命がけ!インド映画のスタントマン|世界まる見え!テレビ特捜部 2009年

インド関連TV番組
「私は60mもある滝の上から吊るされて、芝居をしながら落ちろと言われました。あんな怖い撮影は生まれて初めてでしたよ」

概要

2009/02/09放送
世界まる見え!テレビ特捜部
落ちろ!蹴られろ!殴られろ!俺たちスタントマン

ナショナルジオグラフィックの放送を日本で編集して紹介

出てくるインド映画有名人:
アミターブ・バッチャン、ヴィヴェーク・オベロイ、プラシャーント

ボリウッド

【JAAL】(1986年)上映館の様子を映しながら(←ずいぶん古い映画だが、リバイバル上映ということだろうか!?)、インド映画の観客動員数などを紹介。
インドのお客様として、江戸川インド人会会長ジャグモーハン・チャンドラニ氏が登場。

派手なアクションシーンが人気のインドの「ボリウッド映画」。
実は、かなりの低予算で作られており、監督達は、俳優にもとんでもない事を要求する。

このシーンも実際に飛び降りていることを説明

売れっ子スタントマン ⇒ インドの公務員給与の10倍

アミターブ・バッチャン様が登場、証言!

「私は60mもある滝の上から吊るされて、芝居をしながら落ちろと言われました。あんな怖い撮影は生まれて初めてでしたよ」

日本では【クリッシュ】などでお馴染みのヴィヴェーク・オベロイからも、驚愕の証言!

「俺は列車が迫ってきている線路からギリギリで脱出するシーンを要求されました。」

「後から聞いたところ、運転手は撮影のことを全く知らされてなかった。あやうく死ぬところだった」

しかし、俳優も大物スターになると、過激なスタントをやらせることは難しくなるため、インド映画に欠かせないのが、スタントマンなのだ。

ムンバイの早朝の海岸でのトレーニング風景

トレーナー モーゼス・フェルナンデス

マスターのお言葉

観覧車のアクショントレーニング

観覧車ぶらさがりトレーニング!?

コリウッド

スダルシャン劇場 上半身裸・ドーティ姿のカットアウト

そんな映画大国のインドには、更に低予算で映画を作る町があった。
それが南部の町< コダム・バカム >。通称< コリウッド >。
今、撮っているのが「炎の海に落ちるスタントシーン」。
実に、安上がりなセットのため、スタントマンのロープを動かすのは人間。
と、まさかの事態が!
なんと、ガスが漏れ出し、照明機材に引火してしまった!!
スタッフは慌てて、吊り下げた俳優たちを助け出そうとし、現場は騒然。
事故にはならなかったものの、こうした危険な事態は珍しくない。
今や世界一の映画大国となったインドだが、
その影には、スタントマンたちによる命がけの撮影が行われていたのである。

火事が起きている撮影現場

↑この、まさかの撮影に、【ジーンズ 世界は二人のために】で日本でもおなじみのプラシャーントが主演で参加中! プラしゃんを助けてえー!

しかし、当の本人のコメント

「こんなのはいつものことさ。そのうち消えるでしょ」

ナレーション「そう言いながら、アクション俳優のプラシャーントは、ファンサービスに精を出す」

江戸川インド人会会長によるインド映画の特徴

「悪役が後ろにいると、きをつけろ!と叫んだり」

「神様がテーマのときは、賽銭が飛ぶんです」

感想など

ボリウッドのスタントの話、ということだったのですが、のっけからアミターブ・バッチャンの恐怖の証言。実際のロープがついてる撮影シーンと映画でのシーンも紹介していて、細かい。こりゃあ怖そうだ。

ヴィヴェーク・オベロイは、吹替の日本語訳が本当なら、そんなバカな~というレベルで怖すぎる。列車の迫ってくるときの表情のアップは、そのときの表情なのかしら。それとも別撮り?

スタントマンに補償が満足にかけられていなくて、ケガをしてリハビリ中の方のコメントなども取り上げられているんだけど、これはバラエティ番組で笑いごとにしている場合ではないんだが…と背筋の凍るような話。

そして、さらに低予算のスタント現場として、タミル映画に話の対象が移って来て、こんな紹介をされていていーのか!タミル映画界、それでいーのか!?

極めつけは、極めつけは…

プラシャーント!白パンの貴公子(ジーンズの日本公開時の日本のファンの間ではそう呼ばれていた)が、そんな取り上げられ方でいいのか!
(ジーンズなどで、あんなにキラキラしていたのに、ここでの取り上げられ方が、B級もB級で涙ものだよ。おおおおおーん!)

…と、いろいろ憤慨しながら放送当時は見ていたのだけど(今だって心地よくはありません。他国を見下すような作りはそもそも気持ち悪い)、これを書いてる2020年6月、日本ではアップリンクの社長のパワーハラスメント訴訟のニュースが流れています。今となっては、この番組のナレーション「かなりの低予算で作られており、監督達は、俳優にもとんでもない事を要求する。」だなんて、パワハラまっしぐらですよねえ。インド映画のアクションに限らず、日本の映画界も荒れているようだし、インド映画界も他の世界も、結構そういうことがあるのではと実感するので、世界規模でいろいろ考える時期に来ているのかも。

この番組で取材された当時のアミタブ様もヴィヴェークもプラシャーントも、彼らなりに海外の番組に向けて必死の告発をしていたのかも、ナショナルジオグラフィックチャンネルでの放送時は、もっと真面目な取り上げられ方だったのかな。ただ日本の番組では面白おかしく編集されちゃっただけ、という気もしてきます。10分ほどのコーナーでの紹介でしたが、考えさせられることは多い。

今年2月、カマルハーサンの【Indian 2】(インドの仕置人 続編)の撮影現場で照明クレーンが転倒し3名のスタッフが亡くなるという痛ましい事故が起きてますが、シャンカル監督はきちんと補償すると言明していたけれども、補償すればいい、という話でもなく、もっとそれ以前に(インド映画現場でよくないと思いつつ慣れっこになってしまっている)問題があるのかもしれない。(個人的には、インドの仕置人2は近年完成を一番楽しみにしている映画なので、いろいろな問題を乗り越えて、ぜひ完成・公開していただきたい。)

素晴らしい胸をすくアクションや見応えのある映画は見たいけれど、それを制作する現場の人達(それを配給する人達も)が不幸になってはいけないと思います。その上で楽しいインド映画を作ってください。改めて。

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