Kabhi Kushi Kabhie Gham (家族の四季 愛すれど遠く離れて)

Indian Movies / インド映画の話


Title : Kabhi Kushi Kabhie Gham… “It’s all about loving your parents” -KARAN JOHAR (家族の四季 愛すれど遠く離れて) (2001年 Hindi, 210分)
(通称「K3G」。東京国際映画祭での上映時は「時に喜び、時に悲しみ」の邦題がついていました)
Director : Karan Johar (カラン・ジョハール)
Music : Jatin-Lalit, Sandesh Shandilya, Aadesh Shrivastav
Starring : Amitabh Bachchan, Jaya Bachchan, Shah Rukh Khan, Kajol, Hrithik Roshan, Kareena Kapoor
Released: 2001/12/14

6人もの(ラーニー・ムカルジーもカウントすれば7人!)オールスター・キャストで話題となり2001年から翌年にかけて特大ヒットとなった、インドとイギリスを舞台に繰り広げられる家族の絆を描いた超大作。
4時間近くの実に豪華なインド映画。
個人的には、これが海外で初めて観たヒンディー映画なので、とても印象深いです。

以下、2002年4月26日配信のメールマガジンより転載します。
極力修正を避けて、当時そのままの状態で掲載します。
配信時、日本に上陸する情報はまだ全くなかったわけで、日本上映を待ち望む内容になってますが。
しかし、昨年(2008年)には遅ればせながら日本でもロードショーが実現し、今年(2009年)にはついに日本盤DVDも発売されました!
感慨深いものがありますネ。(2009/10/05 記)

映画鑑賞記 ~2002年4月のメルマガから~

■Kabhi Khushi Kabhie Gham…(K3G) ※ヒンディー映画 
 ~ 監督:カラン・ジョハール
   音楽:ジャティン・ラディット他
   出演:アミタブ&ジャヤ・バッチャン夫妻、シャールク・カーン、
     カージョール、リティック・ローシャン、カリーナ・カプール 
  鑑賞日:2002年1月24日(木) 20:00~の回
  場所:Tanjong Golden Village
      マレーシアのクアラ・ルンプール(KL)のシティ・センター地区
      (KLツインタワーの3階)

 1月のチェンナイ(インド)、クアラルンプール(マレーシア)旅行中の現地映画館で鑑賞した映画の感想の第2回目は、豪華スターが結集した『K3G』です。(1回目の感想は【Red】)

 白状しますと、実は私はタミル映画ほどにはヒンディー映画にはのめりこんでいません。(ヒンディー映画ファンのみなさん、ごめんなさい!)

 タミルをはじめとする南インド映画の「コテコテ」な世界にハマっている私には、ヒンディー映画は洗練されてて、オシャレで、やや物足りないことが多かったりして…。(笑) 私にとってのキーワードは「コテコテ」なのです。

 単に好みの問題です。誤解されませんように!

 ですが、傑作(かもしれない作品)を観る機会があるのに、固定観念で見逃しちゃうのもイヤなので、漠然と最近のヒンディー映画の情報も意識するようにしていたら、ちょうど旅行中に上映中で評判が高かったのが、この映画でした。

 アミタブ・バッチャンはかつて、ラジニと共演した【HUM(タイガー~炎の3兄弟)】を観たことがありますが、もうコテコテの魅力に溢れてました。彼の他の作品もいつか観てみたい、と思ってたところ、シャールク・カーンが共演、しかもカージョールもでしょ?
 ヒンディー映画を普段観ない私にも、これは買いだっ!と思ったのです。
 内容は知らないけど、期待が勝手に膨らむのでした。

 さて、昨年12月に公開されたK3G、1月のチェンナイでも、大ヒット中でした。上映6週突破ポスターも道端のあちこちで見かけました。
 サウンド・トラックもCD売り場にどーん、とこの映画のコーナーが出ていて、メイキング本も(インドで3,000円もする高い本でしたが)あり、タミル人も歌を口ずさんでました。
 他の映画より高いけど、映画を観る前からCDとメイキング本をゲット。これで映画がつまらなかったら悲惨なので、益々期待が膨らむのでした。(笑)

 チェンナイで当初は観るつもりだったんですが、時間が足りなくて、KLで、日本に帰国する前日に滑り込みセーフ!で観ました。
 当時のKLの映画館チャートでは、他の国の映画もたくさん上映されている中、この映画は3位ぐらいで、マレーシアでも大ヒットしていたようです。

どんな映画館?

 タンジョン・ゴールデン・ヴィレッジは、インド人街から徒歩15~20分ほどのKLのシティ・センターにそびえ立つ、有名な建物「ツインタワー」の中にある、シネマ・コンプレックスです。ツインタワーの中、というだけあって、オシャレだし、たくさんの人が観に来ているので、夜の回に観に行っても、治安的にも問題ないと思います。近辺のホテルなら、徒歩で帰っても平気でしょう。

 インド映画専門館ではありませんが、スクリーン数が10くらいあり、私が行った時で、この映画の他にもタミル映画【パンマル・K・サンバンダン】が上映されていました。ボックス・オフィスで、観たい映画を言って券を購入します。指定席です。

 映画数が多いので、窓口数も多いですが、長い行列になってました。開始時間ぎりぎりに来場される方は注意!
 (インドと同様に、開始時刻が過ぎてから来場するお客さんはかなり多いようで、映画開始後もしばらく場内は落ち着かないのであしからず。)
 入場料は、前回出てきたオデオン・シアターと同様、一人RM9.00(約300円)。
(ちなみに、チェンナイでは100円前後、シンガポールは700円前後です。)
 
 客席数は分からないのですが、オデオン・シアターより大きく、500人前後かな?
 お客さんは上映途中でわらわらと増えて、気がつけば満員。日本でレイトショーにこんなに人が来るなんて考えられないですよね。

 【Red】と同様、字幕はマレー語!シンガポールでは、ベドックという映画館でヒンディー映画を観ると英語字幕がついている、という話ですが、マレーシアでもつけて欲しいなあ…マレー語併記でいいから…(ワガママ)
 K3Gは、結構英語のセリフも多く、物語の筋も単純明快なので、字幕なしでもなんとか分かりました。(予め日本でネットであらすじをプリントアウトしといたので、かなり助かりました~) 

あらすじ

 シャールクは大金持ちのアミタブの義理の息子で、太っちょの弟がいる。シャールクは養子だけれど、アミタブたちに溢れんばかりの愛情を受けて育ち、まだ小さい弟とも大の仲良し。
 ある日、シャールクは下町の商人の娘カージョールと運命の出会い。
 シャールクのロマンスを知らないアミタブは、自分がお気に入りのシャールクの幼なじみの娘との結婚を持ちかけ、尊敬する父を裏切りたくないシャールクは一度はその結婚を受け入れる返事をする。
 しかし、結局シャールクはカージョールとこっそり結婚式を挙げる。頑固者の父は激怒し、「おまえはやっぱり本当の息子じゃない!」と言い、シャールクを勘当するだった。シャールクは、大好きな家族に別れを告げ、家を出ていった。
 その後、シャールクとカージョール、彼女の妹の行方は知れず。

 時は流れ、太っちょだった弟はスリムで超カッコいい大学生になっていた。(リティック・ローシャン)
 ある日、兄が養子だったこと、そして家を出ていった理由を、母(ジャヤ・バッチャン)と祖母から聞かされる。
 父は頑固者のままだが、なんとかして、昔のようにまた、家族全員で笑いあえたら…とリティックは兄を探して、父母と再会させようと決心する。
 調べていくと、兄夫妻は現在イギリス・ロンドンにいることが分かり、リティックはロンドンに留学。そして、知り合いだったことを気付かずに、カージョールの妹(カリーナ・カプール)がリティックに一目惚れし、アタック開始。
 ひょんなことから、リティックは、シャールク家に下宿することに。スリムになったリティックを弟だと気付かないシャールク。(←気付けよ~)
 ~後は観てのお楽しみ~♪
 

感想

●アミターブ・バッチャン~登場シーンは多くはないけど、彼が出てきただけで、一気に空気が変わる。特に、ダンスシーンはたいして踊ってなくても、彼がいるだけで華やかになるのです。いや~、やっぱり彼は本物の大スターだ!と思いました。『Hum』のときのようなコテコテさは影をひそめてましたが、頑固者なオヤジが似合いまくってました。

●ジャヤ・バッチャン~当初、アミタブの奥様だと知らずに観てましたが、妻にネクタイを結んでもらうのに、彼女の身長に合わせて背をかがめようとしない頑固者な夫のために、踏み台に載って結ぶシーンなどが大変印象的でした。
私生活でもそうやって結んでるの?と聞いてみたい!

●シャールク+カージョール~この二人のコメディーの掛け合いは、ほんとに絶品!
シャールクが義理の父を本当に大切に思っているんだ、と分かる演技もすごくよかったし、カージョールの独身時代のおてんばな笑顔が鳥肌モノでステキでした!実は、カージョールの映画を観るのは初めてだったんだけど、即ファンになりました~。
後半の夫婦時代もよかったけど、二人が恋に落ちて行く過程が、もう、なんとも言えません~。

●リティック+カリーナ~この映画観るまで、二人とも存じ上げませんでした(爆)。
リティックは筋肉ムキムキで、ダンスもすごくて、カッコいいの一言。
こんなルックスの彼が、「家族でもう一度笑いあいたい」と健気な表情をするんだから、そりゃあ、もう!(笑) 
カリーナは、ロンドンに感化された、ケバい脳天気ムスメを演じているので、どうもその役柄は解せないものがあったけど、脳天気なりに、健気にアタックする姿はとてもキュートでした。
(…この二人のダンスシーンなどは、舞台がロンドンで、真にオシャレなので、「コテコテ」好きの私にはほんのちょっと物足りなかったですけど(笑)。)

●音楽~めちゃくちゃ素晴らしい!
洗練されているけど、インドの旋律をバリバリに使ってて、メロディアスで、ああインド!って感じ。
帰国してから、聴きまくって口ずさんでます。
ヒンディー語は全く分かりませんが…。

 インド人に限らず詰め掛けた満員の観客は終始、笑って、すすり泣いて、の繰り返しでした。皆さんが大爆笑してるシーンは、字幕がないと理解できないことが多くて、分からない私は置いてきぼりを喰って、ちょっと悔しかったです。(笑)

 『家族愛を取り戻す』というシンプルなテーマながら、じ~んとするエピソードをテンコ盛りで、3時間以上を一気に引っ張って行くのです。うとうとするヒマはありませんでした!
 観終わったら、すぐに「もう一回観たい!」…でもこの日が旅行最終日。残念!

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 余韻にひたりつつ、建物の外に出ると、人通りが減って、やや稟とした空気の中、ライトアップされたツインタワーがとても幻想的。
 今回の旅行の最後の夜に、最高の想い出となりました。
 いや~、スクリーンで観る価値がありすぎる、1本で3本分のヒンディー映画を観たような手ごたえのある映画でした!
 
 ネット上のレビューの中には、既存の映画を足して2で割ったような、新しい発見がない映画だ、というような意見もありましたが、(私はその既存の映画を観てませんけど)、絶対オススメです!
 というか逆に、家族という普遍的なテーマ(日本じゃ、ちょっとダサい感じになりがちですよね)に正面から取り組みつつ、エンタテイメント性を存分に織り交ぜた傑作だと思います。たくさん笑って、たくさん泣いて。

K3G

 日本に帰ってから、鬼のようにサントラCDを繰り返し聴いてますし、メイキング本も家宝となりました。(本を見ると、リティック・ローシャンの噂の右手親指が、2本あるのがはっきり分かりました。びっくり!ハンディを乗り越えてリティックは頑張ってるんですね!)
 日本でもスクリーンで紹介される機会があるといいな。

Songs

Kabhi Khushi Kabhie Gham Lata Mangeshkar 7:55
Bole Chudiyan Kavita Subramaniam, Alka Yagnik, Sonu Nigam, Udit Narayan, Amit Kumar 6:50
You Are My Soniya Alka Yagnik, Sonu Nigam 5:45
Suraj Hua Madham Alka Yagnik, Sonu Nigam 7:08
Say Shava Shava Alka Yagnik, Udit Narayan, Sudesh Bhosle, Aadesh Shrivastava, Sunidhi Chauhan, Amitabh Bachchan 6:50
Yeh Ladki Hai Allah Udit Narayan, Alka Yagnik 5:28
♪ Kabhi Khushi Kabhie Gham – Sad (Part 1) Sonu Nigam 1:53
Deewana Hai Dekho Kareena Kapoor, Alka Yagnik, Sonu Nigam 5:46
Kabhi Khushi Kabhie Gham – Sad (Part 2) Lata Mangeshkar 1:53
Soul of K3G Instrumental 2:18
Vande Mataram Usha Uthup, Kavita Subramaniam 4:15

(2002年1月24日(木) 20:00~の回、マレーシア・クアラルンプールのタンジョン・ゴールデン・ヴィレッジ劇場で初鑑賞。)

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