ヴィジャイと共に、この1年ほどで急激に日本のインド映画ファンの間で赤丸急上昇中の、ヴィジャイ・セードゥパティの2018年主演作。
DVDジャケットを見ると、 なんだか さわやかなルックスです。あら、彼にしては珍しい…
でも、映画で冒頭に登場してきたのは、、、
あ、いつもの(?)熊男だ。
何かハートブレイクをかかえた熊男が、鹿と食パン越しにチューしたりしながら(!?)旅して写真を撮っている。
と思ったら若い女の子に車を運転させて、ガーガー寝て、朝起きたら出身高校の校門の前に行き、警備員さんにイタズラ。
高校の警備員おじちゃん役、ジャナカラージ!
ジャナカラージ、ご病気でもしていたのか(昔お会いしたときも太りすぎてて健康に気をつけなきゃと、自分で言っていた)、長いこと映画出演から遠ざかっていたけれど、カムバックおめでとう、待ってたよ!って感じ。うるうる。
ジャナカラージが、ああ、お前か!なつかしい、元気だったか?と、人懐っこい笑顔を向けているだけで、VSP演じるラームが、かわいがられていたんだなということが分かる。どんな高校生だったんだ? とワクワクが始まる。そして回想シーンに突入。
それから、DVDジャケのあのさわやかルックスは、いったいどこで登場するのか!?
いつだ?
いつだ?
いつだーーーーーーーーーーっ!?
回想シーン。いちいち、胸キュン。わたしもあんな瑞々しい気持ちを持っていた時代があったのかしら…(遠い目)
ジャーヌがラームと結婚したら、名前がジャーナキ・ラーマチャンドランになる!ってところが、MGR大好き人間としては超ホッコリ♪
(ジャーナキは、有名な女性歌手の名前でもあるけれど、MGRの最後の奥さまだった方の名前でもあります。)
高校時代のラーム役が、M.S.バースカル(ヴィジャイのSivakasiで売れない弁護士役だったのが特に印象深い。日本だと【神さまがくれた娘】での、ヴィクラムとチョコレート工場で同僚のおじさん役あたりが知られてるかしら。)の息子(アーディティヤくん。)のデビューだったんだ、そういわれると似てる~
本作で新人賞を各種獲得したらしい。
真夜中に、床屋さんで… その、さわやかルックスに。
うわー、そういうことだったの? あの日に帰りたい。
その辺からは、もう、甘酸っぱいなんてものじゃない。切ない。
ひたすら、切ない。でもVSPが、悶絶するほど熊からちっちゃい男になって、カワイイ。
ヒロインのジャーヌ(トリシヤー)は全く気付いていなかったけど、実は相当なストーカーだったラームの告白が続く。
私、自分も昔若かりし頃、ちょっとストーカーで怖い目にあったことがあるのもあり、ストーカーの話は苦手なんですよ。評判のよかった【レモ】も私にはもうダメ。キモイ、怖い。
でも、このラーム、ホントに「草葉の陰から…」の人で、ストーカーされてる側は最後まで全く気が付かないで、いつの間にかストーカー終了。なので、私はまあまあ受け入れられた。(あくまで、映画として、ね。)
あともう一歩、ラームが勇気を出してジャーヌに声をかけていれば。
ジャーヌも、ラームの気配に気がついていれば。
チェンナイの新しい空港で、お茶をする2人の前を、ラームの写真教室の生徒がどやどやと通りかかる。
そこで咄嗟に、もしホントに2人が夫婦だったなら… ジャーヌがせめて、この場限りであっても、と2人が結ばれる話を始める。
くぅぅぅ…
【ミスター & ミセス アイヤル】での、偽装夫婦の世界だ。あの映画での、コーンコーナー・セーンシャルマーによる、異教徒で結ばれるはずのないラーフル・ボースとの、ウソの馴れ初め語りと、その夢が終わる瞬間、クライマックス。
結末の分かっているクライマックスへ向かう2人。
うわーん。。。
1996年卒業生の同窓会とその後の一夜。相思相愛だったはずなのに、高校時代の途中で離ればなれになってしまった男女の再会と明かされた真実。そして…、のお話。実に抒情的な、萌え萌えなシーンが挟まりまくった映画。
ヴィジャイ・セードゥパティにいったい何をさせるんじゃ?という萌えシーンが延々と続く映画でしたが、タミルの野郎なファンたちもこーいうVSPを、待ち望んでいた、ってことですかね? 監督の趣味???
ちなみに、同窓会の後、4人がコーヒーを飲んでいたところは、ママラプラム(マハーバリプラム)の、地元では有名な、地球の歩き方などにも載っているレストランの、「ムーンレイカーズ」。 13年前に行ったよー! その10年後にVSPやトリシヤーが私達の後を追って、コーヒーを飲みに来たんだな! なんて妄想を一瞬して、ウキウキしました。。。(妄想するだけなら、タダですから)
余談。チェンナイ中心部から車で1時間半程度の近郊にあるママラプラムは、世界遺産・海岸寺院のあるところですが、西洋のバックパッカーさんが長期滞在でたむろっているような地域で、タミルにしてはあまりタミルっぽくなく、西洋の人が好きそうな店が多い。ムーンレイカーズも、そのひとつ。
夕飯時に入ったら、南インド料理ってほとんどメニューになくって、海のそばということで、おススメという魚のガーリックバターソテーを食べたけど、めっちゃガーリック。タミルっぽくない、実に。夜遅く行くと、たぶん、この映画のように、コーヒーを飲んだりするだけの利用もアリなんだろうなあ。’96の同窓会会場はママラプラム近くだったんでしょうね。(チェンナイの空港からだと車で1時間くらいか。) 映画で、あんなにはっきり、デカデカとムーンレイカーズの看板がスクリーンに登場した、というのは、スポンサーだったのかな!オーナーがVSP大好きで、とか。 だとか考えると萌える。
今検索してみたけど分からないので、ライフワークにしよう。
誰か、今度一緒に、ムーンレイカーズにコーヒー飲みにいこ!(ゆる募)
チェンナイのど真ん中だと、あんな同窓会をホテルの敷地で開催したら、超お値段高そう。
それにしても、私の最初のVSPは、【Pizza】(2012)だったけど、すごく細身だったし、まだ取り立てて持ち味があったようには思わなかった。 その後、こんなに恰幅よくなって怪しい魅力をふりまくようになるとは、思わなかったなあ。次に観たのが【キケンな誘拐】だったから、かなりビックリした。 ものすごい振り幅の広い、怪演と萌えを鮮烈に両立させる不思議な俳優さん。今まで割とタバコに頼りがちだった役が多かった印象があるけど、’96は、新境地も垣間見せてて、感動大作とかいうんじゃなく、素直に涙があふれてくる映画で、いいね。(で、3ヶ月後の公開作が、Pettaときたもんだ!)
IMWで日本語字幕付で上映。ありがとうございました♪
なんどりにて、DVD取り扱い中。
96 Tamil Movie Crew:
Starcast: Vijay Sethupathi, Trisha Krishnan, Adithya Baskar and Gowri
Banner : Madras Enterprises
Producer : S. Nanthagopal
Directior : C. Prem Kumar
Music : Govind Vasantha
DOP : Mahendiran Jayaraju, N. Shanmuga Sundaram
Editor : R. Govindaraj
Audio Label : Think Music
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