【Om Shanti Om】(Hindi,2007)

いやー、3/15の【オーム・シャンティ・オーム】の東京でのたった1回の上映会、すごかったですね。

200人の会場、ということでしたけど、立ち見もでる超満員でエンドロールで手拍子、終了時には大きな拍手。

日本でインド映画を見ていてこういう一体感を体験するのはかなり久しぶり。
1998年の【ムトゥ 踊るマハラジャ】のロードショー時だとか、2001年の【パダヤッパ いつでも俺はマジだぜ】のロードショーでも大喝采になったときのことが、ちょいとフラッシュバックしたよ。
(【パダヤッパ】、トータルでは大ヒットといえなかったかもしれませんが、週末の晴れた日の午後の上映とかなんか、ものすごく人が来ててラジニコールが飛んでたときもあったもんでしたよ。マサラシステムとか特別な上映じゃなくっても。)


話がそれてるけど、まあ言いたいことは、たくさんのみなさんで一緒にインド映画をスクリーンで観られるのは楽しいし、うれしかった、ってこと。


ところで、2月にアビシェーク・バッチャンが海外メディアに対して、「ヒンディー映画をボリウッドと呼んでほしくない」ということを語ってたじゃないですか。
Don't call it Bollywood: Indian superstar Abhishek Bachchan discusses his country's giant movie industry

父のアミターブ・バッチャンもそういうことをかつて話してたと思う。

へえ、アビシェークもそういうこと思ってたんだと感心しながら記事を読んだのだけど。

私もボリウッドだのコリウッドだのという言葉があんまり好きじゃなくって、このサイトでも極力使ってないのですが、ハリウッドの真似というかハリウッドの隷属みたいな解釈もできる言葉だと感じます。
シンプルにインド映画、ヒンディー映画、タミル映画でいいじゃん、「ハリウッドに追いつけ追い越せ」じゃなくって、それぞれ独自でいいじゃん、って思うんですが。。。


といいつつ、近年のヒンディー映画ってまさに「ボリウッド」になっているというか、ハリウッドの真似ごとみたいなのや海外ロケのオシャレぇなものが多い気がするんです。
私はそういうのが好きでインド映画ファンになったわけじゃない。(【ムトゥ】が原点ですから!)

それならば、真似事観るより本家のハリウッド映画の秀作の方をよっぽど観たいと思っちゃうのだ。
(だって、ハリウッドの今時のミュージカル映画だって、既に成功している舞台の映画化がほとんどとはいえ、すんごい楽しいもん。【マンマ・ミーア!】も楽しくて大泣きしちゃったもんね。)

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そこに今回、「これぞボリウッド!」と称されている【Om Shanti Om】。
(DVD持ってるけど実はまだ観てないというていたらく。)
ちょっと微妙〜な気もしながら観に行きました。

花粉症でヘバッてて寝坊したし、微妙に気合いが入ってるような入ってないような感じで、16時上映で11時10分にチケット販売開始というところ、11時15分過ぎにOAGホールに到着。

「立ち見になるかもしれないけどいいですか?」と言われ、ええ!長いインド映画を立ち見っすか!?ってほんの一瞬狼狽。
家に帰ればDVDはあるけど、でも私はスクリーンで観る主義!なので、ここでやっと気合い入りました(笑)
整理番号は293番&294番。既に定員200人の100人オーバー。
(チケットは結局12時頃には売れきれたらしい)

チケット購入後、上映時刻まで4時間以上時間が空いてしまいました。
時間つぶしをするというよりは、気合い入れて3時間弱の映画を(最悪立ち見であっても)観るために、精をつけて疲れをとってのぞむぞ!ってところで、お昼はキャピトル東急に入ってたコーヒーショップ・オリガミでちょっと優雅にランチ食べて、その後、溶岩浴を初体験してきちゃいました。映画は800円だけどその前に赤坂で散財してしまった。(でも、花粉症で頭痛あるしすっごく肩や背中が張ってたので、溶岩浴に行って助かりましたー。楽になった。)


上映15分前に会場に戻ると、係員さんたちが必死になって追加の座席を作って、なるべく多くの人に座ってもらえるように整理誘導されてました。
おかげさまで、座れました♪
私たちの後ろの人もまだ数十人は座れたんじゃないかしら。
みんな、立ち見と言われてもあきらめずによかったね。


ということでみんな気合い入ってたのかな。すごく盛り上がってた。
踊りだす人まではさすがにいなかったようですが。

映画は、今回はとても「いい意味でボリウッド!」って印象でした。
ハリウッドの真似ごとがかなり控えめで、変な海外コンプレックスなロケ映像もなく、物語全編がインドを舞台としていて、実にインドらしい脳天気さなお話で、インドらしいサービス精神がてんこもりで。

出てくるゲストのスターが多すぎるので長ったらしく、まあ1〜2回観たらもういいかな、と思っちゃう部分もあるにはあったけれども。
(個人的には、レカー様の貫禄のダンスに萌え萌えでした!あとアビシェークのちょっと間抜けな本人役がかわいくてよかった。)
40代のシャールクが、さすがにこの歳で30歳の役をやるには、ちょっと痛い気もしたけど。
(おっさんなのに若者の役をやるのは、ラジニカーントに限ったことではないんだなあと、思った。
でも、シャールク自体はやっぱりいいパフォーマンスしてる。ラジニの真似をしてグラサン回しするところなど、実にコミカルでよかったです。
シャールク自体はちゃんと南インド映画にもリスペクトしているんだなと、うれしかった。)


ちょっともやもやするのは、殺されて行方不明のシャールクの遺体はどこ行ったのかが分からなかったこと。(ディーピカの方は埋められたことが語られるけれど)

あと、輪廻転生な話自体はインドらしくて大歓迎だけど、やっぱ、復讐ものは好かん!
(【カランとアルジュン】も受け付けなかったからなー。)
復讐しようとするけど最後は悪者もいい人になっちゃってみんなで幸せ〜♪ってインド映画だって多いじゃないですかあ。


上映を実現してくださった関係者のみなさま、ありがとうございました!
満足でございました。

これからも、こんなふうに楽しいインド映画上映会が、日本で続いていくことを願って。