Chennai Express (チェンナイ・エクスプレス)

Indian Movies / インド映画の話

Chennai Express

Title : Chennai Express (チェンナイ・エクスプレス) (2013年 Hindi 141分)
Director : Rohit Shetty (ローヒト・シェッティ)
Music :Vishal–Shekhar (ヴィシャール/シェーカル)
Starring : Shah Rukh Khan(シャールク・カーン), Deepika Padukone(ディーピカー・パードゥコーン), Sathyaraj(サティヤラージ)

スイーツ売りの青年(シャールク)が、ムンバイからラーメシュワラムまでの列車の旅で乗り合わせた家出女性(ディーピカ)のトラブルに巻き込まれ、北インドと南インドのカルチャーギャップを織り交ぜて展開するドタバタコメディのロードムービー。
とてもカラフルで楽しい映画♪

むんむん’s コメント

※2015年1月3日にキネカ大森で観たときの日記

<<以下、日本公開が決まる前のコメント>>

実は、ぶっちゃけ、公開前はほとんど興味がなかったんです。
ヴィジャイの【Thalaivaa】を観るためにKL旅行を計画したら、この【Chennai Express】も公開日が重なってたので、じゃあ時間あったら観ようかなと思いました。

自分が大好きなタミルナードゥ州の地名「チェンナイ」が映画名に出てくるにもかかわらず、食指が動かず、特別ニュースを追ってませんでしたが、KLへの旅行時期が近づく従って、流れてくるみなさんのtwitter情報で、
ラジニトリビュートがあるらしいとか、
サティヤラージが出てるとか、(【Thalaivaa】にも出てるぞー)
ラージュー・スンダラムが振付けている曲があるとか、(8月に大阪にインド映画のロケで来日してるぞー)
観たい理由が増えました。

chennai-express-02

何故それまでイマイチ食指が動かなかったかというと、自覚している理由が2点ほどあります。

(1)【DDLJ】みたいな映画だ、という前宣伝というか報道があった

実は実は、ワタシは【DDLJ】、どっちかというと好きじゃないんですっ。
シャールクが演じていた、あのお調子者な主人公が自分には全く受け付けなかった。
結婚したいがために、ヒロインのお父さんに、大々的な大ウソをつきながら近づいて周りを振り回しまくるくだりが、どうにも共感できなかったんですわ。
そういうお調子者の映画アゲイン、ならばわざわざ観る気おきないなあ~。

(2)北インド映画が南インドをとりあげると、上から目線的な描写が多い気がするから

シャールクはたぶん、南インドに親しみやリスペクトを持っているとは思うんだけど、【Om Shanti Om】や【Ra.One】では残念ながら南インド映画のスタイルやタミルの文化についての取り上げ方が野蛮人ぽい演出だったりしました、ね。
(タミルに親近感はあるんだろうけど、それを観るタミル人に思慮がちょっと足りない感じ。
日本を舞台にしたハリウッド映画でも往々にしてありがちなことだけども!)

(例えば【Ra.One】で主人公シェーカルはタミル人の設定だったけど、ごはんの食べ方が汚かったり、カリーナ演じる奥さんがしょっちゅう「こんじょん」を「コンドーム」と言い間違えるとか…)

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で、前置き長いですけど、シャールクに好感は持ってるけど大ファンでもない私の感想。

想像していたよりも、かなり面白かったです!
私が食指が動かなかった理由の両方とも十分クリアされていたというか、タミルが野蛮に描かれているなりに、タミルへの親近感やリスペクトがグッと踏み込まれた演出のされ方がしていたと思います。

ヒンディー映画のパロディや内輪ネタについては、ほとんど分からなかったですけど、タミル映画【ムトゥ踊るマハラジャ】を明らかに模倣している手紙のシーンとか、微笑ましかったです。
監督さん(それともシャールク?)、結構タミル映画も観てるんだなとうれしく思いました。

で、(2)のタミルの野蛮な。。。というのは、銃アクションではなく、鉈?鎌?鉞?というか刀アクションに代表されるところですが(笑)、シャールクがおなかがでっぷりしてルンギをはいた刀ピープルに取り囲まれたりして(場違いなところに来ちまった!と)ビビるところとか、とてもカラフルでコミカルでよかったです。

↑ このダンスなんか、南インドをキレイに撮ってくれてありがとう!って感じでいいです。
【ムトゥ踊るマハラジャ】の「クルヴァーリ村で」の幻想的なダンスシーンをちょっと彷彿とさせるような。。。
この映画のダンスシーンではこれが一番気に入りました☆

(1)については、ヒロインに振り回されながら最後に自分の本心に気づく設定だったので、(DDLJのように旅してヒロインの父に会いに行く話ではあったけど、)今回は引っかかることなく、シャールクの心情に感情移入して観ることができました!

それどころか、シャールクのコミカルな表情が実にいいです。
困った顔、怒った顔、しょうがないなあという顔、ウレシイ顔、笑った顔、ちょっとおすましした顔、泣き顔、勇気を出して立ち向かう顔。。。

「ナヴァラサ」っていう9つの感情は具体的には頭に入ってませんが、たぶんこの映画で、バリバリにシャールクのナヴァラサを楽しめると思います。
この感じは、直近の彼の映画【命ある限り】や【闇の帝王DON ベルリン強奪作戦】で、私が物足りないと思っていた部分でした。
【Chennai Express】はそれを補完するどころか、最近のインド映画の中ではかなりバランスがいい方じゃないかな、という気がします。

で、タミルの文化にとまどいながらもタミル娘と結ばれるハッピーエンドだし、大画面で観て、楽しかったです。

ラジニトリビュートのルンギ・ダンスは、ラジニのパネルをバックにルンギ部隊が踊ってますが、タミル映画でそういう踊り方はしないよなー、いかにもルンギを面白おかしく扱ってるダンスで、映画でのヴァージョンではシャールクはルンギ着てないし、振り付け自体に特別面白さを感じなかったですけど、エンドロールで出てくるものとしては単純に元気でリズムよく終われていいんじゃないかな。
(KLの観客もほぼ最後まで観てましたね~)

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ちなみに、ラージュー・スンダラムが振付けたという、プリヤー・マニが共演したという「1234 Get On The Dance Floor」は、シャールクが場違いな中踊るミスマッチ感がおもしろかったですが、プリヤちゃんがずいぶんババくさくなったというか。。。
(【ラーヴァン】でもずいぶんお姉さんになったなあと思ってたけど、そんなにお姉さんにならなくても。。。と【ヤマドンガ】あたりの頃をなつかしく思う???)
ちょっと乗り切れなかった(笑)

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それから、ディーピカの父親役で出てたサティヤラージ
うおおおおおおお!地毛で登場だ!

(素敵なカツラのサティヤラージを【Thalaivaa】で観た翌日に、これを観たので、興奮。興奮。興奮!w)

意外(?)にも、ヒンディー映画初出演だったそうですね。
初出演で地毛とは潔いっ。

ますますサティヤラージのファンになったぜ!
初出演作をスクリーンで拝めて、ラッキーだった。
いやー、【Thalaivaa】と同じ時期に公開してくれて、本当によかった!

・・・いやいや、頭の話以外でも、ドタバタコメディのこの映画にきりっとしまりを与えていたのはサティヤラージの存在感のおかげだと思います。
よかったです!

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駅でない場所で、ディーピカとシャールクが鉄道から降り立ったところが、滝の真ん前でしたが、かっこよかった!
いつか観光に行きたいです♪

というわけで、楽しい映画でした。
KLではフィルム版で鑑賞できたので、雰囲気を忘れないうちに、デジタル版での鑑賞もしたいなあ~。日本で字幕ついて上映されるとなおイイなあ(笑)

日本でも上映されるといいですね!

(2013年8月26日、Malaysia Kuala LumpurのGSC Mid Valleyのシネコンで、フィルム上映。英語字幕つき、インターミッションなし。
平日昼間の回ながら、8割方お客さんが入ってる中で鑑賞。)

※隣に座ってた女の子二人組が、2歳のむすこと座った私に、ポップコーンを分けてくれました。ありがとう。旅先のウレシイ出来事のひとつでした☆

旧ブログ時代のコメント

むんむん 2013年9月24日 23:36
南インド映画ファンとしては、北インド映画の映像文法よりも南インド映画の映像文法の方が好みなわけで、
そういう意味では、この映画は南インド映画寄りの作り方がされていて、でも血みどろだとかのやりすぎ感もなく(笑)、私には観やすかったです。
でも逆に、ヒンディー映画ファンの方々には物足りない部分もあるかもしれませんねー。

ただ、この映画は「インド映画」として観客を楽しませようとする姿勢がしっかりしてる感じがします。
ドタバタコメディなので、観た後には何にも余韻とか残らないかもしれませんが、映画館にいる間は至福の時を過ごせるというか。

劇場内の反応はよかったんじゃないですかね。
英語字幕はヒンディー語だからかは、本数観てないのでよく分かりません。
10数年前にKLで【Kabhi Kushi Kabie Gham..】を観たときも、割とちゃんとした英語字幕はついてた気がします。その頃にタミル映画で字幕が付いていたら奇跡的でしたけど。。。

このごろは、少なくとも最近のヴィジャイ作品3作品は英語字幕ついてました☆


やっほー 2013年9月24日 17:00
いいなあ。
私も早く見たいなあ。

どうせなら大きいスクリーンで、映画館で見たいんですよねえ。
日本公開、ないかしら。

先日も南インド映画ファンの方の感想を読ませていただいたのですが、好印象でした。
むんむんさんのご覧になった印象もよかったのですね。
南インド映画ファンの方の感想、ボリウッドファンとも違う視点でご覧になってるんじゃないかな、って興味がありました。

劇場内の反応はいかがでしたか?

英語字幕が付いていたのは、ヒンディー語だったからでしょうか。

地元のお客さんとのちょっとした触れ合いも、楽しいですよね。

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