Bigilについて、語りたい。(2)女子サッカー選手のみなさん

Indian Movies / インド映画の話
【Bigil】のファーストシングル Singappenney のポスター

【ビギル 勝利のホイッスル】を観ました?これから観ます? 今日からIMW(インディアンムービーウィーク)という映画祭で上映されますよ。見ましょう!見て!
(今日の上映は満席だそうで、素晴らしいことです!)

●●●

ビギルについて語りたい、2回目。

ポスターに、ヴィジャイの他にヒロイン以外の女性が何人も登場する映画って、珍しいですね。

【Bigil】のファーストシングル Singappenney のポスター

いえいえ、これは何人も、どころじゃないでしょう。ヴィジャイの右に5人、左に5人いるよ。
サッカーって11人で試合するんだよね? ってことはさらに登場するよね。
こんなに覚えられなーい。

なんて観る前には思ったんですよ。

だけど、観終わる頃にはこの子は誰かな?と関心がむくむく。

私の場合、【ビギル】を観ながら、同じような女性のスポーツ映画で、シャー・ルク・カーンの【行け行け!インド】(Chakde! India)とか、グリンダ・チャーダ監督の英国女子サッカー映画(主人公のベスはインド人)【ベッカムに恋して】(Bend Like It Beckham)とか思い出しました。
2002年の【ベッカムに恋して】(もう、すごく大好きな映画!今年、日本公開された同じ監督の【カセットテープ・ダイアリーズ】(Blinded by the Light)も最高~!)は足元のカメラワークが巧くて、アスリートというよりも俳優さんがプレーしているのにもかかわらず、ものすごく臨場感があったりしてよかったな、とか。
【ビギル】は何回か観てると、この選手はあんまりサッカー上手じゃないかも、この選手は映画じゃない実生活でもサッカーやってるのかな、とかも思い始めたりもして。 だけどチカラワザで何かを納得させちゃう、インド映画のチカラ。ヴィジャイに魅せられた人達が集まって放出する、Verithanam。みんなのこと、知りたいな。

私、劇場で映画を観た際、映画のパンフレットは割と買いますが、楽しみにしているのは出演者紹介。主演以外の脇の方々もたくさん書いてあると楽しく読みふけります。8月に日本公開された、【きっと、またあえる】(Chhichhore)のパンフレットも、そう意味でもとてもたくさん書いてあってよかったな。

ということで、これからビギルを観る人の何割かは、きっとこういうの知りたくなるはず!
このページでは、登場する女子サッカー選手役について調べたメモ書きと感想を。

紹介

上記のツイート(ビギルのプロデューサー)で紹介された女子サッカー選手役の方々は、実際もサッカー選手のようです。

Amritha Aiyer キャプテン Thendral役

上記写真ヴィジャイの左隣。バンガロール出身。クレジットなしですが、【Theri】にもサマンターの従妹(友達?)役で出てました。
オーバーヘッドキックとか、かっこよかったですね~!

彼女いわく、
「テリの時は10日間撮影に参加したけど、ヴィジャイ・サーには会えなかったの。だから今回、とても嬉しかった。
ビギルで私が最初に撮影したシーンは、病院で彼を激しく責め立てるところ。なかなか彼に面と向かってそれをうまく言うことができなくて、そうしたら彼が私の状況を理解してくれて、私の台詞のとき、自分が目を閉じていると提案してくれて、何とかできた。」

「サッカーのキャプテン役だなんて、思いもよらなかった。
アトリ監督は、ビギルのオファーの時、ヴィジャイの次の映画はスポーツドラマで、5人主要な女子選手役を探していると。詳しい役柄は知らなかった。
実はサッカーだとも知らなくて、フォトセッションの時にサッカードラマだと初めて知った。何で私にオファーしたんですかと監督に聞いたら、君はサッカーが上手いからキャプテンにした、って。」

「でも私は女優になる前、バスケットボールはやってたけどサッカーはやったことなかった。それで、サッカーのできる友達に特訓してもらって、撮影に参加した。」

「バスケットボールの世界でも、この映画のように政治がすごく力を持っていて、あまり実力がないと思える選手がセレクションされるのを直に見てきたわ。私にも、ラーヤッパンのような正義を貫いてくれる人が傍にいたらよかったな!」

「ビギルでは自分のベストを尽くすと誓って、毎日のようにアトリ監督と衝突した。アクロバティックなキックのシーンなども全部、スタントなしで私が自分で演じたの。」

「ビギル撮影中に誕生日を迎えたの。朝Indhujaが撮影場所に現れたヴィジャイに私が今日誕生日だと言ったの。そのとき彼がどれほど嬉しそうな顔をしたか! すぐに彼は電話をして大きなケーキを現場に用意してくれた。アトリ監督もケーキを持ってきてくれて、一緒にお祝いしてくれたの。 ナヤンターラーはその日撮影現場にいなかったけれど、サプライズですてきな腕時計を贈ってくれた。 とても感激して、想い出に残る誕生日になったわ」

Indhuja Ravichandran 気性が激しく、マイケルと激しく衝突しまくるVembu役

写真ヴィジャイ右隣、気性の激しいVembu役。ビギルではショートカットのかつらだったのかな?
2017年、【Mersal】と同じ日に公開された【Meyaadha Maan】でデビュー。

彼女も、ヴィジャイとアトリとラフマーンにも誕生日を祝ってもらっちゃったんですね!

Reba Monica John キー・プレーヤーその1、アシッドアタックにたちむかう、Anitha役

写真ヴィジャイ右に2番目(Indhujaの隣)。マラヤーラム映画中心に活動の場を広げつつある俳優。

「実は私がガールズで一番最後にキャスティングされたの。主演の経験もあるから、正直、たくさんの女の子たちの1人として一緒に出演する、というのは躊躇した。監督はどんな役かも全く話してくれていなかったし。」

「アシッドアタックの被害者役だと聞いて、とてもナーバスになった。特殊メイクも大変だった。あのシーンは2日間かかり、30テイク近く撮ったの。おかげでたくさん卵をぶつけて顔が腫れたわ。でも、とてもファンタスティックな仕事になった。」

「役の反響は想像以上で、小さな子どもからも、自分たちに非のない理由で受ける様々なトラウマなどから勇気づけられたと手紙をもらった。」

「Singappenneyのはじまる直前の、加害者と対峙するシーン撮影のとき、ヴィジャイ・サーは私の母に歩み寄り、”これを演じる、あなたの娘を誇りにしてください”って。この上ない喜びよね!」

Varsha Bollamma キー・プレーヤーその2、嫁いだ家の理解を得られず、プレーができないでいたGayathri役

写真に写っていない、11番目の選手。ビギル本編でも、最後に登場する女子選手でした。
IMW 2019でも上映された【’96】では、ヴィジャイ・セードゥパティの写真講座の生徒役。二人のヴィジャイと次々に共演したことになりますネ。

「私の役は、後半でちょこっとの出番だけだし、オファーを受けるのはちょっと迷ったの。でも、出演してよかった。映画館で観ていて、私の家にヴィジャイとナヤンターラーが訪れて語るシーンは、多くの女性が共感すると思う。」

「サッカーシーンも楽しかった。」

↑今年のヴィジャイの誕生日に、こんなお祝いのツイート。 笑顔が、いちばん、ですね!

Indraja Shankar ぽっちゃりでくいしんぼなPandiyamma役

ヴィジャイの左4番目。コメディ俳優 Robot Shankarの娘さんですって~!
彼女のスーパーゴールのシーンとか、公開時に劇場で観た時、タミルの男性客たちから大喝采だったんですよ。審判に攻撃するところも最高でしたねっ。

ビギル出演で、賞ももらったんですって! 今後もスクリーンでよくお目にかかれるようになるかも~。

Gayathri Reddy  Maari役

モデルを経て、ビギルで映画デビュー。

「サッカー未経験だったから、45日のブートキャンプで選手っぽく見えるようにトレーニングを受けた。でも、フィットネスのモデル経験もあってワークアウトは慣れていたから、馴染めたし、新たな視点も得られた。」

「実はヴィジャイ・サーと共演するのはストレスフルで…彼に怒って睨み付けるシーンとかきつくて。でもそれ終えたら後はスムーズだった。」

「こんな大きな商業的な映画で、アトリ監督が描くエンパワーメントの訴えは驚異的だった。こういう、いわゆるなヒロイン像を超えた女性のために書かれた映画でデビューできて、ラッキーだったと心から思う。」

Riddhi Ramesh  Selvi役

カルナータカ州チームのサッカー選手。

「助監督が試合を観に来ていたの。映画に出るとは思わなかった。」

「私は映画界にいないけど、ヴィジャイ・サーがどれほどすごいスターかは知っている。とても謙虚で親切な人で、撮影初日から全員の出演者の名前を覚えていて、パーソナルに接してくれた。」

「どれだけの女性が、家庭の圧力や結婚で、敢えなく選手の道をあきらめざるをえなかったか、語り切れないわ。ビギルの公開後、たった1週間で、
女性のスポーツ参加への世間の理解が一変して肯定的になってきた。これから、女子サッカーリーグなどの認知度が上がっていくといいな。」

Aadhirai Soundararajan Minnoli役

俳優。

彼女のビギルで一番好きなキャラクターは、ラーヤッパン父ちゃんだそうです。
twitterには、記念撮影ツイートもあって、ちょびっとミーハーな感じもあって、かわいい♪

Kanimozhi Kanimozhi役

ヴィジャイの右に5番目(右端)。
タミルナードゥ州チームに8回以上選抜されたプレーヤー。現在Physical Educationの教師として勤務。選手を発掘し、州レベル以上に育てるのが夢。

Shobana Selvam

チェンナイ出身、タミルナードゥ州チームに2011-15、2018年に選抜されたプレーヤー。ボクシング、フェンシングにも長けていて大会優勝経験あり。リアルなサッカー選手をアトリ監督が探していて出演が決まったとのこと。

彼女のtiktok、BIGILのオフショットみたいな動画がいろいろあがってます。↓これ、めっちゃかわいい(笑)

ヴィジャイが練習(?)してるのも見えます。貴重なビデオをありがとう、ショーバナー!

@sofi16soccer

happy birthday to our one nd only THALAPATHY ##thalapathy ##thalapathybirthday ##june22_thalapathy_bday ##june22 ##sofisoccer16 ##tamil ##tiktok ##annan ##tik

♬ original sound – sofi16soccer

Samundeeshwari

Suganya Rayar

Sowmiya

マドゥライ出身。7回以上タミルナードゥ州チームに選抜。フォワードで100ゴール以上決め、数々の試合で最優秀選手賞受賞。現在は私立学校で体育の先生をしながら、サッカーの後進の指導に熱意を傾けている。

Vinaya Seshan キーパー役。

ヴィジャイの右に4番目。チームで一番若いのかな。
カルナータカ州チームでプレー中。サッカー選手でもありながら、ダンススクールにも通い、17歳で出場した2018年のDance World Cup スペイン大会では、ジュニア・ヒップホップ/ストリートダンス部門で「優勝」。
ビギルの【Singappenney】と【Bigil Bigilma】で、ものすごいリズム感と身体能力を見せつけてますが、二足のわらじでものすごい才女さんの様子…

【Master】の「Vaadi Coming」もビデオ投稿してましたよ。すごい。

Tanvie Hans マニプール州チームのキャプテン役

敵役のキャプテンがかわいいなあ、サッカーうまいよなあ、マニプールの人なのかしら、と印象に残ってたら、やっぱりサッカープレイヤーでしたがデリー出身。
現在カルナータカ州チームに在籍。2013~16には、(まさにビギルの女性たちと同様に、インドではチャンスに恵まれないと)イギリスに渡ってプレーし、帰国してからはインド女子サッカーリーグの定着に力を注ぎつつ、女性のエンパワーメントに関するメッセージをSNSで積極的に発信している。

Bend It Like Beckham (ベッカムに恋して) The Musical のポスター

ベッカムに恋して [DVD]UKでプレー中だった、2015年に【ベッカムに恋して】のミュージカルがロンドンで初演。その際にポスターに抜擢された彼女。
2002年、12歳の時に【ベッカムに恋して】を観て感動し、自分のオールタイムベストだと語る彼女が、イギリスのチームで夢を追っているところでグリンダ・チャーダ監督の目に留まったというミラクルなエピソードも。

↑ かっこいい! かっこいいね! バンガロール(ベンガルール)に行けたら、試合も観に行ってみたいね!!!

ビギル公開当時、一切この映画への出演について語っていませんでしたが、今年4月に「サッカーでいろいろあって、サッカーが本業で専念したかったから黙っていたけど、公開から半年経ったし、今のこのタイミングなら振り返れるから」と、ちょこっとSNSにビギルにほんの小さな役に出たこと、1分ほどのシーンだったけどいかに映画の撮影が大変で映画のプロフェッショナルな人たちはすごいと思ったこと、コロナの中amazonプライムで映画を見て女性応援映画として共感できるから、みんなぜひ見てみてほしい、などとコメント。
映画に出るまでヴィジャイもアトリもビッグネームだとは知らなかったみたいです。(デリー出身で、サッカーに専念していたから、かもですね。)

Varsha Bollammaが、「実際にプレーヤーな人たちとも共演できた楽しかった、特にTanvieがとてもよく教えてくれて楽しかった、彼女はインドの最高のプロ選手の1人よ、今度彼女のワークショップに参加するわ!」と讃えていました。

参照

The girls of ‘Bigil’ The Hindu 2019.11.2
Bend it Like Beckham The Musical – How Tanvie Hans came from Delhi to London, Dreams Come True!  グリンダ・チャーダ監督のYoutubeチャンネル 2015.3.25
Bend it like Tanvie Hans Football Paradise 2016.2.18
Breaking barriers in India BBC 2017.4.26
Meet Amritha Aiyer who thrilled as Thendral in Vijay’s Bigil… on manorama 2019.11.8
Actress Kanimozhi

●●●

まだ、ポスター見ても顔の見分けがついてなかったり、プロフィールが分からない方が多いので、引き続き探求していきます。
訳もざざっと、なので誤訳に気付いたら修正していきます。

それにしても…あの病院でヴィジャイが若い女性たちに責め立てられ、ヴィジャイが目に涙を浮かべるシーン、あまりにヴィジャイがかわいそうで私はつい目を反らしたくなっちゃうんですよ。
でも演じていた女性たちからしたら、ヴィジャイ様にそんなことをする方が怖くて怖くて仕方なかったんですね。
そして彼女たちが演じているとき、ヴィジャイがその演技を引き出すために目を閉じたり、気を遣っていたと。
いい話だ。

こんなたくさんの女性を率いてメロメロにした、「ヴィジャイ・サー」も改めて、すごいね。

マーダレー~ マーダレー!

コメント

タイトルとURLをコピーしました