Bhagavathi (バガヴァティ) | インド映画 ヴィジャイ

Indian Movies / インド映画の話

ヴィジャイその4Title : பகவதி Bhagavathi (2002年 Tamil 170分) (バガヴァティ / バガワディ:女神 ※ただし、主人公の名前)
Director & Story : A.Venkatesh (A.ヴェンカテーシュ)
Music : Deva (デーヴァー)
Starring : Vijay(ヴィジャイ), Reema Sen(リーマー・セーン)

ヴィジャイの現在(2000年代後半)の路線(「タミルを救う男」系)の原型が垣間見られる、タミルのカタルシス溢れるアクション映画。
弟思いのチャイ屋・ヴィジャイが、怒りの頂点に達して立ち上がり、敵をなぎ倒していく様は、爽快!

2002年11月4日公開

 ↑上記画像は、【Bhagavathi】のスチール写真を使用した、ポップアップタイプのポンガル・グリーティングカード。
(詳しくは、2004年1月のポンガルカード (その2 飛び出すカード編)を。)
若気の至りか!?ってぐらい、今のヴィジャイと較べると髪型も服装もダサダサですが…
映画本編はカッコいいシーンがたくさんでした♪

キャスト

Vijay :Bhagavathi バガヴァティ マドラス高等裁判所のそばでチャイ屋を経営
Reema Sen:Anjali アンジャリ 裁判官を母に持つ大学生
Monica:Priya プリヤー グナーと同じ大学に通い、グナーと恋仲に
Jai:Guna グナー バガヴァティの弟で医学生
Ashish Vidyarthi:Easwarapandiyan プリヤーの父
Vadivelu:Vadivelu ヴァディヴェール バガヴァティのチャイ屋を手伝う
Ponnambalam G
Sathyapriya

スタッフ

台詞:Prabhakar
作詞:Vaali, Shehan, Pa.Vijayan
編集:V.T.Vijayan
振付:Brinda, Dhinesh, Raviyathav, Rajashekar
撮影:Deni Selvam
アクション:J.Jakkuvar Thangam

Songs

Allu Allu Udit Narayan
Atchamillai Atchamillai Shankar Mahadevan
July Malargalae Karthik, Sadhana Sargam
Kai Kai Vaikiraan Anuradha Sriram, Shankar Mahadevan
Shyo Shyo Dimmy, Sadhana Sargam
Coca Cola Braunu Vadivelu, Vijay

あらすじ

バガヴァティ(ヴィジャイ)は、チェンナイの高等裁判所の前で、ティーショップを営んでいる若者。両親を早くに亡くし、弟のグナー(ジャイ)は医学生で、弟を無事に大学を卒業させるために日々働いている。

バガヴァティは女性裁判官の娘でモダンな女学生のアンジャリ(リーマー・セン)と親しくなった。

グナーは同じ大学のプリヤー(モニカ)と恋仲になっていたが、プリヤーの父親(アシシュ・ヴィディヤルティ)に反対されていた。
そこでグナーとプリヤーは、こっそり結婚式を挙げてしまう。
しかし、それを知ったプリヤーの父親は、バガヴァティの目の前でグナーを殺してしまった。

グナーは、バガヴァティの弟に生まれてよかった、生まれ変わったらまた、バガヴァティと家族になりたい、と言って息を引き取った。

プリヤーは実はグナーとの子供を身籠っていた。
社会的ステータスを重んじる父親は、子供も子供の母親となるプリヤーも殺すつもりであった。

バガヴァティは、プリヤーのお腹の子供がグナーの生まれ変わりになると信じて、必死で守ろうとする。アンジャリ親子も快く協力する。
しかし、執拗に追ってくるプリヤーの父に、バガヴァティたちは数々の危険にさらされる。
チャイを売る穏やかな青年で、自分で暴力を奮うことを好まなかったバガヴァティだったが、身を守るために、暴力には時には暴力で立ち向かう決意をし、武器を手に取るのだった…。

むんむん’s コメント

2003年頃、ヴィジャイファンのタミル人の女の子に、好きなヴィジャイ映画を訊ねたら、「バガヴァティとかが好き」と答えてくれたので気になっていた作品です。

2000年代前半のヴィジャイは低迷していると云われていました。この映画ではもうすぐ自分の殻を突き破ろうとしている、殻を半分出てきているようなヴィジャイが見え隠れ。

2003年10月公開の【Thirumalai】からヴィジャイは復活・大躍進していきますが、その「夜明け前」の【Bhagavathi】なヴィジャイも、なんともいえないよさがありまする~。

【Thirumalai】より前のヴィジャイは、演技・目ヂカラもそうですが、何よりもルックスが全然違うんだよね。
顔はちっちゃいし、ダンスの腰だとかキレッキレッでそれ自体はかっこいいんだけど、小太りでヒゲがあまりにおっさんくさく、服装もどうみてもあか抜けない。
これがタミル人の好きなルックスなのか?とさっぱり共感できなかった私です。

だから、【Thirumalai】でヴィジャイがもの凄くシャープになって、超絶本気のダンスを踊ってるのを初めて観たときに、天変地異が起こったくらいの衝撃を受けて、その反動も相まって、一気にヴィジャイ熱にうなされることになったのでした(笑)

さて、その【Thirumalai】公開1年前のこのバガヴァティ。
スチール写真だけ見ると、あまり興味をそそられなかった(ヘンだよ、これ!的な興味はあったけれど。ジャケットの丈が長過ぎ、とか、足が短く見える、とか。。。)のではありますが、見たらおもしろかったです!

確かに、ダンスシーンとか、【Thirumalai】のルックスに較べると、てんであか抜けない(スタイリストが悪いよなー)のだけど、チャイ屋さん(←決して富裕層ではない)で弟を学費のかかる医学部に必死で通わせている、というけなげな役。
(ダンスシーンのルックスに較べると、本編のヴィジャイは割と今の雰囲気に近く、かわいくてかっこいいです。)
そして、本当は暴力を好まないけれど、誰かを救うために自分は鬼になる、みたいな展開。
数年後、ヴィジャイが得意とする分野になるわけですが。

お金持ちでボンボンな役で、甘ったるい雰囲気の演技が多かったヴィジャイが、2002年頃、こういうのに取り組みだしていたのねえ。
まだあか抜けない、ぎこちないところはあるのだけど、この映画でのチャレンジとかが後の【Thirupachi】(2005年)あたりで実を結んだのではないかな!

斬新な内容ではないけれど、タミル人の情緒だとか、カタルシスだとか、観た後の余韻が残る、いい映画です。
チャイ屋のヴィジャイ、ってのもいいですわ。

(ヴィジャイの入れてくれたチャイを飲んでみたーい!)

ヴィジャイの成長の過程も追いつつヴィジャイ映画を鑑賞していくのなら、この映画は絶対外せない佳作だと思います!

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補足ですが、2001~2003年前半頃のヴィジャイ映画が低迷していたといっても、ほぼ全ての出演作品は、映画館上映100日を達成しており、「スマッシュヒット」はしていたのです。この映画ももちろん、ヒット作の部類に入ります。
ただ、ラジニカーントの後継者とも期待される大スターのヴィジャイの場合、周囲の「大ヒット」の期待が大きいし、批判にさらされやすいんでしょうねぇ。

これを書いてる2011年の今も、低迷してるとか言われたりしますが、状況としては10年前と似たようなもので、また次のヴィジャイの飛躍がそろそろ見られるんじゃないかな、と私はワクワクしています♪

キーワード

bhagavathi : பகவதி bhagavan(神)の女性形 → 女神

(2010年6月15日、インターネット(字幕無し)で初鑑賞。)

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