Mr. Bharath (ミスタル・バーラト) | ラジニ ラグヴァラン サティヤラージ

Mr.Bharath

Title : மிஸ்டர் பாரத் Mr.Bharath (1986年 Tamil)
Director : S.P.Muthuraman (S.P.ムットゥラーマン)
Music : Ilayaraja (イライヤラージャー)
Starring : Rajnikanth(ラジニカーント), Sathyaraj(サティヤラージ), Ambika (アンビカー)Raghuvaran (ラグヴァラン)

ラジニカーントの心理的リベンジ劇。
サティヤラージとのせめぎ合いがなかなかスリリング。
ラグヴァランのラジニカーントとの初共演作品かな?

1986年1月10日公開

キャスト

Rajnikanth:Bharath (バーラト)
Ambika: Uma (ウマー)建設会社に勤める女性
Sathyaraj: Gopinath (ゴーピナート)マドラスの建設会社の社長 バーラトの実の父
Raghuvaran: Michael (マイケル)街のゴロツキ
Vadivukkarasi:ゴーピナートの妻
Sharada: Shanti バーラトの母
Viji: Ponni ゴーピナートの娘
S.Ve.Shekar: Ashok (アショーク)ゴーピナートの息子
Goundamani: Sanjeevi (サンジーヴィ)ティファン屋のオーナー
Deevan
Visu
Delhiganesh

スタッフ等

プロデュース:M.Saravanan, M.Balasubramanian
アソシエイト・プロデューサー:M.S.Guhan
監督:S.P. Muthuraman

Songs

Enthan Uirin S. Janaki
 田園に佇む険しい表情の母といたいけな息子の表情のコントラストが鮮烈なオープニングソング。
 苦労したんだねえ、と詞や台詞が分からなくても状況が伝わってくる1曲目。
En Thaayin Meedhu Malaysia Vasudevan
Enamma Kannu Sawkiyamma Malaysia Vasudevan, S.P.Balasubramaniyam
 サティヤラージとラジニがライバル意識を燃やしてゴルフしながら時々踊る、という、大変珍しいソングシーン。
Kaathirundhu Kaathirundhu S. Janaki, S.P.Balasubramaniyam
Pacha Molaga Chorus, Malaysia Vasudevan, S. Janaki

あらすじ

工事現場で働く村娘のシャーンティは、都会から現場監督?に訪れたエンジニア・ゴーピナート(サティヤラージ)にアタックされ恋仲になったが、ゴーピナートにとっては遊びだった。
子を身籠ったシャーンティは、マドラスにゴーピナートを尋ねたが、身分違いだのを理由に、冷淡にあしらわれた。

シャーンティは村に戻り、厳しい労働と貧困に耐えながらひとりで息子を育てていく。

息子・バーラト(ラジニカーント)は心優しい大人になったが、苦労で病に臥していた母はバーラトの父の存在を口にし、息を引き取った。
母の苦労を目の当たりにしてきたバーラトは、意を決してマドラスに出ると、ゴーピナートが経営する建設会社を尋ねた。

周囲を嘘でかわして、ゴーピナートとの面会に漕ぎ着けたバーラトだったが、自分はゴーピナートの息子である、とは告げなかった。

やがてバーラトもあの手この手で建設会社のオーナーにのしあがり、冷酷なゴーピナートに挑んでいく。

バーラトは一方で、ゴーピナートの娘・ポンニ(ヴィジ)を危機から救い、恋人との縁談の橋渡しをした。
同じく息子のアショーク(S.Ve.シェーカル)の、ティファン屋(ガウンダマニ)の妹との恋も後押しし、ゴーピナートの妻(ヴァディヴッカラシ)もバーラトを好青年と見るようになっていた。

バーラトは、母を不幸にした父に対するリベンジと、父に自分を息子として認めてほしい気持ち、異母兄弟とのやりとりで揺れる中でも、次第にゴーピナートを追いつめていく。

やがてゴーピナートはバーラトが自分の息子だと知らぬまま、町のゴロツキ・マイケル(ラグヴァラン)にバーラトの殺害を依頼し…。

むんむん’s コメント

ド派手なミュージカルシーンは無し。
(冷蔵庫の中で踊るダンスなど、チープでかわいいのはありますが。)
ラジニとヒロインのロマンスはあるにはあるけれど、ひかえめ。
アクションも他の映画に比べれば、地味め。
ラジニ映画にしては、比較的硬派な作りになっているかと。
ラジニ節全開、ってタイプの映画じゃないですが、渋くてなかなかこれはこれでよいです。

そして、今はもう共演しないだろうな~、と思われる、サティヤラージが悪役。
(ラジニが悪役からスタートして大スターになったように、サティヤラージも後に主役に転じて成功し、しかも近年の主演作ではラジニ映画を皮肉ったりもしてますからねぇ。)
そのうえ、明らかにサティヤラージの方が年下だと思われるのに、ラジニの実の父親役!
なんかレア~。

サティヤラージとラジニがちょっとだけ一緒に踊ってるのだけど、サティヤラージの方が明らかに腰が切れててノリがいい。
アクションシーンもサティヤラージの方が足がすっと伸びて、キマっている。
サティヤラージの方がラジニより頭ひとつ背が高いし、見栄え的にラジニが不利に見えてしまうシーンもあったりなかったり。(笑)

でも、その二人が心理的に張り合って行く展開が、台詞が分からなくてもスリリングでおもしろかったです。

ちょっと、ラジニ演じるバーラトが、(ハッタリをかましているからなのかもしれないけど)椅子に座る姿勢などがいちいち行儀が悪いのは気になったかな。
ラジニといえば、「スタイル」! この映画では「スタイル」で興奮できませんでしたわ。
「グラサン回し」は登場したけれども。1986年時点でももう「グラサン回し」は完成されたラジニの技だったんだねえ。

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そして、たぶんこれがラジニカーントとの初共演ぐらいかと思われるラグヴァラン様!

日中から酒を飲んだくれていて、映画の最初の方で、マドラスに出てきたばかりのラジニに、簡単にのされてしまうちょっとふがいないゴロツキ集団のボス役。
その後ずっと登場しないので、前半早々、のされて出番がもう終わりか!最初の共演作はチョイ役の悪役だったのか!?

…と思いきや、クライマックスで再び登場!(やったー!)
暴走族のラグ、かっこいいぞー!

しかし、やっぱりラグ様は若いときも、アクションは苦手だったようで。。。

こんな弱いやつに、殺しを依頼するほうも依頼するほうだ、って感じなんですけど(トホホ)

でもですね、それでも、やっぱりラグ様よかったです。

若いラグ様は、「若さの矛先をどこに向けたらいいのか分からず暴走している」感じの、狂気のオーラが出まくってました!

こういうのは、芸達者な大人がやろうとしてもやれないものだし、後年演技派として鳴らしたラグ様も、こんな蒼い演技をしていた時期があったんだなあ。

こんな共演作でスタートしたけど、その後まもなく【Manithan】や【Siva】とかで、ラジニとの共演者といえばラグ!…みたいな名声を得ていくようになるわけだ。

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S.Ve.Shekar
ヴァディヴッカラシも若いねえ~。

2008年のタミルニューニューイヤーイベントで以前来日してた、S.Ve.シェーカル(写真右)も、ラジニの腹違いの弟役を演じたりしてたんだ!
(結構、映画でかわいい顔しているのだ。
サティヤラージ演じる父は、身分の違う村娘を平然と捨てたけど、S.Ve.シェーカル演じる息子は、身分の違うティファン屋の娘でも本気で好きだ!と庇うところがよかったね。)

途中、S.Ve.シェーカルが変な日本語Tシャツを着ていた。「ありました」と縦書き。
どこ製のTシャツなのだ!何故いい所のボンボンがそんなTシャツを着とるんじゃ!
(ラジニはラジニで、また違うへんな漢字Tシャツを着ていた。)

※南インドを今まで旅行した限り、レストランやティファン(軽食)屋で、女性がサーブしているお店はほとんど見かけたことがない(女性がいる場合でも、おかみさん!って感じの人。)です。
この映画のように若い娘が店番をするっていうのは、かなり珍しいんでは。
飲食業は水商売のような認識で、女性で飲食業に就くのはほとんど考えられない、と以前インド人に聞いたことがありましたが。

それから、女性ばかりが工事現場で働く、っていうようなシーンも見慣れないので結構びっくりでした。

派手さはないけど、いろいろ見所がありました。
よい映画でした♪

(2010年6月12日、Moserbaer DVD(字幕無し)で初鑑賞。)

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