Makkhi (マッキー) ※テルグ映画【Eega】のヒンディー語吹替版


Title : Makkhi (マッキー) (2012年 Hindi 125分) ※テルグ映画【Eega】のヒンディー語吹き替え版
Director : S.S.Rajamouli (S.S.ラージャマウリ)
Music :M.M.Keeravani (M.M.キーラヴァニ)
Starring : Sudeep (スディープ), Samantha Prabhu (サマンター)、Nani(ナーニ)

マフィアな会社社長に、横恋慕で殺されてしまった青年がハエに生まれ変わり、残された恋人を守るため、小さなからだで大復讐に挑む。

ハエへの輪廻転生、ハエの復讐、全てが型破りな、インド映画の奥深さや多様性を感じられる、一級のエンターテイメント作品。
ハエのCGもスゴイが、ハエと闘う羽目になる悪役のスディープ氏の怪演がとんでもなくスゴイ。

2013年10月26日(土)より、日本ロードショー!


日本オフィシャルサイト
テルグ版【Eega】 オフィシャルサイト

むんむん's コメント

とにかく、「映画」が好きな人が、愛をこめて徹底的に「映画」を作っているなあ〜と感じました!

自分はわりと、「復讐もの」が苦手、です。(輪廻転生してリベンジする、ていう路線もあんまり心に響かないタイプ。【恋する輪廻】や【カランとアルジュン】あたりも含めて。。。)

なわけで、ハエのアクション映画だというふれこみをみてなかったら、たぶん普段だったらスルーしちゃう映画なんですけど、この映画は「ファンタジー映画」として観ていれば全然問題なく、とても楽しめました。

CGで、あんまりリアリティはないハエさんだったけど、愛らしくデフォルメされているというところで、うまいですね。
日本でだって嫌われてるし、インドのハエってそうとう汚そうな気がするけど、ハエに感情移入せずにはいられない作りはアッパレで。

言葉を発することのできないハエが、カノジョの涙のしずくを使って自分のことを訴えるシーンなど、涙なしには見られません〜。

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映画ではカラフルな「ハエ叩き」や「殺虫剤スプレー」が登場してましたが(非常にコミカルな小道具として使われて、面白かった☆);
自分が今までインド旅行した折には、ハエ叩きだ殺虫剤だ、というよりは、
虫は殺さずに追い払って外に出す、みたいなのを実際にはよく見かけた気がします。
殺生を好まないという理由をもっと突き詰めていくと、虫に輪廻転生しているかもしれないから、ってこともあるんでしょうか???
うーん、深淵だ。。。

でもインドも年々西洋化しているし、ハエ叩き、殺虫剤も年々ポピュラーになってるんだろうなあ。
。。。ということは。
もしかして、今、ハエを心を吹き込んだ映画が作られるっていうのは、そういう風潮に対するアンチテーゼにもなってたりして。

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悪役のスディープがかっこよかったですね☆(初めて彼の映画を観ました)
人間の演技パートでは、ほとんど彼の力量に支えられてる映画って感じで。
ヒロインのサマンタもきれいだったし、ハエになる前の人間役のナーニもいい感じのお調子者でよかったけど、やっぱりスディープさんでしょうな。

自分の大好きな故・ラグヴァランがこれを演じてたらどうだったかなーとかちょっと思ったり。これ、かなり難しいけど面白い役ですよね。

スディープも何かに輪廻転生して、ハエとまた対決するのを観たいような、気がするw

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ロボット】の蚊アニメといい、この映画のハエといい、こんな小さな生き物にまで命を吹き込んで、細かい仕事をするインド映画界のスタッフってスゴイ。
「ちきしょう、ハリウッド映画みたいなすごいやつやりたいのに、なんでこんなハエアニメをちまちま作らなきゃいけないんだ」とか思って作業してないよね、たぶん。
あれだけハエさんが、イキイキとしてるんだもの。

ついでに欲張っていえば、ハエとヒロインのダンスシーンがあると更によかったなあ〜。

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インド映画界でも、何かの翻案だの、リメイクだのというのが大流行りです。
オリジナルなものがそう多くない中で、ここでこういう堂々としたオリジナル作品が、しかもどうやったらこんなアイディアの映画が出るんだよ、っていうような映画が出た(しかも、心がこもっていて、とっても面白い)ということに、とっても感銘を受けました☆

2時間ちょっとの上映時間で観やすいし、
(ちょっと話が早急すぎる面もあるけど。。。)
映画ファンなら一度は観て欲しいインド映画のひとつに、間違いないかと。

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したまちコメディ映画祭での野外での上映で、この映画のジャパンプレミア鑑賞。
インド映画は現地では野外上映が多いそうですけど、夜風や外の音が聴こえる中で観ても、実に面白かったです。

映画そのものに真剣に観てた(2歳児のむすこも、最後まで座って見入ってました!)んで、ダンサーさんやクラッカーは自分的にはいらないですけど(笑)(「拍手や歓声大歓迎!」とすればそれで十分だと思うんですけどね)、でもいろんな仕掛けの試みをして、映画ファンを開拓していこうとする映画祭の姿勢には賛同しております☆

これからも、たまに屋外で上映してほしいなあと思いました!
それから、日本公開版はヒンディー語吹き替え版だそうですが、大ヒットして、いつかテルグオリジナル版もお披露目されるといいですね!
(在日テルグ人向けの上映会は昨年既に行われていますが。)


出演者・スタッフ

【Eega】公式サイトにたくさん動画がアップされているので、それをもって紹介にさせていただきます。(普段の自分の守備範囲外の方々ばかりですが、動画のおかげで顔が覚えられます〜! (笑)


悪役(たぶん主演):Sudeep

(ハエが主演だけど全部CGで台詞もないので)【Eega】公式サイトでも真っ先にクレジットされてるので、たぶんスディープさんが主演といって差し支えないでしょう。
人と対決するのではなくアニメのハエと対決する演技って、難しいだろうなあと想像に難くないところですが、かっこつけてた社長がどんどんクレイジーになっていくくだりは、コメディシーンも兼ねているわけで、アクションもコメディもこなして大熱演だな。

ハダカで駆け回るシーンが大分長かったけど、あれはファンサービスだったんだろうか?
(たぶん、スクリーンで再鑑賞するときは、ここを一番凝視しちゃいそう。笑)

監督:SS Rajamouli
動画の、ハエ叩きで叩かれる側を実演してる監督が、結構カワイイ☆


音楽:M.M.Keeravani


CG:MAKUTA VFX

テルグ映画スターへのオマージュ

チランジーヴィのヴィーナステップなど、いろいろ公式チャンネルで公開されてるので、備忘記録に貼っておきます。
それぞれ、Pride of TFI(Telugu Film Industry?)ってテロップが出てきます。なんか、じーんときますなあ。)


チランジーヴィ

普段タミル映画をメインに観てるワタシとしては、Veena Step(ヴィーナをステップ踏みながら弾くような仕草をする振り付け)は、どーしても、ヴィジャイ×ローレンスの【Thirumalai】の1曲目がまず思い浮かんじゃうんですが、本家はチル様。(チル様を振付けたのは、ローレンス。)
NTRジュニアもヴィーナステップで踊ったことありますね。

NTR Jr.

マヘーシュ・バーブ

ラヴィ・テージャ

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。。。映画本編に、ラジニの某映画がちらっと出てきましたが、(Pride of TFI の流れからすると)何故ラジニ映画だったのかな!?

(2013年2月、タミル版字幕なしDVD【Naan Ee】で初鑑賞。9月16日、したまちコメディ映画祭in台東でヒンディー版【マッキー】鑑賞。)