Netflixに2ヶ月入ってましたが、The Beatles Get Backを見るために11月末にディズニー+にも入ったので、ネトフリはひとまず次の月はキャンセルすることにしました。
はあ〜、この1ヶ月は1本見たかどうかだ。
サブスクは契約しても結局めんどくさくてなかなか見ないなあ。。。
しかし、あと2時間半で日付が変わって契約が切れる、というタイミングで、あと1本くらい見よう!という気合が入りました。
とっさに、選んだのがこの映画。
2時間24分。ギリギリ。
途中休憩してる間に時間がきちゃったら見られなくなっちゃうんだろうか?
まあ、一気に見ちゃうのが一番!
この映画、輸入盤DVDをシンガポールで随分前に買ってたけど、見てなかった。この際日本語字幕で見られる時にさっさと見るのだ。
タミル映画界の伝説的なセクシー・クイーンのシルク・スミター(Silk Smitha 1960.12.2〜1996.9.23)がモデルだというんだから!
私としては、カマルハーサン&シュリデヴィの【三日月】(1982)で出てきた彼女、
(すごい衣装。インドのトライブの伝統的な衣装のひとつだ、という説もあるみたいだけど、すごい。 ただし、この映画ではセクシーダンスシーンだけではなく、彼女の落ち着いたシーンもたくさんある。)
ラジニカーント&シュリデヴィの【Adutha Varisu】(1983)に出てきた彼女とか
(セクシー通り越して、怖いなあと初見時、おもった)
が印象に残ってる。
(なんで印象に残っている2作が両方とも、ヒロインがシュリデヴィのやつなんだろう???)
アイテムガールだとか呼ばれがちなお色気担当部隊の人たちが出てくるシーン、セクシー路線の曲は、正直、「女性を消費してる感」が半端ないので年々苦手になっている。
でもそれを演じてる女優たち本人自体は、生き抜いていくために本人の意思なのかそうじゃないのかは知らないが、とにかく頑張っているので同性として共感するところは共感する。
で、ダーティ・ピクチャーね。
でも、タミル映画界のことをなぜヒンディー映画でわざわざやるの?
(南インド映画界は北より成熟してなくて野蛮だ、とでも解釈しかねないような内容ではないかと、見たいけどなんとなく敬遠していたかな)
がんばって一気に見た! 契約期間中に見終わった!
ヴィディヤー・バランすごい。 女優魂だね、こりゃ。 後期のお腹ぶよんぶよんの演技など特にびっくり。
シルク本人よりもやらしい感じがするぞ。
映画出演のチャンスにあまりにも恵まれなくて、苦肉の策を繰り出してエロを自分で演出したところなんか。
本田美奈子.がちょっと顔が童顔だけど声は大人っぽい清純派アイドルとしてデビューして1年目、本人的に思ったほど売れなくて、年が変わって「個性が足りないのかなと思って腰を振りました」とおヘソ出し露出大幅アップ衣装で方向転換したシングル【1986年のマリリン】を思い出しちゃったよ。
(当時中学生の私はその前の【Temptation〜誘惑〜】の松本隆x筒美京平の世界が好きだったのに、突然美奈ちゃんが変な方に行っちゃったーと本気で当時ショックを受けたんだったけど)
ナシールッディン・シャーが狡猾なエロ親父スター役が上手すぎる。そして踊ってるの、私は初めて見たぞ!
シャー様がこんなに速いの踊るなんて予想外。これ見ただけでこの映画を観た甲斐あった。
(後でwikipedia見たら、映画で踊るの22年ぶり、らしい。そしてモデルがジェミニ・ガネーサンらしい。【伝説の女優サーヴィトリ】で出てくる、ドゥルカル・サルマーンが演じたジェミニ・ガネーサンとは随分解釈が違うというか、シャー様は徹底的に狡猾なところを押し出しているというか。)
ナレーションもしている監督役の人、【汚れたミルク】の人? とおもって見てたらそうだった。でもお名前忘れてた。
そうだった、イムラーン・ハシュミ。
【汚れたミルク】のような映画に出てたから、ガッツがあるんだろうな、可愛らしいお顔してるけど。
(彼が演じたエイブラハム役、モデルがバル・マヘンドラ監督だとwiki記載。うわあ、【三日月】の監督だ。
もしある程度真実なら、あの【三日月】での意味不明なセクシーダンス等々は、芸術映画を撮りたいと思いながら渋々入れた、でもシルクにも惹かれていた、ということになる!?)
などなど、各々の演技は堪能できました。
でもさ。でも。
本物のシルクが若くして自殺してしまったのは事実だけど、
でもどうしてセクシー系の人が消耗された後は、堕落への一直線なのさ。
あまりにわかりやすすぎだし、こういう路線を選んだ人はこうなって当たり前、みたいなステレオタイプ感が見え隠れして嫌だわ。
【伝説の女優サーヴィトリ】見た時も思ったけど、そんなに一世を風靡した女性に不幸になってもらいたいの?
とはいえ、女性が主役で、主役級の男性数人が脇役、な映画は2011年当時としては画期的だったと思います。
その後は女性が主役のインド映画、増えてますよね。
ヴィディヤーが切り開いたと言えるのかな?
この映画のおかげで、シルク本人のFilmfareでの過去のインタビュー(1984年12月)がWEBに載って読める、というのもありがたい。
↑ デビューから4年で既に200本出演していること、今はグラマーロールをやってるけど、本当はサーヴィトリたちのようなキャラクターロールをやりたくて努力してるの、監督はバル・マヘンドラを尊敬してる、などと語ってる。
シルクの死後23年、2019年の振り返り記事。【ダーティ・ピクチャー】が、スミターの正義を描けていないこと、スミターの代わりは誰にもできないこと、スミターは官能的だったが下品ではなかったこと、デビュー作(公開は遅くなったが)でヒロインになった時に監督から彼女を見つけたことなどが書かれている。
【ダーティ・ピクチャー】をタミル映画好きでシルクを観たことがある私が見てのもやもや感が、上の記事である程度言語化されてる気がする。
そして晩年は落ち目とはいっても、自分のサリーを巻き付けて首吊り自殺をしたという1996年(35歳)当時でさえ、シルクの出ている映画がwikiで確認できるだけで「17本」もある。
【ダーティ・ピクチャー】は「1にエンタテイメント、2にエンタテイメント、3にエンタテイメント」の通り、エンタテイメントな「フィクション」として、事実より面白おかしく下品に作られていることを肝に銘じておきたい。
もっと、どんどん、女性が真の主役なインド映画も、生まれていってほしいものです。
2021年12月13日Netflixで日本語字幕にて鑑賞
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