※BABAを大きな画面で観る会で配布したレジュメを再編。
(2003.3.9記)
■BABAを少しでも深く理解するために☆
メールマガジンやBABAを大きな画面で観る会で配布したレジュメを加筆修正しました。 映画によく出てくる言葉や、重要な言葉を、調べて分かったものについて掲載しています。 英語字幕ではわかりにくい言葉のニュアンスについて、参考になりますと幸いです。
◆「がたむ・がたむ」 Gatham Gatham
この言葉は、この映画でのラジニの「決まり文句」です。
アインガラン社のDVDの英語字幕で、この言葉は、「past is past」「stop that」「stop it」といった訳になっ ています。
「もう終わったことだ。(今さら蒸し返すな)」というようなニュアンスの言葉になります。
実は、タミル語ではなく、ヒンディー語です。現地タミル人の解説によると、ヒンディー語で正しくは「かだむ・ かだむ」と言うそうです。
それをラジニは彼独特の「スタイル」で「かだむ」→「がたむ」と言い換えていて、タミル人も当然のようにそれを受け入れているのだとか。
また、サンスクリット語だ、という方もいらっしゃいまして、この場合は、「がたむ」で正しいそうです。
◆「まーやー」 Maya
劇中、彼を見守る聖者様・サドゥーたちがバーバーを諭す場面等でよく使う単語です。映画後半1曲目の印象的なダンス【Maya Maya】の題名にもなっています。
【Maya Maya】も印象的ですが、映画前半で、バーバーが、サリーで着飾った、プージャ中のチャムンデシュワリを見かけて、あまりの美しさに、 「まーやー…(これは幻だ)」とつぶやいて目を疑うシーン、
同じく映画前半で、バーバーがヒマラヤに連れていかれ、バーバージーに会った際、バーバージーがバーバーに「おまえは 何も恐れないというが」と言って、大蛇や天使のマーヤー(幻)などを見せて、バーバーを試すシーン、
…といった様々な印象的なシーンで、この言葉が登場します。
インド思想の言葉で、アインガランの字幕では「illusion」と訳されていますが、日本語では「幻影」だとか「虚妄」 と紹介されています。
この映画の中でも、人間の欲望が見せる幻…というようなニュアンスがあるようで、とても深い言葉ですが、とりあえず、初心者の私たちは「幻」と覚えていればよいかと思います…。
◆「しゃ〔さ〕くてぃ・こどぅ」 Shakthi kodu
この映画のラストを飾る、とても印象的な曲の題名で、「しゃくてぃ」という言葉も、劇中によく出てきます。 英語に直訳すると、Give me the Powerといったところ。「こどぅ」は、giveのタミル語の命令形にあたります。
「しゃくてぃ」も、ヒンドゥー思想の重要な言葉で、簡単に言えば「力」。ですが、時には「神の力」のことを、 時には「宇宙の力」や、「女性原理」…を指す場合もあるようです。
この歌の場面は、ホロスコープで、バーバーの身に生命に関わる大きな危険を予言され、バーバーが寺院で神に祈り、 (このときに、「しゃくてい・こどぅ」と神に語りかけているということになりますね)そして壮絶なクライマックスに 向かうことになります。
ところで、この「しゃくてぃ・こどぅ」の歌詞は、クライマックスの際のバーバーの決意とリンクしていて、物語から外せない 重要なものだと思うんですが、残念ながら、現時点の英語字幕付きDVDには、歌詞の訳がついていません。
別のページで、日本在住のタミル人の友人であるパルティバンさんによるこの歌の英訳を掲載しますが、ぜひ、読んでみてください。
ヴァイラムットゥの歌詞がとても力強く、そしてその歌詞に負けないラジニの力強い表情、神にすがる表情などが大変印象的で、 「俺は生きるならこのタミルで生きていく、そして死ぬならこのタミルで死ぬ」… これぞラジニの真骨頂!と家でDVDを観るたびに、涙ぐんでる私です(笑)。
◆「でぃぷ・でぃぷ」 Dippu Dippu
映画の1曲目の題名であり、軽快なリズムの中で何度もフレーズとして出てくる言葉です。 が、意味はなく、歌や踊りの際の掛け声の一種だそうです。
ということで、日本語に歌詞を訳したら、「でぃぷ でぃぷ でぃぷ でぃぷ でぃぷ …ねえ、お嬢さん!」って感じになるんでしょうか?
先日、知人のカタックダンスの発表会を見せていただいた際、曲の途中で掛 け声が何度も入りましたが、その掛け声の中に「でぃぷ・でぃぷ」も、ありました!
掛け声を掛けながら歌う割に、歌詞の内容は結構説教臭いのが、日本人の私にはおもしろかったりします(笑)。
この歌の英訳は、別ページのメイシャンさんによる「インド・ヒンドゥー思想豆知識」 で確認してみてください♪
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