Celebrity / インド映画界の人々の話

Santosh Sivan 2007.9.28 in Tokyo (3)

2016/01/11

サントーシュ・シヴァン監督/撮影監督の「日本インド映画人シンポジウム」東京会場でのトークその3です。

パネル・ディスカッションの内容 (後編)

質問:【アショカ】の撮影話を聞かせてください。(M)

「戦争をすることで、どちらも勝たない」(勝者はいない)ということをテーマに据えた。
土埃などで季節の移り変わりを表現するように撮影した。

質問:【ナヴァラサ】を観て、エンターテイメント性がありながら主張もある、新しい世代の方に感じましたが。(S)

学生の頃、ホッケーをやっていた。
チームで自分の役目は、空を見上げ観察して、今日の天気をチームに伝えることだった。
そうしているうちに、「移り変わり」を伝えることに興味をもった。

旅をして、自分の目で見ることが好きだし、それを表現したい。

質問:撮影と演出の違いは?(H)

SmokeとFireの関係のように、境界はあまりはっきりしていないと思う。
好きでやっていることだし。

質問:撮影監督をするのは生活のため、そして監督するのは精神のため、ですか?(H)

そういう訳でもない。
大事なのは、自分が中心にいること。自分の見たものを伝えること。
自分の生きている時代を撮って見せたい。
撮っているときは、オーディエンスは意識していない。

質問:そういう、自分主導で撮る映画のときのバジェットはどのくらいですか?(S)

500万USドル位。
一般的なヒンディー(商業)映画だと300万~1,000万ドル。
低予算の映画だと10万~100万ドル位だね。

質問:どこと組む、というのはどういうルートで決まるのですか?(S)

エージェントが仕事をとってくることもあるし、仕事仲間のつてから話が来ることもある。
【ザ・テロリスト(マッリの種)】が海外で上映されて有名になったときとか。
【アショカ】も海外で上映されたのでその関係で話がきた。

質問:インドでは小さなプロダクションが独立して制作していることが多いが、今ではNRIも増えて海外から招かれることも多いのではないですか。(M)
ミーラー・ナーイルとか。外国との繋がりというのは言葉の問題でしょうか?(→日本が映画で海外と組んだり海外で成功することが少ないことに対してか)(S)

ミーラー・ナーイルは、私と同じくAIDS防止キャンペーンに関わっているから、交流がある。
(NRIがとかいうことではなく)コミュニケーションをとることで幅が広がると思う。

質問:シヴァン監督は、日本ではマニ・ラトナム監督作がたくさん公開されているのでその映画の撮影監督として知られていますが、シヴァンさんから見たマニ・ラトナム監督について聞かせてください。(M)

マニ・ラトナムはパッションがある。
例えば【ダラパティ】は、過去のものとの繋がりを大切に撮りたい、というのが監督にあった。

革新性(イノベーション)があるし、ロケ地選定の際も、(音楽監督にまかせきりではなく)ここにはこんな音楽が合う、というように考えている。
A.R.ラフマーンにも、革新性がある。

(マニ・ラトナムとのコンビについてよく言われるが)マニ・ラトナムの奥さんのスハーシニや、【ベッカムに恋して】のグリンダ・チャーダのような女性監督ともよく仕事しているよ。
グリンダのは、【Bride & Prejudice】で撮影監督をつとめた。

【Bride & Prejudice】に参加したことで、西洋の視点を知った。
【Before The Rain】という英語映画をその後監督したときに、それが役立った。
それから、(M.F.フセイン監督の)【Meenaxi】(2004)のときは、色の使い方を学んだよ。

質問:日本と制作システムが違うかについてお尋ねします。映画のファイナル・カット(映画の最終カット~劇場で上映される版になる)の決定権が誰にあるのか。プロデューサーシステムのハリウッドではファイナルカットの権利はプロデューサーにあります。日本ではそれを監督が握っています。監督がいいと言えば全てOKです。インドで撮影をされるときはどうですか?(撮影監督はファイナルカットに意見を出しうるのか)(N)

周りは戦争にでも行くような言い方をするけれども、確かにクリエーターの集まりなのでそれぞれの意見はある。
いいものを作りたいという目標に向かうこと、コンフィデンス(相手に自信を持ってまかせられること)が大事だ。
インドでは監督が多くはファイナルカットを決める。というのも、監督がプロデュースにかかわっていることが多いからだ。

しかし私が最近、英語映画【Before The Rain】を監督したときは、(海外資本が入って、ということか?)契約書がこと細かく記載され、「ファイナルカットは12あるいは16%の権限が監督にある」ということまで決められていたよ。

日本だと、そういうのは口ばっかり、ですよ(笑)。(N)
質問:今の日本では、(フィルムより)デジタル撮影が多くなってきました。インドではどうですか?(H)

私はデジタル撮影に興味はある。フィルムと巧く融合させている人もいる。
インドではデジタルはテレビCMによく使用されている。ポストプロダクション(撮影後の編集等作業)でデジタルを使うこともある。
ただ、フィルムの方が自然体で撮れる気がする。
フィルムはファインダーを通して見たまま撮るが、デジタルの場合はモニターを見がちだし。
最終的には、本人の好みかな。

質問:ブルーバック(またはグリーンバック)とかやりますか?(人物と背景の合成)(H)

CMのような映像は制作時間に限りがあるから、そういうものやデジタルは威力を発揮するかな。

質問:ミュージカルシーンは、コリオグラファー(ダンスマスター)が実権を握っているというのは本当ですか?(M)

確かにダンスマスターが主導権を握っているが、フィルムで撮影するのはコストが高いので、(その場のノリでずっとダラダラ撮るのではなく)1シーンを1~2テイクで撮るように、予めエディティング(編集)を念頭に入れて撮影に臨んでいる。
実際、シューティングする前に他の場所で撮影リハーサルをすることが多い。

★ ☆ ★

ディスカッション終了

ディスカッションはこれで終了。
その後【ディル・セ 心から】の上映があり、さらに銀座ライオンで懇親会がありました。

懇親会でのトークはさらに、つづく

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