インド映画じゃないけどオールインドロケで、A.R.ラフマーンが作曲していて、アニル・カプールやイルファン・カーンも出ている、ダニー・ボイル監督のアカデミー賞受賞作【スラムドッグ$ミリオネア】(Slumdog Millionaire 2008年 イギリス映画)を昨日、見てきました。
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この映画が昨年末から報じられだした頃、実はそんなに大きな興味はなかったんです。
【トレイン・スポッティング】の監督さんが作った映画ならたぶんおもしろそうだなー、ラフマーンも作曲してることだし観ようかな、っていう程度。
これはインド映画じゃないのに何かと「ボリウッド日本上陸!」的な紹介のされかたをするので、なんかそういうのって好きじゃないな~と思ってたりもして。
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でも、観て、想像していたより遥かにおもしろかった!
っていうか、ほんとにいい意味で外国人が撮ったインドの映画でした。
インド人スタッフがセットで撮ることを希望していたところ、ダニー・ボイル監督が「ロケ撮影」を強行したという、スラム街のシーンは実によかった。
何しろ映っている 「 ゴ ミ の 量 」 が半端じゃない!
インド映画でも、スラム街の描写が多いけど、【スラムドッグ$ミリオネア】を観て、今まで観なれていたインド映画のスラム街は「セット」だったんだな、とよーく分かりました(笑)
舞台になっていた、ムンバイのジュフ・ビーチ、私も1日だけ行ったことがあるんです。
飛行場と隣接したスラム、崖に密集するスラムが着陸前に飛行機の窓から見えたときは、本当に驚いたし、ショックを受けました。
そして散歩すると、ビーチ沿いの高級ホテルの真横にスラムがあったり。
(ラジニの【バーシャ!】で、ラグヴァラン扮するマーク・アントニーがムンバイでホテル建設のために暴力で住民を追い出すシーンがあったけど、まさにジュフ・ビーチでもそんなことが行われていたのかな、と想像しました。)
あのとき、私が外国人として受けた衝撃が、【スラムドッグ$ミリオネア】の画面にも表れてました。
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「外国人」が撮ったことで浮かびあがる「リアル」なインド、エネルギッシュなインドがよく描かれていて、映画全体が疾走感にあふれてて、へんに説教じみているわけでもなく、とにかくおもしろく観られました。
ラフマーンの音楽も、(やっぱりタミル映画のときのほうが好きだけど。)とっても映画に合っててよかったです。

ラフマーンと私 20090407
写真は、こないだの記者会見後に撮らせていただいたラフマーン。
演歌の話をちょっとしたんですが、かなり興味をお持ちのようでした。
(インド人演歌歌手・チャダさんがアシストしてましたしね~)
いつか、「日本風」なラフマーンの音楽も聴けるかな?とひそかな楽しみです。
(mixi日記を転載)
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