【Vettaikaran】サントラ聴いて。

一昨日、イギリス・アインガランから、【Vettaikaran】のサントラCDが到着。
さっそく、通勤時とかiPodで聴いてますよ〜。

作曲家は、Vijay Antony。初めて聴くお方。(追記:日記書いた後で検索してみたら、ヴィジャイ映画は初めてだけど、ヴィジャイがカメオ出演した【Sukran】を作曲してた!聴くの初めてではなかったです。)

1曲目が、いかにも最近のヴィジャイ映画の路線。映画の1曲目で華やかに始まるのにぴったりな。群舞がいっぱいでてきて、フォークダンスもいっぱい踊られそうな。ヴィジャイがお花を撒いたり、神様のポーズをとったりするのが絶対にハマる。

いわゆる「Kuttu Song」にあたるんだろうなあ。
(↑このクットゥ・ソングという言葉、タミル映画の記事によく登場するのだけど、明確な定義は分かりません。でも、なんとな〜く、これはクットゥ・ソングだな、というのは聴いたりすれば分かるようになってきた今日この頃。)
いつにも増して、バックで、ウルミがぶお〜んぶお〜ん、鳴ってるんだ。ご機嫌♪
歌詞カードついてたら、タミル語の歌詞も覚えたい!と久々に思ったんだけど、ついてなかった(爆)

先月、浅野哲哉さんの「風来坊のカレー見聞録―アジャンタ九段店の調理場から」という本を読んでいたら、厨房でタミル映画の音楽を聴くとみんなうんざりだった、というくだりがあってね、一瞬、「え〜、今のタミル映画の音楽、超カッコいいけどなあ!」と反論したくなったけど、よく考えてみたら、浅野さんのこの体験は1980年代以前のもので、確かに日本人には退屈なタイプの音楽ばかりだったかもな、というのは分かるので、浅野さんの言い分は理解できました(笑)
(この本、すごくおもしろいです!伝説の南インド料理人・マニさんを知ってる方、アジャンタの厨房や歴史に興味がある方、カレー好きな方は、機会があればぜひ。)


1990年代に入れば、A.R.ラフマーンの登場でそれまでの映画音楽に激震がおき、ビートが利いてる中にもタミルな新しい音!が使用されるようになり、インド映画音楽聴くならラフマーン!っていう風潮さえあったかと。
2000年代に入ってからは、他の作曲家も今はみんなラフマーン路線をそれぞれ吸収して消化している感じ。

近年のタミル映画は、どの作曲家のものであれ、かなりキャッチーでビート効いてて、でも南インドのフォーク系や古典系のニュアンスもちりばめられてて、何を聴いてもそれなりに満足できるものが多い気がする。
今回のヴィジャイの【Vettaikaran】、単純によいです♪
(逆にMGRの1964年の【Vettaikaran】は典型的な昔のタミル映画の音楽で、全部同じに聴こえたし、サントラだけ聴こうとか思わなかったよ。)

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まあ、そういうことで、オスカーも獲ってるし、世の中はラフマーン!でしょうが、私は他の作曲家も好きです。
このごろ、iPodで、時々デーヴァーの【アルナーチャラム 踊るスーパースター】(1997年)のサントラを聴いてたりします。
1曲目の「Athanda Ethanda」なんか、すごく土着的でいて、ビート効いてて、聴いててラジニのダンスシーンもここの音でラジニはこうだった!ってすぐ思い浮かぶし、今聴いてもほんとにかっこいいよ。SPバラさんの歌声もうねりまくってて激しくてかっこいいし。
この感じは、ラフマーンには逆に出せない気がするの。うまく言葉にできないけど、デーヴァーの音楽はラフマーンとは明らかに違うかっこいい持ち味があると思うわけ。

このごろ、息子のSrikanth Devaくんが二世作曲家として伸び盛りだからか、少しデーヴァーさん本人の作曲の場が減ってるよーな気がするけど、デーヴァー先生大好きです。
(シュリカーントデーヴァーも【Sivakasi】とか、父親の長所を受け継いでゴキゲンで節操のない、縦横無尽な音楽を作ってて、将来が楽しみです)

他にも、昔からの大御所・イライヤラージャーだって、いまやどんなジャンルでもイケてるし、でも少し古臭い雰囲気の郷愁をそそらせる曲を作らせたら、肩を並べられる人はほとんどいないと思うし、ヴィディヤーサーガルも好きだし、ハリスジャヤラージも好きだし、ヴィジャイの最近の映画を作曲した人たち(マニシャルマーとかデーヴィ・シュリー・プラサードとか)も大体好きだなあ。

だから、昔の1990年代前半ごろまでのインド映画音楽の話ならば仕方ないけど、現代のインド映画音楽を語る上で、ラフマーンだけがおもしろい、的に言われちゃったりすることがあると、ちょっと残念に思ったりします!
(もちろん、ラフマーンこそが今のインド映画音楽をおもしろくした功労者です。それは当然認めてリスペクトした上でね。)

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そうそう、【アルナーチャラム】といえば昨日、ヤフオクで落札した、【アルナーチャラム 踊るスーパースター】ロードショー時に売ってた、登場人物がたくさん絵柄に入ってるTシャツが到着。
ロードショー時には、映画が好きだからといってTシャツまで買うほどには...と腰がひけて買わなかったもので。(ロードショー中は、3500円だったし!)
でも今見ると、アルナーチャラムのTシャツはかなりセンスがいい感じ。
これ着てチェンナイ歩きたいな!みたいな。
ラグ様も絵柄の中に入ってるし。(←これは貴重だ。)

ダーリン所有のDVD BOX の中に、実は同じTシャツが入ってたんだけど、ボックスに入ってるものはもったいなくて恐れ多くて着られないじゃんか(笑)。

やっと入手できて、うれしいです♪

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...さて、今日はこれから、東京国際映画祭で【チャンスをつかめ!】を観てまいります〜。