシェークがクラブで踊ってるやつは結構おもしろかった。
でも、振付けが速過ぎるのか、古典的な手の動きだとかインドフォークダンス的な要素が結構入ってるにも関わらず、イマイチそれが踊りにはっきり出てなくて、中途半端だったのが気になりました。
もっと、自国の文化や心を、大切にしようよ...。
アミターブ・バッチャンは、おちゃらけていながら劇シブな演技で、よかったよかった。
やっぱり、【チャンドラムキ】なり、(よくもわるくも)インドインドしてる南インド映画の方がわたしゃ好きだな、と改めて思いました。
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ところで、安藤美姫ちゃん、スケート・アメリカ、優勝おめでとう!
素敵でしたよ、まじ、まじ。
指先まで神経行き届いていて、ジャンプもすごかったけど、ステップがすごくドラマチックでよかった。
先週末の映画でもやもやしてた気分が、ミキティの演技を見たおかげですっかり晴れました(笑)。
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