【ィエンディラン】のサントラ話その2

にほんブログ村 映画ブログ アジア映画へ

Endhiran
昨日の日記のつづきで、A.R.ラフマーンが作曲した、今月末公開予定のラジニカーント主演映画【ィエンディラン】のサントラ話でーす。

みなさまにもぜひ、アインガランのサイトからでも、iTunes(Enthiran - SPI MUSIC PRIVATE LIMITED)とかからでも、ちゃんと購入して聴いていただきたい!ですが、【Endhiran】の公式サイトでRaaga.comによる試聴ページがあるので、こちらにも掲載いたします。
※もちろん下の試聴の音はmp3です!CDの音の方がぜーったいヨイので、ネットの音だけで満足しないでネ(笑)


ではでは、公開前で映画でどんな使われ方がするのか分からない状態で聴いた感想を。
きっと映画を観たら、感想がかなり変わると思うんで、今書きとめておくことに意義がある!

......かな?(笑)

Puthiya Manidha
Artist(s): SP. Balasubramaniam, AR. Rahman, Khatijia Rahman
Lyricist: Vairamuthu

サントラのオープニングは「新しい人間」という題名!
それはすなわち、Enthiran(※எந்திரம்(Enthiram〜マシーンを表すタミル語)に、-அன்(an)という男性形の語尾をつけているので、「ロボット」(※人間の形のロボット?)とか、「ロボット人間」と訳すのかなあ。)のことを指してるのかな〜と思います。
「新しい人間の歌」なので、未知の世界の歌というか、なんとも不気味な雰囲気があって、印象的。

まー、それはおいといても、大御所中の大御所、S.P.バーラスブラマニアムにこんな曲調の歌を歌わせるって、予想外というか大冒険でないか?のっけから。

この意外性が心地よかった。
近未来的な音でインド古典音楽とは無縁のように聴こえていても、途中早口で歌うところなんて、カルナーティク音楽を彷彿とする歯切れのよさで、あーやっぱりSPバラさんだなあ♪って感じ。
それからやっぱり、ラジニ映画のトップバッターがSPバラさんだと、安心するっていうか。

以前、SPバラさんは「ラフマーンのコンサートに出演しても、いつも歌うのは「Oruvan Oruvan」(【ムトゥ踊るマハラジャ】)や「Kadhal Roja」(【ロージャー】)ぐらいだからね。(他の曲も歌いたいよー!)」と言ってたことがある。
この「Pudhiya Manida」はスケール感あって、コンサート会場でも映えると思うなあ。いつかコンサートでレパートリーに入れて欲しい!

Kadal Anukkal
Artist(s): Vijay Prakash, Shreya Ghoshal
Lyricist: Vairamuthu


←この曲を使った予告編(シャンカル監督のyoutube公式チャンネルから。)

この映画で一番メロディアスな曲。どのスチール写真のシーンか、結構容易に想像がつきます。
雰囲気が大人っぽくっていいっす。若者映画用じゃないね、ゼッタイ。
ヴォーカルのエコーとか抑え目で、かっこいい♪

Irumbile Oru Idhaiyam
Artist(s): AR. Rahman, Kash 'n' Krissy
Lyricist: Karky, Kash 'n' Krissy (English)


←この曲を使った予告編(シャンカル監督の公式ブログから。)

英語では「Heart of Steel」という意味なんだそうです。
最初の方で一言、日本語が入ってきます。
昨年ラフマーンが来日したから、こんな言葉が挿入されたんでしょうか!?

【ムトゥ】【パダヤッパ】【BABA】といった、ラフマーンが手がけた以前のラジニ映画サントラでは、ラフマーン自身がヴォーカルを取った曲はなかったですよね。
実際、ラフマーンの歌声が従来のラジニのイメージに合うとか、あまり想像できませんが。

シャンカル監督映画でラフマーンはヴォーカルを結構取ってるので、その流れなんだか【Sivaji the boss】でも歌ったし、今回も歌ってます。
どっちもラジニ映画っぽくない曲というか、ラジニの新境地を開くタイプじゃないかな?

この曲は全体的には英語詞が多いのだけど、ラフマーンが歌ってるパートはタミル語!!!
女性と掛け合いで歌うような場面でも、女性が英語でラフマーンはタミル語。
サウンド的には典型的なユーロビート系。
でも、英語とタミル語のせめぎ合い、みたいなところがおもしろく、インドのフィルターを通したユーロビートだなあ、って感じ!

女性側はインド在住じゃない方かな?と調べてみたら、シンガポール発?の二人組だそうです。(母語はタミル語のようです)
現在、誇らしげに彼女たちの公式サイトにこの歌のことが書かれています。
Lady Kash and Krissy

10余年前の、【ムトゥ踊るマハラジャ】公開の頃の日本の取材に「私はタミルの土着の音楽を大事に作曲していきたい」という趣旨のことを何度か口にしていた。
軽く一聴しただけでは、テクノやファンクに一辺倒な気もしてしまうこの【ィエンディラン】。
でも、案外ラフマーンの「タミルらしさ」はいろいろなところにちりばめられてるかも。
他の映画でも、英語でなくタミル語でラップを歌ってくれと指示を出してたこともあるものね。



Chitti Dance Showcase
Artist(s): Pradeep Vijay, Pravin Mani, Yogi B


←この曲使った予告編(シャンカル監督のyoutube公式チャンネルから)

今回、このサントラで一番のけぞったのはこの曲!
やっぱりラフマーンは、タミルだー!ひゃっほう♪

南インド古典・カルナーティク音楽やバラタナーティヤム、クチプディ等のインド古典舞踊で使われるショルカット(口唱歌。掛け声みたいなもので歌に意味は全くありません)を大胆にアレンジしてロボット風に仕立て上げてます!

かつてのラフマーンのラジニ映画作品でいえば、【パダヤッパ】のMinsara Poovoeで出てきた「タキタ・タカディミ♪」といったショルカットがカルナーティク音楽本来の使われ方なので、あの曲と較べたら如何に今回のこの曲がぶっとんでるか、分かりやすいんじゃないでしょうか?

ラフマーン、タミル系の音楽と西洋音楽の融合とか、こういうのが本当に上手いよね。



Arima Arima
Artist(s): Hariharan, Sadhana Sargam, Benny Dayal, Naresh Iyer
Lyricist: Vairamuthu

これまた大御所で、いつもはメロディアスな曲で透明感のある美声を聞かせることが多いハリハラン様も、こんな曲を歌っちゃってー!
とっても仰々しいサウンドに負けずに、「ィエンディラン!ィエンディラン!」と連呼するところなんか、めっちゃかっこいい!
すごいわ♪

ちょっと【Mudhalvan】(1999年)の「Mudhalvanae...」を彷彿とさせます。
王様的ルックスで踊ったらとても似合いそうな曲。


Kilimanjaro
Artist(s): Javed Ali, Chinmayee
Lyricist: Pa. Vijay

この曲がたぶん映画製作の最初の方で出来て南米ロケしたやつだろうと思われます。
(アイシュが羽つけた人たちと踊ってたやつ...)
重低音系な曲が多いこのサントラの中では、軽快です。

Boom Boom Robo Da
Artist(s): Yogi B, Kirthi Sagathia, Swetha Mohan, Tanvi Shah
Lyricist: Karky

シャンカル監督の2003年の【Boys】で「Boom Boom」という曲がありましたけど、ちょっとその延長線上のような雰囲気があるような。
(「Boom Boom」でもロボット・ダンスっぽかったしね。)
それにしても、本当にこの曲もラジニ映画かい?って感じですなあ。
でも、聴いているとクセになる♪

●●●


...ということで、実にラジニ映画らしくない、ラジニの新境地は如何に!?とわくわくするサントラでした。
ラジニも還暦なお歳で、これはものすごいチャレンジじゃないでしょうか?

それから、ラフマーンも【スラムドッグ$ミリオネア】でアカデミー賞もとったし、外国のお仕事もたくさんこなしてるからか、どんどん西洋的なアプローチも洗練されてきているけれども、タミル映画に戻ったときは、やっぱりこれだ!みたいな核がこの【Endhiran】にはしっかり残ってると思います。
(ローカルな)核はあるけど、なんか物凄いスケール感もあって。
イマドキのDTSな映画館で観たら、さぞや堪能できそう。

ボリウッドや海外でも、今回ずいぶんプロモーションしてるようだから、もっとタミルらしさがないニュートラルな音楽になっていてもおかしくはないと思うんだけれども、やっぱりシャンカル監督もラフマーンも、自身のルーツやアイデンティティは譲らないんだな!と頼もしく思いました〜。

いやいやいや〜、本当にスクリーンで、映画館で観たいです!
9月末(それとも10月?)の公開が実に楽しみです。

(※このサイトでは、著作権に触れる可能性のある動画やお写真をできるだけ転載しないようにしております。
ここでは、シャンカル監督や公式サイト側が紹介していて転載可能なタグがついてたりするものだけ、貼ったりしてます。
上記以外のスチールやイベント時のラジニ写真などで興味深いものは、閉鎖的なSNSのmixi・ヴィジャイ&タミル映画コミュニティ上で、ご紹介しております〜。)