【タハーン ~ロバと少年~】 (Hindi, 2008)

Tahaan プログラム Indian Movies / インド映画の話
映画祭プログラムにサインいただきました

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NHKアジア・フィルム・フェスティバルで、サントーシュ・シヴァン監督の【タハーン ~ロバと少年~】(Tahaan : A boy with a grenade)を観てきました。

もしかして、この数年の間では、インド映画で、サントーシュ・シヴァン監督作品が一番日本に紹介されてるんでないかい?
今年は、短編【Prarambha】(2007,プラブデーヴァーが超かっこよかったあ!)もショートショート フィルムフェスティバル アジア2009で上映されたし、【タハーン】(2008)で2本目じゃん。
このNHKのフェスティバルでも、3年前の【ナヴァラサ】(2005)に続いて2本目の登場。
マサラムービーじゃないですけどね。
でも、今でも著名な撮影監督としてマサラムービーでも腕を振るっている彼が、自身が監督するときは、地に足のついた、商業映画でもないけど説教臭くもない、実に映像がリリカルで美しい映画を作りますねー。
【マッリの種】以来、サントーシュ・シヴァン監督の世界にぞっこんですが、今回の【タハーン】も、期待以上の素晴らしい素晴らしい映画でした!

いつかNHKで放送されると思うから、みなさんもぜひ観てください。
(インド好きな方以外にも受けそうだから、ロードショーもされるかも…?)

Tahaan プログラム

映画祭プログラムにサインいただきました

監督が来日予定になっていましたが、直前でキャンセルになったらしい。
で、かわりにプロデューサーと脚本家がティーチインにいらっしゃいました。
といっても、夜遅い時間の上映だったため、一人しか質問できなかった。
うわーん、次に質問しようと待ち構えてたのにぃ。

マニラトナム監督の【ロージャー】で撮影監督を勤めたサントーシュ・シヴァンが、この映画で【ロージャー】と同様、カシミール問題を取り上げていたわけですよ。
おお、シヴァン版【ロージャー】!?ってすぐ思ったもの。
マニラトナムのそれは、新婚夫婦を軸にすえた作りだったけど、シヴァンの場合は子供と動物が軸。

でも、子供の使い方とか、シヴァン監督は実にうまいね。
タハーン役の男の子、すごくかわいくて印象的だった。ロバのビールバルくんも、かわいすぎ。あんなにかわいいなら、わたしもロバ飼いたい。

でも、子供のかわいらしさで感動させる映画ではない。子供やビールハルの目線の高さでの映像が多いけど、親子で観てください、というよりは絶対まず大人が観なくちゃいけない映画になっている。

【マッリの種】だって、マニラトナムの【ディル・セ 心から】と比較されたりするし、マニラトナムとの対比について、シヴァン監督自身、またはスタッフの方の想いだとかをぜひ伺ってみたかった。

あと、他のシヴァン監督作品は、あんまりプロの俳優が出てこないんだけど(商業映画の撮影で稼いだお金で、自分でやりたい映画を監督していたので、ほとんどが低予算映画であるという事情があった。)、今回はアヌパム・ケールやラーフル・ボースをはじめとして著名な役者さんが何人か出てくるので、その辺の経緯とかお聞きしたかったな。

でも、会場出口でしばらくプロデューサーと脚本家のお二人がフォトセッションや質問に答えてくれたので、少しだけ聞けました。

アヌパム・ケールは、カシミール出身なので今回ぜひ登場してほしかった、とのこと。
(カシミールを追われて?長らく離れていたそうで、今回の撮影でカシミールを訪れたのが2~30年ぶりだった、ようなことを女性プロデューサーさんが言っていた。)

ラーフル・ボースは、インドでとても有名な俳優だけどマサラムービーよりもアート系の出演が多く、実際知名度の割には、ギャラが高くない(いい映画だと本人が思えば予算にかかわらず引き受けてくれる、ということか?)。以前一緒に仕事したことがあるので声をかけてみたら快く出演してくれた、とのこと。

アヌパム・ケールは実にいじわるでそれでいて孫思いのやさしい旅商人を演じていたし、ラーフル・ボースがとても元気な役柄で、わたしは勝手に【ミスター&ミセス・アイヤル】でのラージャー役のような、おちついててかっこいい役なのかと想像していたので、【タハーン】では意外だったし、惚れなおしました~。

ラーフル・ボースが高久ちぐささんと共演した【The Japanese Wife】も早く公開しておくれー!状態です(2008年公開予定、だったはずが、いったいいつになったんだー!?)

NHKのプログラムが300円でなんと良心的。映画も500円。ありがたやー。
プログラムを読んだら、ラーフル・ボースって、先日観た【ロード、ムービー】の監督デーウ・ベネガルの以前の映画で主演して、国際映画祭の賞を受賞してたんだね。
デーウ・ベネガル作品ももっと攻めてみたいです。

今年の秋は、マサラムービーじゃなくても、いいアジア映画がたくさん観られて充実感でいっぱいです。幸せー!

↓プロデューサーと脚本家のお二人。美男美女!

tahaan staff

でも、欲を言えば、いつか、サントーシュ・シヴァン監督に、タミルのマサラムービーにも挑戦してみてほしいです(笑)
(ヒンディー映画では【アショカ】で挑戦済みだけどネ。)

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