先週末、【チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ】のDVD発売のお知らせメールがamazonから来ましたよ。
2009年10月21日発売だそうです。
5月末のロードショー公開で、5ヶ月後にDVDが発売だとは、すごく早いですね。
結構、びっくり。
(まだ、東京・船堀では28日(金)まで上映中だけれども、その後の他の地域でのロードショー予定とかはどうなったんでしょ?)
定価3,980円のところ、amazonで買えば1,035円引きの2,945円だそうです。
3,000円切って、インド映画の日本製DVDが買えるとは、いい時代になったもんです。
(発売日以降もこの割引価格なのは分かりませんが。)
これぐらいなら、とりあえず買ってみてもいいかな、って気になるかも~!
(ラジニカーントのDVDも、それぐらいのお値段で売ってください!)
そういえば、まだこの映画の感想を一言も書いてなかったので、DVD発売決定を祝し、(今頃ですがちょっとだけ)書くことにいたします。
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ハリウッドのワーナー資本によるインド映画ってことで今回、インド現地のこの映画の封切時期からほんの数ヶ月後に日本でも公開となったこの映画。
インドでの封切りだった1月は、チェンナイの映画チャートをよく見てたので(だって、ヴィジャイの【Villu】が同時期に公開だったしぃ!)この【CCTC】がチェンナイのチャートTop 5に初登場したのもリアルタイムで見てました。
おお、タミルでもこの映画は注目されてんだ~、と思いました。
が、翌週にはトップ5圏外でした。
(【スラムドッグ$ミリオネア】も1~2週間ずれて公開でしたが、1週目だけ5位以内に顔を出してたかな。)
チャートをただ鵜呑みにしちゃあいけませんが、このことから想像しちゃうのは、「インド人にとってハリウッド資本だとか話題性が高く、期待は大きかったけど、公開されてみたら実際観た人たちの評判は上がらなかった」ってこと。
そういう意味では、日本公開は楽しみだけど、特にすごい作品でもないだろう、と思ってました(失礼!)。
そしたら、案の定というか、今回の日本での宣伝文句がなんかヘン。
「インドでは【スラムドッグ$ミリオネア】の3倍もの初登場興収成績を叩き出した、伝説のモンスター・ムービー」…
インドではマサラムービーじゃないとヒットしないといわれてますが、【スラムドッグ$ミリオネア】はそもそもマサラムービーじゃないですよ。
しかも、【スラムドッグ$ミリオネア】がインドで公開されたのはアカデミー賞受賞する前で、スラムを描いたことで、今年はじめの公開当初のインド国内での評判は、決してよくなかったのだ。
(オスカー受賞したら、取扱われ方ががらっと変わったみたいですが。)
そんなオスカー受賞前の時点の【スラムドッグ$ミリオネア】との興行収入と、マサラムービーの【チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ】を比較して、何の意味があるの?
そもそも「初登場」時の興収成績しか自慢するものがないのかい?、みたいな。
トリッキーすぎない?こういうの。
ちょっと、このコピーに萎えてしまったです。
でも、公開翌日に観に行きましたよ。
やっぱり、公開した週の最初の方で観に行かないと、最初の動員数でロードショーの打ち切り時期が早々と決まっちゃうかも、と思ったし。
(残念ながら、シネマスクエアとうきゅうでは2週間で上映終了。)
シネマスクエアとうきゅう、【ディル・セ 心から】を公開初日初回に観に来て以来です。
なつかしー。
その昔にはフランス映画【仕立て屋の恋】とか観に来たことがあります。
そんなにスクリーンは大きくないけど、座席がゆったりしていて落ち着いて観られる映画館。
この映画館の雑誌形式で発行される、映画プログラムも魅力的です。
(【ディル・セ 心から】のプログラムもここで発行。今でも買えるハズです。内容充実してます。おすすめ!)
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また話がそれてしまった~。
で、【チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ】の感想!
タミルやサウスインド映画好き、ヒンディー映画は南インドほどは関心なし、の私の感想としては、
主演アクシャイ・クマールの前年の大ヒット作【Singh Is Kinng】よりは、かなりおもしろかったです!
【Singh Is Kinng】、アクシャイ・クマール自体には好印象だったけど、【Singh Is Kinng】のようなばかばかしい若者コメディアクション映画に、40代にもなって出るのか~(&そんな企画をする方もする方だ)、って感想だったのですよ。
ストーリーに必要と思えない拳銃アクション多用の映画も、そもそも、わたしの心に届かないんでね。
それに比べれば、【チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ】は消化不良なところが多々あるけど、カンフー映画へのリスペクトだとか、インド映画制作の新しい試みに対する、俳優のみなさんの好奇心や心の捧げ方が伝わってくる映画らしい映画だという気がしました。
アクシャイ・クマールの、デリーの下町チャンドニー・チョーク時代のレストランで(やる気があるようなないような状態で)働いてるシーンがとてもよかった。
おいもの皮むきシーンだとか、心ここにあらずの状態でお客に強烈な給仕をするくだりとか。
デリーのちょっと混沌としてるけど生命力があふれてる感じが、伝わってきました。
冒頭で出てくる階段井戸、いつかデリーに行けたら探訪してみたいです!あれはステキだ!
ミトゥン・チャクラヴァルティーの親方役も味わいぶかかったし。
ディーピカー・パードゥコーンのアクションも、インドの女優さんもこんなにやれるんだ~、と感心したし。
中国の俳優さんがまたよかったですわね。
私は全く詳しくないけど、一緒に見てたダーリンが、カンフー映画の大スター、ゴードン・リュウが出てる!と大喜びでしたよ。
でも、映画の勢いとして何かが足りなかったかといえば、
例えば、冒頭でアクシャイが料理人をやっている時点で、ああきっと料理技とカンフーを融合させるんだな!って想像できちゃうのに、そこにたどりつくまで長ったらしいことこのうえなかったこと、とか。
あと、アクシャイ・クマールがこの映画では役作り上、ちょっとダサいお兄さんになってしまっているけど、ところどころのシーンで、トム・クルーズに似てる瞬間がある。
そう、かっこいいんですわね。
もう少し、このへんを本編でも宣伝でもクローズアップしてあげてたら、もっと日本の観客にもアピールできたかもしれないんじゃない?せっかくの世界配給だったんだから。
ゴードン・リュウの役名が中国人なのに「ホウジョウ」だとか、つじつまが合わないところはいっぱいあるけど、まーインド映画ですから、そんなつっこみどころは今更気にしません(笑)
ゴードン・リュウたちが出ていることで、カンフー映画としてのある程度の質だとかシマリも出てたと思うし、スクリーンでそのスケール感も堪能できました。
インド映画を見慣れない方にも、比較的観やすいんじゃないかしら。
今週金曜日までに、船堀に駆けつけられる方にはまず、この映画もスクリーンで観て欲しいです。
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旧MTブログ時代のコメント
花隈會舘 2009年8月27日 14:49
DVDの値段、リーズナブルでビックリです。
【Sing is Kinng】よりは面白かった、というのに同感です。でも前宣伝の割には「んーーー??」って感じでした。カンフーの修行にはげむアクシャイはかっこよかったですねー。それから、上海の映画村でのダンスシーンが私は気に入ってます。
むんむんから花隈會舘 への返信 2009年8月31日 12:48
▼花隈會舘さま
同感していただける方がいたなんて、よかった…。
傑作!おすすめ!という評価が多い中、こういうことを書くのはちょっとばかり勇気が必要で(笑)
上海在住の花隈會舘さまから見て、インド映画界による上海や中国の描写はいかがでしたか?
上海の映画村も、いつか行ってみたいです~。
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