【その名にちなんで】読み終わりました

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その名にちなんでいったい何ヶ月かかってんだよー状態でしたが、1月下旬から断続的に通勤電車内で読んでいた、文庫本【その名にちなんで】(The Namesake)をやっと、読み終わりました。

読み終わるのは遅かったけど、すばらしい!大変充実した読後感。
こういう手応えのある文芸作品は、私にはかなり久しぶりでした。(だいたい、あんまり本を読まないからなんだけど...。)

気がつけば、あら、6月にもう映画版【その名にちなんで (特別編)】のDVDが発売されるんですねぇ。1月に観たばっかりなのに。

映画版を観て、原作を読むことにしましたが、想像どおり、まあ、小説の方が数百倍おもしろかったかな。

でも、だからといって、映画がつまらない、ということじゃあないんだよねー。

だって、こんなに描写が細かくて情報が多い原作を、そもそも2時間の映画にまとめること自体、無理があって仕方ないもの。
(中高生の頃、むさぼり読んでたミヒャエル・エンデの【モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語】とかが映画化されたときだって、同じようなことを思った。)

もっと身近な例をひっぱってくるならば、1年間放送していたNHK大河ドラマを観た後に、年末に放送される「総集編」を観てもものたりない!、って思うのと似てるかな?

まあね、私はそんなに、ミーラー・ナーイル監督の演出が好みじゃないってのもあるか。
映画を先に観たら、ゴーゴリって色白の金髪女を追っかけてたり、すぐえっちしちゃう軽薄なボンボンで、唯一の悩みがゴーゴリっていう名前だけか、という印象だった。
本を読んだら、ぜんぜん違ってた。

アシマ(タッブー)とアショケ(イルファン・カーン)の描き方はとーっても素敵だったんだけど、次の世代の人間たちの描き方が雑だったのかな。
(あ、でも、映画だけだとアショケが何故インドを離れたかったのかの動機の描き方が弱くて、中途半端なインド愛国者だなあとか思ったかな?)

DVD、インド系の映画にしてはかなりお手ごろな価格での販売になることだし、予約するぞー!
また原作と映画で見比べたりしたいものです♪

原作は、たぶん何年に一回かは、読み返したくなるような、いい本でした。
ジュンパ・ラヒリの処女作【停電の夜に】やゴーゴリの【外套】も、今度、読みたいと思います。