Vijay (ヴィジャイ)

Vijay (ヴィジャイ)
主な作品:【Kushi】(2000) 【Thirumalai】(2003), 【Gilli】(2004), 【Pokkiri】(2007),【Nanban】【Thuppaki】(2012),【Jilla】【Kaththi】(2014)

★南インド・タミル映画界の”「スター映画」が似合うスター”系譜において、MGR、ラジニカーントに続く次の世代のスター俳優として筆頭候補。
日本で「スター映画」のスターといえば、石原裕次郎あたりが思い浮かんできますが、ヴィジャイもそういう系、といえばイメージしやすいですかね☆

写真や静止画の類いでは、どこがかっこいいのか日本人的には分かりにくいけれども、ひとたび動けば、演技派うんぬんといったゴタクを超越するスター性。
ダンス! アクション! 足の長さを活かしたバイクの乗りこなし! 童顔な笑顔! 無責任男のような飄々とした軽々しさ! 目ヂカラ! 胸毛!(爆)
日本では、まだ一本も日本語字幕がついた形でのヴィジャイ映画の公式紹介がされていません(indoeiga.comさんが【Thuppaki】【Kaththi】を英語字幕で2本自主上映したのみ)が、そのうち紹介されるだろうと確信しています(笑)。

本名: C.Joseph Vijay  〔公式サイト〕(※2006年以降更新ほとんどナシ)
愛称など: Ilayatharapathi(イライヤダラパティ=若大将)、Thalaivaa(タレイヴァー=リーダー)、VJ、Anna(アンナー=兄貴)
趣味:映画鑑賞(仕事もプライベートも、とにかく映画が好きらしい。)
好きな食べ物:全てのノン・ベジーフード ドーサ、ビリヤーニ

略歴(にしては長い)

 1974年6月22日、タミルナードゥ州チェンナイのエグモア生まれ。生粋のチェンナイっ子。
 タミル映画界の著名監督・S A Chandrasekharan(チャンドラシェーカラン)とカルナーティク歌手・作詞家のShoba(ショーバー)との間に生まれる。

 幼いころから映画が好きで、監督の父の後ろについて撮影現場に通い詰め、時々はクレジットもされない子役で映画出演もしていた。

●●●

 両親は当初ヴィジャイに俳優になることを望んでいなかったが、ヴィジャイは俳優になりたいと懇願し、父の監督作【Nalaya Theerpu】(1992年、当時18歳)で本格デビュー、以後俳優業に驀進。1997年のマラヤーラム映画のリメイク【Kadalukku Mariyadhai】の大ヒットのあたりから、ラジニカーントの後継者最有力候補、な取り上げられ方がなされるように。2000年には、【Kushi】がタミル映画年間1位の大ヒット。

 (1999年、日本でのインド映画ブームにのっとりチェンナイで撮影された、小林聡美のテレビ番組【超アジア通】で、今大人気の若手スターの映画を観に行く、というシーンがありました。これがヴィジャイとシムランが主演の【Thulladhamanamum Thullum】。一応、これで日本のメディアに初登場。)

●●●

 2003年。【Kushi】以降、興行的にも芸風的にも伸び悩みの時期が続いていたが、秋に【Thirumalai】が公開。当初は「古くさい」とメディアに酷評されながらも、起死回生の大ヒットに。身体や目力がシャープに。この映画がターニングポイントとなり「ロマンスのヴィジャイ」から「みんなのリーダー・ヴィジャイ」へ。
 2004年テルグ映画リメイク【Ghilli】がタミル映画年間1位、当時の歴代タミル映画でも興収トップとなる。以降30代は「マス・ヒーロー」路線を突き進むように。

 2014年1月には、(2013年秋のインド映画日本ロケブームにこっそり便乗し、疾風のように来日し疾風のようにソングロケをして去っていった)待望の【Jilla】公開。同年10月には、【Kaththi】公開。社会派でありながら徹底的にマサラムービーな【Kaththi】は【Jilla】を超える盛り上がりになり、年間トップに。

 現在40歳。最大のライバル、アジットクマールは老け役(?)で大御所感を増して成功。対するヴィジャイはあえて子どもっぽさを残したへらへらした、でもひとたび何かがあれば目ヂカラ大全開でバリバリに容赦なくワルモノをやっつける、時々説教が長い、でも隣に住んでいそうな親近感を覚えるあんちゃん役が似合う。この二人、好対照でスター路線、進化し続けています。

 ラジニカーントの大ファン。 1999年8月サンギーターと結婚。現在、息子・サンジャイ(2000年生まれ)、娘・Divya Saasha(2005.10.8生まれ)の2児の父。

 最愛の妹を、白血病で亡くしており(8歳)、兄と妹の絆が登場するヴィジャイ映画は特にエモーション溢れる良作が多い傾向(【Thiruppachi】、【Velayudham】など)。。。

 母が歌手で、ヴィジャイも時々映画の曲を自ら歌う。(2014年時点で計22曲。)

フィルモグラフィ(別ページ)

むんむん's コメント

※大ファンのため、えんえんと編集中(笑)。

(↓2015年5月24日追記↓)

 現在、9月17日公開予定となっている最新作の【Puli】! スディープやシュリーデーヴィ(シュリデヴィ)との共演ということで話題沸騰中。(他にハンシカやシュルーティ・ハーサンも共演)とにかくそれを待ちこがれてる最中☆
 そして、ヴィジャイを日本で誰も紹介してくれないなら私が徹底的に紹介してやる!と鼻息荒く【Jilla】の日本語字幕作成中ですw

 40代を迎え、以前のような爆発的なダンスは控えめになってきたけれども、逆にひとつひとつの所作が本当にエレガントで何か感情が溢れてて、肩をちょっと動かすとかだけでもうっとりするような場面が増えました。今後がますます楽しみです♪

(↓2014年1月27日追記↓)

 プチ☆ヴィジャイ映画論

【Jilla】、さいこおー!スター映画、ばんざい!
本日の気分での、わたしのヴィジャイベスト10(10作品内の順位は特になし)は;
【Thirumalai】【Jilla】【Sivakasi】【Sura】【Nanban】【Velayudham】【Thirupaachi】【Sukran】【Azhagiya Thamizh Mahan】【Villu】ってところかな。
【Thirumalai】がベストワンなことだけは、不動☆

 一般にヴィジャイの代表作のひとつにあげられる【Ghilli】や【Pokkiri】とかも大好きだけど、やっぱちょっと上記に較べると落ちるんだよね〜。テルグ映画のリメイクだからかな?(テルグ映画がいい悪いという話ではなく)ヴィジャイのために作られた「ヴィジャイのスター映画」がいいのです。

 それ故に、演技派と言われる俳優さんに較べると役柄が狭いような雰囲気で語られてしまいがちだけれども、それはやっぱり違う。ヴィジャイ映画を他の人が演じてもたぶん面白くないんだよ。(これは、ラジニカーントの映画のほとんどが、ラジニにしか演じられないラジニ映画であることとおんなじ。)
 仮にマンネリ映画であっても、ヴィジャイが演じれば輝いちゃう映画なら、やっぱりそれは傑作なのだ!
 ということで、上記作品群は、「スター映画」好きな方ならきっと共感してくれるだろうと思うものばかりです。

 ランクインした【Nanban】はヒンディーリメイクで、まあヴィジャイ映画ではないんですが、ヴィジャイの持ち味の「アクション」って意味では決定打がないにせよ、ヴィジャイがヴィジャイ映画じゃないのにここまで輝いてた、ナチュラルな演技がすごくよかった(原作のアーミル・カーンの大げさな役作りより、わたしにはヴィジャイの地味なタミルヴァージョンの方が好みだった、というのもある☆)、という点でわたし的には非常にポイント高いです。(【3 idiots】を原作からあんまりいじってないようでいて、タミル的・ヴィジャイ的・シャンカル的に細かくあそこまでタミル映画としてシフトさせたシャンカル監督の手腕も大きい。)
数年後に、ヴィジャイ用のオリジナルでぜひシャンカル監督とヴィジャイで再タッグを組んでほしいですっっっ。どっかーんとアクション映画をやってほしいっ。

 上記のベスト10からは外れますが、ダンスやカタルシスといった出来映え的には、昨年の【Thalaivaa】も外せません!
 まだふとっちょで垢抜けてないころのヴィジャイ作品もよいものがそれなりにあり、(【ムトゥ踊るマハラジャ】を撮ったK.S.ラヴィクマール監督作の軽快な)【Minsara Kanna】、マスヒーロー路線への夜明けのような【Bhagavathi】あたりもイイ!
 なんか、ほんとにヴィジャイのために企画された映画ばっかりが思い浮かびます。
 そして、ヴィジャイもタミル映画、タミルダンスが大好きで、(スーリヤやダヌシュたちがヒンディー映画に進出する一方で)「ボクは自分の母語のタミル語映画にしか出たくない。自分の声を吹き替えられるのも嫌だ」と繰り返すぐらいの、志が高いんだか低いんだか分からない(笑)、でもタミル映画へのこだわりと熱意は人一倍のひと。
 (※近年、お隣のケーララ州でも大人気になってきたことと、【Jilla】でモーハンラールと共演したことなどから、「マラヤーラム映画も出たいね」と(リップサービス?本気?)発言するようになってきましたが。。。)
 
 私は日本のスター映画全盛の時代に育ってはいないけれども、石原裕次郎とか加山雄三映画を追ってた人たちも、こんな感じに近かったのかなあ、という気がします。そういうスター性と、植木等のような軽薄さを、いつまでも保ちつつ、じゃんじゃんヴィジャイワールドを進化させてほしいし、それを観ていきたい!
 【Jilla】を観て、その思いをさらに強くしました!ヴィジャイ、ヴィジャイ、ヴィジャイ、です☆

 幼子育児中で、なかなか映画観られないけれども、ヴィジャイ映画だけは何としてでも追いかけ続けます!ええ。

(↓2011年2月10日追記↓)

2003年秋まで、全くファンじゃなかったんですよ。数本観ていたにもかかわらず。
(それまでは、同世代のスターならプラシャーントやアジットクマールの方が断然好きだった!)
それが、その秋公開の【Thirumalai】を観て180度世界が変わったというか、まっさかさまにヴィジャイへの恋に堕ちました。

あまりに自分の中で急激に世界観が変わったので、しばらくとまどっていましたけど(笑)、ついにタミルの民衆に近い気持ちでヴィジャイを見ることができるようになった、とうれしかったような気もします。↓の2003年の時に書いたヴィジャイ紹介を読んでいただければ、いかにヴィジャイが何で大スターなのかさっぱり分からなかったか、よく分かるかと(笑)。

でも、それだけ、2003年のヴィジャイはターニング・ポイントだったってことですよ。
2011年の今も、ずーっと大ファンです。

(↓2004.1.13追記↓)

昨年のディーパーヴァリ(10月)公開の【Thirumalai】が久々に大ヒット。ついに私もヴィジャイに惚れました。いっぱい現地グッズを入手しました。Thirumalaiグッズに囲まれて、幸せな毎日を送ってます(笑)。

(↓2003.6.27記↓)

タミル映画界の「あおい輝彦」(←'99年に放送された、テレビ番組【超アジア通〜インドは踊る聡美も踊る】で、小林聡美ちゃんがヴィジャイのことをこう呼んでいました。)ことヴィジャイ。
若手スターの中では、何年もトップを走り続けている彼ですが、日本語であまり紹介される機会がないですね。【超アジア通】の中で聡美ちゃんが彼の映画を鑑賞してましたけどね。

それどころか、'99年に周防正行監督がレポしたテレビ特番『周防正行が見た!夢のマサラムービー 〜世界一の映画大国インドをゆく〜』でなんか。
 チェンナイで子供たちに「誰のファンですか?」と尋ねる場面で、「ラジニ!」という声の間に「ヴィジャイ!」と言っているコの声もいくつも聞こえたのに、番組は、ラジニのカリスマ性を強調したかったようで、字幕には「ラジニ!」とは表示されても、「ヴィジャイ」は無視?される始末...。カワイソウ。

実は私、何故ヴィジャイがタミルの若手トップなのかよく分かりません。日本人受けするルックスではない気がするけど、タミル人の心を掴む何かがあるんでしょう。それが何か分かるまで、粘り強くタミル映画を見続けていきたいと思います(笑)。

とはいえ、この一年くらいで、自分の中でヴィジャイの評価は相当変わりました。きっかけは、2001年秋公開の【Shahjahan】の中でミーナと踊った一曲、『Sarakku Vachirukken』。

それまで、ヴィジャイの映画は何本か観たし、ダンスも観てきたのだけど、この曲は衝撃でした!ミーナのダンスは好きですが、ラジニとの【ムトゥ踊るマハラジャ】の『ティラナ・ティラナ』を超える程の感動をしたのは、この曲が初めてでした。
 ミーナがこれほど踊れる人だったとは!というのと同時に、ミーナのダンスをこれほどの高みに引っ張り上げたヴィジャイのダンスが、久々に「タミル映画が好きでよかったあ〜〜〜!いいモノ観たあ!」と感激だったのです。
そして、2002年の【Youth】でシムランとのダンスバトルとも言うべき、『All Thotta Boopathi Nana』!
 空から(ワイヤー宙吊りで)飛んできて、踊りだすヴィジャイ。その身のこなしの軽さと、コミカルな動きと、そのくせして手先まで神経が行き届いているところ、腰のすわり方、もう、何もかもカッコいいじゃないのよお!
 そしてシムランがヴィジャイにつられてなのか、これまた最高にクールでホレボレの、シャープなダンスをしてるんですよ。ヴィジャイ、すごいよ!!! ダンス・マスターのローレンスやラージュー・スンダラムも、振付け甲斐があったんじゃないでしょうか?
ちょっとだけ、タミルの若者がヴィジャイに陶酔する理由が分かったような気がした。
でも逆に、ヒロインがダンスの名手ってほどでもないときは、心なしか手抜き? あまり感動しないぞ、何故だヴィジャイ(笑)。(それから、まだ演技の方では、感動したことがなかったりする...)

何度か、ほんの数秒ずつですが、お会いしたことがあります。映画でとっても表情が豊かなのに較べて、ご本人はもの静かで、かなりシャイな方だとお見受けしました。コンサートといったステージでも、恥ずかしいのか、踊ってないことが多い。
 2002年の『Tamil Mega Star Nite』のバックステージでも、他のスターたちとは離れたところに静かに一人で座っていました。案外、あまりに人気が出過ぎたことにとまどっていて、本人はどうしていいのか分からない状態なのかも...。
 実際現地でも、人なつこくてフレンドリーなライバルのプラシャーントと較べて、「つんけんしている」という評判も聞きます。

この1〜2年、映画が大ヒット、とまでは言えず、少々スランプかもしれないです。が、あのダンスのような本気を見せれば、とんでもないポテンシャルのあるヴィジャイのこと、そのうち何かドデカイことをやってくれそうな気がします。

そうそう、映画雑誌のインタビューで、彼は「僕はラジニの大ファンだし、他の人の評価はどうあれ、【BABA】(2002年)も本当に大好きな映画だ。」と答えてました。【BABA】が大好き、だなんて、親近感もっちゃいます♪ がんばってね、期待してます。

▼Awards

2005 - Tamil Nadu State Film Special Award - Best Actor for Thirupaachi

1997 - Tamil Nadu State Film Award - Best Actor for Kadhalukku Mariyadhai

Roja Duke's Best Actor Award for Kadhalukku Mariyadhai in 1998
Honorary Kalaimamani 1998
M. G. R. Award in 2000

Dinakaran Best Actor Award for Ghilli in 2005
Madras Corporate Club Best Actor Award for Ghilli 2005
Film Today Best Actor Award for Ghilli in 2005

Amrita Mathrubhumi Award for Best Actor in Tamil for Pokkiri 2007
Isaiyaruvi Tamil Music Award - Best Hero for Pokkiri 2007
Vijay Award for Entertainer of the Year for Pokkiri 2007
Honorary doctorate in 2007
Vijay Award for Favourite Hero for Vettaikaaran 2009
Isaiyaruvi Tamil Music Award - Favorite Actor 2009
Asianet TV Award for Favourite Tamil Hero 2010