[Malayalam]【Thenmavin Kombathu】

昨年の末は、クリスマス辺りに【太陽を盗んだ男】【アパートの鍵貸します】のDVDを観た。
少々ごぶさた気味だった、インド映画。
年明け一発目の映画鑑賞はインド映画といきたいもんだ、と【ムトゥ踊るマハラジャ】の原作であるラル様主演映画を観ることに。
せっかく、去年DVDを購入したことだし!

この映画、日本ではほとんど話題になっていないものの、映像の美しさを筆頭に、かなりの傑作らしい、ということは、Periploさま慕夏堂主人さまのレビュー等で漠然と知っていたので、結構期待して1月1日の夜から鑑賞開始。

私は、今のところ、インド映画にハマるきっかけになった【ムトゥ踊るマハラジャ】がインド映画の中では一番好きです。
一度観た感想としては、【ムトゥ】が一番好きなことには変わりないけれど、この原作、本当にかなりの大傑作だと思いました。
新年にこんな素晴らしい映画を最初に見られると、とても満ち足りた気分で、いい年になりそうな気がしてきます!

とにかく映像が美しくて、タミル映画のような浮ついた雰囲気(殴った相手がクルクル回って飛んで行くようなアクションとか...)があまりなくて全体的に落ち着いてて、これが【ムトゥ】の原作!?似ても似つかん!とびっくり!
【ムトゥ】のようなコメディ路線を強調した作りの映画ではないんです。
(もちろん、コメディシーンがない、ということではなく)

よくこの映画から、K.S.ラヴィクマール監督は【ムトゥ】を着想したなあ、と逆に感心。
随所随所に、この【Thenmavin Kombathu】と全く同じようなシーンは出てくるのだけれど、本当に【ムトゥ】はリメイク元からはぶっ飛んでいます。
【ムトゥ】が好きで好きでしょうがないだけに、【ムトゥ】と同じようなシーンはどこか、とか逆に全然違うシーンはどこか、とか、考えて観るだけでもかなり楽しめました。

ただ、素晴らしい映画ではあるけれど、【ムトゥ】に較べるとインドの知識無しに単純に観て楽しめるタイプの映画ではないので、仮に私がインド映画の中で最初にこの映画を観ていたら、それによって「インド映画にはまる」ということは考えにくいかも。
【ムトゥ】に巡り会えたおかげで、何年か経たけれどもこうして【Thenmavin Kombathu】にも巡り会えて、私はすごくうれしい。
めでたい!パチパチパチ。

ところで、主演のモーハンラール。
この映画でのラル様は、ラジニのムトゥ役のような派手な演出があまりないからか、この映画を観ただけじゃ、ラル様がどうしてマラヤラム映画界のスーパースターなのか、イマイチ分からんかった。
【ムトゥ】のときは、ただのオッサンにしか見えなかったラジニが、映画の後半になるころには「ラジニ様♪(はあと)」となって彼のスクリーンでのスマイルに釘付けになってたものだったけど。
とはいえ、この映画のラル様の顔のまるまる具合は、七福神の大黒様あたりを観ているようで、ご利益ありそうな気がしたりして。

じゃあ演出が派手なタミル映画でのラル様を観れば、ラル様の魅力が分かるかも???
と、翌日は【Iruvar】を観てみようかということに。