福岡と映画祭堪能しました!【ヴァナジャ】【ダンシング・ベル】【DON】【天空の路】

Indian Movies / インド映画の話
ウズベキスタン映画【天空の路】の監督・撮影監督のサイン

わなっかん!
9/14~16まで福岡に行き、15,16日で、アジアフォーカス福岡国際映画祭で映画三昧、合間にグルメ三昧してきました。

ウズベキスタン映画【天空の路】の監督・撮影監督のサイン

映画は、4本観てきました。

天空の路 (ウズベキスタン)
ヴァナジャ (インド/アメリカ ※テルグ語)
ダンシング・ベル (マレーシア ※タミル語)
ドン (インド ※ヒンディー語)
どれもおもしろかったです。
東京でもいつか上映されるといいんですが。
(総括的感想は追記で書きます。)

食事はほとんどが行きあたりばったりでしたが、今回は全部当たりでした。
▼14日昼・ネパール料理(タマン族) エベレストキッチン
  ↓ 泊まったホテルの近くにあったお店。
     自分たちが東京でよく食べているサンサールは、ネパール料理だけどネワール族の料理。
     山岳地帯に近いタマン族のお料理は、カトマンドゥ付近のネワール族と少しスタイルが違っていて、とても興味深かったし、お店のご主人・ラマさんの志がとても感じられ、とてもおいしかったです。
    また、ラジニファンの奥様にも、ご親切にしていただきました。

エベレストキッチン外観サラダとアチャールゲンとカリーラマさん夫妻と1ラマさん夫妻と2

    そのお店で、「博多らしい食べ物はどこがいい?」と聞いてここが元祖らしい、と聞いたお店に夜行ってみる。
▼14日夜・水炊き 新三浦屋
  ↓ 予約なしでふらっと行ってみたら、実は格式の高そうなお店だった。
    予約なしだからか、最初けげんそうな顔をされたけど、
    今日東京から来て昼にここのお店の話を聞いてやってきたという話をしたら、たいそう喜んでくれました。
    2005年3月20日の玄界灘地震でお店が倒壊し、1年休業していたというお話や、水炊きの起源やさばの話を聞く。もちろん、初体験の水炊きは味も雰囲気も最高。

新三浦SANY0850前菜鳥のたたき水炊き新三浦近くの夜景

▼15日朝・長浜ラーメン 元祖長浜屋
  ↓ 24時間営業で「ラーメン」しかメニューにないという超有名店。しかも400円という潔いお値段。
     朝からラーメンを食べることはめったにないけど、すごくおいしかった!
     今まで博多に来ても中洲の屋台等でしかラーメンを食べたことがなく、満足度があまり高くなかったけど、今回は感動した。

Nagahamaya長浜ラーメン

▼15日昼・スリランカカレー ヌワラエリヤ
  ↓ 天神のツナパハの姉妹店。カフェでスリランカカレーを出すスタイル。
     次の映画までの空き時間を、ここでプログラムを読みながらゆったりと過ごす。
     デビルド・チキンはかなり辛かった。手加減してないですね、こういうの好きです。

SANY0865スープとサラダデビルド・チキンスリランカ・ヌードルデザートと紅茶

▼15日夜・さば三昧 (刺身、ごまさば、バッテラ)
  ↓ 宿の近くにあったカウンターの居酒屋さん。
     14日夜の水炊き屋さんで、ナマのさばはもちろん、「ごまさば」というものが博多の居酒屋ならほぼどこにでもある身近な食べ物だということを聞いたので、それは食べたい!と意気込み。
     東京ではしめさばは食べられるけど、ナマのさばってお目にかかったことがないんですよ。
     さばの話、ラーメンの話で居酒屋のマスター夫妻と盛り上がる。

仙八

▼16日朝・ホテルのモーニング
  ↓ トースト、サラダ、目玉焼き、コーヒーのセットで350円。安くてGood♪
▼16日昼・ネパール料理(タマン族) ポカラ・キッチン
  ↓ 14日昼に伺ったお店の2号店にチャレンジ。

ポカラキッチンウイークエンドランチアチャールポークSANY0883チャイ

▼16日夜・さばの塩焼き 天神地下街奥のショッパーズダイエー内の定食屋さん
     帰りのフライトまでの空き時間で何気なく入った安い定食屋。
     しかし、店構えは少々しみったれているけど出てきた焼き魚は最高でした。
     こんなうまい塩さば、東京じゃ食べたことがないです。
     サイドディッシュも100円メニューが大半で、心意気に感動。
     
さて、カレーの話、インド映画一本ずつの話は(書けたら後日)別エントリーでそれぞれ書くとして、観た映画の総括的な感想を以下書くことにします。

今年のアジアフォーカス福岡国際映画祭の特集、なかでも「特集1」のテーマは「泣くな、踊れ、アジアの女性たちよ!」。

映画祭プログラムでも映画紹介ページの筆頭はこの「特集1」。【ヴァナジャ】が1番最初、【ダンシング・ベル】がその次の2番目で紹介され、多くのページを割いていました。
(※【DON】や【天空の路】は特集1に該当してないようですが、それぞれミュージカルシーンはありました)

娯楽の「ダンス」というのではなく、生活の苦労などを乗り越えてもっと自分の人生を輝かせるために「踊る」女性の映画をテーマに、というだけあって、【ヴァナジャ】【ダンシング・ベル】は映画祭にぴったりの、見応えがある作品でした。

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ヴァナジャ】は、監督がニューヨークの大学での卒業作品として制作した、全く商業的なものを目指していないインディペンデント映画でした。
商業的なものを志していないだけに、とにかく監督が描きたいことが色目遣いなしにストレートに力強く描かれていて、途中若干もたもたしたシーンがあったりしたにせよ、とにかくこの一本だけを観るために福岡に来たってよかった、と思うくらい。
残念ながら監督が来日予定だったのが急遽キャンセルになったようです。
この方のティーチイン、すごく聞きたかったです。

それから、この映画の主人公・ヴァナジャを演じた15歳の女の子。
女優でもなんでもない、田舎町の女子学生で古典舞踊も全く習ったことのない方だそうですが、この映画の撮影前の1年の準備期間でクチプディを練習したといいます。
映画の中での彼女のクチプディが、ほんとに1年しか習っていないの!?というぐらい、素晴らしいのです。
映画の中の踊りって、ミュージカルシーンとしてトータルで感動することはたびたびあっても、個人の踊りそのものにまで感動できるものはそんなに多くはないですが、このヴァナジャでのクチプディは本当にすごかった。(映画用に振付されたいわゆるフィルミー・ダンスではないです)
私のような、古典舞踊にはまるで通じていない、古典舞踊を観ると寝てしまうことが多い(苦笑)人間でもすごいと思ったのですから。。。

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そして、【ダンシング・ベル】と【DON】。
奇しくも、映画の舞台はどちらもマレーシアのクアラ・ルンプール(KL)。
片や、KLのインド人街に慎ましくくらす一家の地味な日常を描く物語、片や世界をまたにかけるインド人マフィアの物語で娯楽大作。
どちらもとてもおもしろかったし、この2本を立て続けに見たことで、同じKLを舞台にしていても視点が違うとこんなに映画って違うものなのね、ととても興味深かったです。

映画を評価するのはおこがましいけど、どちらの方がより好きかといえば、【ダンシング・ベル】の方かな。

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ダンシング・ベル】は、画面がいわゆるスクリーン用の比率ではなく、たぶん家庭用ビデオカメラとかその延長のもので撮影された、低予算も低予算の映画なのだけど、何気ない日常を切り取る様がなんともいえない味がありました。

マサラムービーは、アメリカなどのお金持ちなNRI(インドに住所を持たないインド人)を描くものが多いけれど、マレーシアのインド人だって、NRI。
でも、マレーシアのインド人の多くは、イギリスの植民地だった時代に、ゴム農園のプランテーション等の強制労働者として連れてこられた人たち。(特にタミル人が多い)

その後インドは独立したけれど、様々な事情でインドに帰らず(帰れず)マレーシアに残ることに決めたタミル人の多くは、決して裕福ではないそうです。

【DON】でマレーシアの象徴のように描かれていた、きらびやかなペトロナス・ツインタワー(20世紀の建築物では世界一だった高層ビル)が、【ダンシング・ベル】の画面でも遠くにたびたび登場するのですが、そのツインタワーのぼんやり映る雰囲気が、高度経済成長の真っ只中にあるKLに住んでいながら、その波に乗り切れることなくツインタワーなんか近くにあったって無縁な、都会の片隅で生活しているというのを無言ながら強く画面が語っていました。

わかりやすい台詞やあからさまなコメディシーンで笑わせるようなシーンは一切ない。でもシチュエーションで笑わせる何気ないシーンもいくつもちりばめられている。

それから、なんといっても、ラストが好き。
貧乏だし、人生が大逆転して大金持ちになるとか何か成功したとかそういうのではないのだけど、
その日を生きることに精一杯で未来を夢見る余裕も気力もない、学校もドロップアウトしてしまったニートな兄が、夢を考えてみよう、バラタナティヤムを習いたいと願う妹の夢を応援してあげよう、という小さな心の変化が起きる。
ささやかながら、「希望」が感じられるのです。
これは監督の力量ですね。
観た後の余韻が残る、地味ながらとてもハートのある映画でした。

【ヴァナジャ】と【ダンシング・ベル】は、映画祭のディレクターがぜひアジアフォーカスに持ってきたいと思ったんだろうな、と想像します。

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DON】は、アミターブ・バッチャンがかつて演じた映画のリメイクだそうです。
でも原作とは違うラストになっているそうです。
原作はまだ未見ですが、このリメイク作品は伏線の張り方がばっちりだし、どんでんがえしのどんでんがえし、な連続で、映画を観てスカッとしたい、という向きの方にはとてもおススメできる映画です。

(逆に私は、ハリウッド映画でもそういう映画はあまり好んで観ないタイプなので、おもしろかったけど後に余韻は残らなかったのですが。)

シャールク・カーンが2役を演じてます。ヴィジャイ役の部分はシャールクのいいところ(コミカルな演技など)がとてもよく出ていて、キラキラしてました。
2曲目のヴィジャイ登場のお祭りで歌い踊るシーンは、近年のヒンディー映画の中ではかなり気に入りました。
もう一人のDON役については、根っからの悪人な設定で、シャールクはずいぶん楽しんで演技してるように見受けられます。
でも、彼ってルックスがさわやかですからねえ、悪人のすごみが若干弱い感じはしました。
(たぶん原作のアミターブ・バッチャンの方が似合ってるんじゃないか、と。)

1曲目のカリーナ・カプールがDONを誘惑する曲は、あまりにもこっぱずかしくてちょっと萎えました。
セクシーなダンスってエロくても深みのある場合もあるけど、カリーナのこれは知性が感じられないというか。

【ヴァナジャ】【ダンシング・ベル】とは方向性は大きく違うのだけど、監督やシャールク・カーンたちの観客を徹底的に楽しませようとする意気込みだとかはとても感じられる、これぞインドの娯楽映画!という映画でした。

ラジニの【Sivaji】を監督したシャンカルが、次回作はシャールクと組むらしいですが、楽しみです。

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以上、インド系映画について感想をざっと書いてみました。
これからアジアフォーカス福岡国際映画祭を観に行く方、楽しんできてください。

とても充実した映画鑑賞の旅行になりました。
福岡のみなさま、お世話になりました!
それでは、わなっかん。

(追記)
9/19、映画紹介ページに【ダンシング・ベル】をアップしました。

(追記)
2017.3 ヴァナジャが【ワナジャ】として監督ご本人が日本語字幕つきでyoutubeにアップしていました

旧MTブログ時代のコメント

福岡人 2007年9月20日 15:26

福岡堪能していただけたみたいで良かったです~♪
こちらは魚はどこでもオススメですよ~。また是非来て下さいね。

さて、私はクレアモントに泊まりました!
立地条件最高!駅から見えるしムスタファセンター目の前!

シンガポールは今ホテル価格が高騰していて最安値で6000円超えたのはきつかったですが、部屋は古いけど広いし、まあ清潔だし、シャワー・エアコン・冷蔵庫もちゃんとしてて良かったです。まあ、リクエストしても三回は言わなきゃいけないのはねえ・・・(^_^;)インド街ど真ん中でカレーを堪能し、CDも買ってとっても満足しました~!情報有難うございました。

ところで、トピ違いですがアジア映画劇場は、是非見て欲しかったですね~。10年位前ですが、毎週違う国の映画で面白かったですよ。あのあとすぐ福岡アジア映画祭がはじまったと思いますが、映画祭も規模が随分大きくなりましたねえ。

そうです、モンスーンウエディングです(名前間違えまくってますね(^_^;))。私もその国の日常生活がわかるしみじみした映画が好きなので、こういう映画もっと見たいですね。

むんむん 2007年9月21日 23:17

福岡人さん、お帰りなさい!
そちらも楽しまれたんですね。情報が多少はお役にたてたようで、何よりです。

ムスタファセンターの横のニューパークホテルが、最近ホテル名が変わって倍ぐらいの値段になってましたね。
クレアモントホテルも安いほうとはいえ、円安続きで値ごろ感は減っているかもしれませんね。

10年前、実は私、7年ぐらいテレビを置いてない生活していて何も番組見てなかったです。
インド映画もたまにPCでDVDを見ていましたが、すぐフリーズしちゃって大変でしたー。

いつか福岡でお会いできたときには、魚について教えてください。
いやあ、東京にもおいしいものはたくさんあるけど、福岡もまた次元の違うおいしいものがたくさんで、アジアも好きだけど国内旅行も大好き、と改めて思いました!

福岡人 2007年9月25日 19:39

多少どころか、とても助かりましたよ~!
ここの情報がなければクレアモントに泊まれなかったと思います。
宿泊代が高かったのは仕方がないですしねえ。去年泊まった別のホテルも確か2000円は上がっていましたし、住宅事情も凄いことになっていると聞きました。

私もあまりテレビを見ないのですが、何故かないのはイヤなんですよ(笑)
マイナーな番組ばっかり見ています(笑)

逆に私は東京好きですよ。友人も住んでいるし毎年1回は行ってるかも。
東京は本当に何でも世界中の美味しいものが食べられるからいいですよね。料理も洗練されているし・・・。福岡は焼魚とか、刺身とかシンプルな感じですけど。

ところで、昨日のケララバワンってあのサッシーさんのお店じゃないですか?一度行ってみたいんですよ~!レポ楽しみにしてます♪

guccie@福岡市 2007年9月27日 11:16

いろんな形で福岡を楽しんでいただけたようで何よりです。
おしゃべりできた時間はわずかでしたが、映画にかける気合いを感じました。(^_^)

またの機会を楽しみにしています。それからケララ・バヴァンの情報もチェックしておきます。

むんむん 2007年9月30日 23:56

▼福岡人さま

クレアモントホテルも好きなんですが、同じ並びにある(ムスタファから5分ぐらい歩くけど)ブロードウェイホテルももっと安くて好きです。(今年のGWはブロードウェイに泊まりました。2度目です。)ご参考までに。

東京をおほめいただき、ありがとうございます。
東京に住んでるからといって洗練されたものを食べてるわけではありませんが、大好きなお店もたくさんあります。

ケララバワン、都心からは少しばかり離れていますが、はるばる行く価値は大・大・大ですよ。過去の日記でも何度もサッシーさんのお店に行った話を書いてるので、よかったら見てみてください。
いつか、機会があればアテンドもしますよー。

また福岡ならではなお話とか、教えてくださいね!

むんむん 2007年10月 1日 00:02

▼guccieさま

こちらこそ、ちらっとでもご挨拶できて、光栄でした。
神戸でのインドのお祭りの話、とても興味深く拝聴しました。
私もいつか行ってみたいです。

いやー、映画にかける気合は、あるほうかもしれません(笑)
でも、アジアマンスの福岡、気に入ってるので、映画のために大金をかけた、とかいうような感覚はなくって、いつも楽しく旅行させていただいてます。
それから、家で観るのが苦手なんで、とにかく他の観客のみなさんと映画館で一緒に鑑賞して雰囲気とか共有するのが好きなんですよ。

それでは、これからもよろしくお願いいたします。

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