【Lingaa】、インド公開から10日目に日本で上映会!

12月12日のラジニカーントの誕生日、インドや多くの国でラジニの最新作【Lingaa】(リンガー)が公開されました。

今までの日本では、自分の記憶では2005年4月にインド公開されて、5ヶ月ちょっと後の10月、東京国際映画祭で【チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター】が上映されたのが、日本のラジニ史上、最速の上映だったんじゃないかと思います(※)

が、英語字幕とはいえ、映画館と同じフォーマットのDCP上映で、【Lingaa】が日本で12月21日に2回、上映されました。
在日マラヤラム人の方々が中心となって運営されているインド映画の会にて。
(この上映会の実現に尽力された関係者のみなさま、本当にありがとうございました!)

なんとインド上映から10日目!
何ヶ月とかじゃなく、1週間ちょっと! この現地の盛り上がりとのリアルタイム感!
ついに日本もここまできたか。。。と目頭が熱くなりましたよー!

今回私たち一家も日中の1回目の上映に観に行きました。
なんか、子連れで時間ギリギリで会場に到着したら、あまりに場内が超満員でごったがえしてて、ぽかーんとしちゃって、チケットやランチの引き取り等することで頭いっぱいで、カメラを構えたりする気分になんとなくならず。

日本でインド映画を見に来るインド人、こんなにいたんだねえ、とか。すごくお久しぶりに見かけた昔からのラジニファンの面々も何人もお見かけしたりしたのだけど、人がいすぎてみなさんと挨拶しきれませんでした☆
(ご挨拶できなかったみなさま、失礼いたしました。子連れで超ギリギリに来て、終わったらすぐ帰っちゃったし。。。)

↑ちなみに、私はチッティ服(from 【ロボット】)を着て参加しておりましたw
やっほーさん撮影)


さて、リンガー。
場内超満員だったせいか、冒頭「SUPER STAR RAJINI」とロゴが出てくるだけで耳をつんざくような大歓声。

やっぱり、(昨今のマサラ上映のように誰かにレクチャーをいちいちしてもらって)みんなで踊るとかそういうことじゃなく、単純にスクリーンに現れた大好きなスターに熱狂の声が自然にあがる、っていうのはいいですなあ。

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とはいえ、前半、なんと私2曲目のダンスシーンの後あたりから、結構ウトウトしてしまいました!
はっと気がついたら、一人二役のラジニが、既に二役目として登場し列車の上でフリーダムファイターと闘ってるところ。ぐはあああ!!!

ラジニ映画で初めて観たときに寝てしまうなんて何事???
でも、なんか意識が飛ぶようなテンポなんだよなあ、一役目の現代もののラジニもなんだかいつもよりオーラを放ってないというか。
うーん、やっぱりラジニがまだ病み上がりから完全復活してないってことなのか?
それともK.S.ラヴィクマール監督の手腕が鈍ったのか。
取り巻きの若手・サンターナムともあんまり面白くないというか、観ていて二人のかけあいが、例えば往年のセンディル×ラジニのようなリズミカルな楽しさが感じられない。

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前半が眠かった、でも後半は二役目中心の展開で面白くなるかも?とインターミッション中に心に言い聞かせてました。

が、後半は想像を遥かに越える、面白さでした!
前半は、ほとんど自分的に萌えのポイントがなかったのだけど、後半は5分に一回は萌えてたと思う☆
ありえねー!なアクションシーンもこれでもかこれでもかというてんこ盛り。
かっこいいラジニを観たいだろ、ほら見せてやるぞー!な二役目のラジニ様のコスプレやスタイル攻撃。
そしてラジニのカタルシスな瞬間が訪れ、萌えは最高潮。
あああああああああー!ラジニー!!!!!

その後も見せ所が続く続く。
後半は往年の(みんなが待ってた)ラジニ映画が、パワーアップしまくってます。
(前半も、後半のような突っ走り感な見せ所があれば、よかったんだけど☆)

ラジニもいいし、ソナクシもほどよいウエストのたぷたぷさでラジニと相性よかったし、往年のラジニ映画を支えた名脇役陣がじゃんじゃん援護射撃のごとく登場。

ヴィジャイヤクマールのような、立ってたたずんでるだけで何かエモーションを感じちゃう名優さんががっちり脇を固めてると安心。
(ヴィジャイヤクマールたちに責められて、ラジニが村を追われる展開とか、もうラジニ映画としてカタルシスの嵐。たまらなーい♪♪♪)

あと、K.ヴィシュワナート監督(【シャンカラーバラナム】など)がヒロインのおじいさま役!!! リンガーの監督K.S.ラヴィクマールも、どこで登場するかと待ってたら、うわーそう来ましたか!って感じ。盛り上がりました。A.R.ラフマーンも一番グッとくる場面の曲でボーカルとっててイイ☆

今年のヴィジャイの【Kaththi】もラジニの【Lingaa】も、タミルの深刻な水不足問題からスタートする物語。カッティは地下水探索と水道管、リンガーはダム建設。元のテーマがほぼ同じなのに、これだけ話の膨らませ方が違うのっておもしろいね。映画ってほんとに楽しい☆

プットゥが伏線になってるところもすごくよかった!!! プットゥは【ムトゥ踊るマハラジャ】でも、隣の州に迷い込んでミーナが食べた朝食として象徴的だったティファン。ソーナクシも見事な村娘っぷりでステキだったなあ。

【Lingaa】でソナクシやアヌシュカーが「止まって!止まって!」って言ってたシーンが印象的でしたがタミル語では「にるっとぅんげー!」。【ムトゥ踊るマハラジャ】でミーナがラジニの馬車を止めるシーンでは「にるっとぅ!にるっとぅ!」って言ってたなあとか思いながら見てました☆

引用というほどではないかもしれないけれど、【ムトゥ】や【パダヤッパ】といった、ラジニ×K.S.ラヴィクマール監督のタッグ作をつい思い出しちゃうノスタルジーな仕掛けもたくさんあったように感じました。
もちろん、【バーシャ!】など、KSR監督作じゃなくても1990年代あたりのノリに乗ってるラジニ映画を観てきた人はみんなニヤっとしたくなる瞬間もたくさん。。。

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ラジニファンのためのラジニ映画、って言っちゃったらそれまで。
でもいいじゃない、こんなのが許されちゃう、しかも実は観客が待っていたのはこんなラジニの映画。。。

個人的には、私は前作の【ロボット】でのラジニのチッティバージョン2が、悪役としてノリノリで演じてるラジニの感じがすごく気に入ってて、野心的な【ロボット】はお気に入り中のお気に入りであるけど、この【Lingaa】の方が、野心的さは控えめでも、みんなが待ってたラジニ度MAX!!!ではないか、と。

【ロボット】の後の長期入院後、ついにラジニはみんなの待ってたラジニとして復活した、という感じだね。
それから、ちゃっちゃっと短期間で映画を撮り終えるけどみんなが待ってるラジニ、をきちっと心得てたK.S.ラヴィクマール監督、さすが【ムトゥ踊るマハラジャ】を作ったお方だ!(前半がどうしてもちょっと残念だったけど、終わりよければすべてよしっ!)

ラジニ、お帰りなさい。

【ロボット】(Enthiran the Robot)が、インドでの2010年10月公開から5ヶ月弱後の翌年2月25日にゆうばり国際ファンタスティック映画祭にてジャパンプレミア上映されたけど、夜中のDVD上映だったと聞くので、これってどう解釈したらいいかしらねえ。

余談:リンガーまでの、K.S.ラヴィクマール監督とラジニの道のり

【Lingaa】は、【ムトゥ踊るマハラジャ】【パダヤッパ】で日本でもある程度お馴染みのK.S.ラヴィクマール監督作。
そこに同じく【ムトゥ】【パダヤッパ】その他何本もラジニとタッグを組んでヒットを飛ばしたA.R.ラフマーンが音楽担当。
もうそれだけでかなり期待できそうな響きなんだけれども、KSRとラジニはこの10年ほど紆余曲折がありましたよね。

【ジャッグバーイ】という映画を2004年ごろラジニとKSRで(カッコいい意味深なスチールも撮影して)制作を発表しておきながら、何故かラジ二はその計画をおじゃんにして、【チャンドラムキ】をP.ヴァース監督と撮影。

【ロボット】の後2011年、KSRと【Rana】を撮影することを発表し、おおお、ついに因縁のタッグが復活か!?と思いきや、4月の撮影開始日のプージャー(祈祷式)の後、ラジニは体調不良を訴え、一時はICU入りし、その後病院を変えながら長期入院/療養。
ディーピカちゃんと共演予定だったけどプロジェクトは一部【Kochadaiyaan】に吸収される形(?)でお蔵入りに。

療養中のラジニにアクション等無理は当面させられない、私は彼が本当に元気になるまでずっとあせらずに待つよ、とKSRはコメント。
だから今回の【Lingaa】、【Rana】初日に倒れたあの頃から3年、「3度目の正直」、と出るか、「2度あることは3度ある」パターンに崩れるか、実は結構ハラハラ。
いくら監督がラジニを待っていたといっても、ほら、永すぎた春、とかいう表現もあったりしますし。

そして、11月頃から出回り出した【Lingaa】のスチールが、グラサンかけた(私から見ると)ヘンな若作りのものばかりに感じられて、イマイチ萌えなくって。。。
自分は、素ラジニ様が好きです、病気もしたんだから「若く見える」なんてやつはしなくていいよ、ラジニに無理させないで、今のラジニのかっこよさを存分に見せてくれる映画を作ってほしいよー、と思ってました。。。

でも、完成した【Lingaa】は、吉と出ましたね☆

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