8月9日(土)から公開のテルグ映画、【バードシャー テルグの皇帝】。
【あなたがいてこそ】と共に、1999年日本公開の【愛と憎しみのデカン高原】以来15年ぶりのインドのテルグ語映画公開です。
(もう15年も経つのかー!!!)
予告編が出るタイミングか何かで、日記に書こうかと思ってたけど、【あなたがいてこそ】共々、まだまだ出る気配がなく(おそいっ)明後日で公開1か月前なので、そろそろ書こうと思います。
試写会で観た直後の感想;
【バードシャー テルグの皇帝】の試写会に行ってきた! 前半はあんまり乗り切れなかったのだけど、【神さまがくれた娘】の敵対弁護士役だったナーサルさんのダンス(めっちゃレア☆ナーサルファンはマストシーや!)とシッダルタくんが出てきたあたりからめちゃくちゃ盛り上がりました、面白かったっ
— Noriko Inagaki(むんむん) (@munmun_t) 2014, 6月 10
ツイートに、…NTRについての感想がまったく書かれていない(笑)
実は、そのときは、NTRのパフォーマンスの満足感という意味では、ビミョーな気分だったから。
自分が見た、NTRの作品は、【Yamadonga】(ヤマドンガ)に続いて2作目。
NTRに好感は持ってるんですよ。
持ってるんですけど、ぶっちゃけ、自分的にはヴィジャイほどは萌えないので、【ヤマドンガ】も、あーおもしろかった、おっしまい♪って感じだったのです。
が、【バードシャー】を観て、逆にあー【ヤマドンガ】ってたぶん傑作だったんだなと思ったです。
NTRの日本に最初に紹介される映画だったら、【ヤマドンガ】とかそれに近いテイストの作品がよかったんじゃないかなあ、って。
ヴィジャイでもラジニでも言えることだと思うんですけど、南インドのご当地の圧倒的なスターは、地元か近場の州が舞台で暴れてるときが、なんか一番輝いてる感じがするんですよねー。
海外に行くとダメ、ってことではなく、インドの地元の庶民とのふれあいシーンみたいなのが多い方がね、ローカルで少々(かなり?)ダサくても、スターが愛されてる感がハンパないし、観ててシアワセになる。
これが史上最高の製作費をかけて何か国かロケに。。。とかいう話になると、どうもその豪華さに力点がいきすぎるというか、それでおなかいっぱいになっちゃう感があり、それでいてスターで満足した!っていう感じが少々おざなりになるというか。
(でもこの映画でも、最後はインドに戻ってくるのは、よかったね!!!)
それから、NTRジュニアの場合は、おじいさまのNTRと同様、神様コスプレがとっても似合う。
そーいう「NTRならでは」な見せ所が、外国に行ってばっかりだと欠落しちゃいがち。。。
バードシャー、何しろいろんな国に話が飛び、頭がこんがらかるし、悪役が多すぎて覚えられないし!(爆)
でも、最新作をもってきたのはスゴイと思う!!!
まあ、思うところはいろいろあったけれども、買い付けの時点では出演最新作と思われるものを買ってきて、シンクロムービーだの、ニコニコ動画などのネット上でダンスが話題となっていたNTRが、ネットの小さな画面を飛び出して、堂々と今般、リアルタイム感のある作品で日本の大スクリーンに初登場、というのは、すごいことだと思う!
だって、ちょっと前まで「日本ではインド映画ではラジニものばかりが上映されて」とか言われたりしていたけれども、ラジニ映画だって、リアルタイム感が比較的あった状態で日本公開された映画は、しいていえば2005年インド公開・2006年日本公開の【チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター】だけですよ。
ラジニはそれでも、もうおじいさんだからいいけど(?)、ヴィジャイだったりNTRジュニアだったり、若手のスターはこの3年や5年でものすごく成長してるわけだから。
やっぱり旧作な2007年の【ヤマドンガ】などよりも、とにかく今の彼を見られる作品が来る方がイイ、と、試写会から1カ月が経ち、じわりじわりと思うようになってきました。
(とはいえ、【ヤマドンガ】も、実はS.S.ラージャマウリ監督映画で、【マッキー】→【あなたがいてこそ】、ときたら【ヤマドンガ】が来ても、ちっとも違和感がないわけではありますが!)
そうですよ、日本でネット動画でNTRダンスをネタで観てる人たちは、古い映画のなんですから。
今のNTRは、さらにスピード感とキレっキレっ感がランクアップしてますよ。
成長著しい彼の今を紹介しなくてどーするのだ!
おめでたいです!
宣伝の仕方が少々ヘンだとか、いろいろツッコミどころが満載だろうと、こりゃーすごいです。
日本の、インド映画事情は確実に、前進しているよ~!
(私はあんまりテルグ映画を観てないヒトだけどさあ、前からテルグ映画を応援してるみなさん、もっと声高にお祝いしようよ!これってほんとにすごいことなんだからさあ!)
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さてさて、前置きが長くなっちゃいましたが。
でも、この映画を宣伝される方々の情報の発信の仕方ひとつで、この映画だって日本で面白く観てもらえると思います。
登場人物が多すぎるなら、パンフやムック本だとかで解説して補うとかできるし。
【あなたがいてこそ】は未見なので分からないけど、【バードシャー】はパンフに「完全版:バードシャーわるもの名鑑(※役者紹介つき)」とかついてたらいいなあ。悪者が多すぎだったからw でもこれが分かったらテルグ映画の脇役の大御所さんの名鑑になって、とっても便利じゃない?
— Noriko Inagaki(むんむん) (@munmun_t) 2014, 6月 19
これを逆手にとって、今年2月に日本公開された【エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ】と、どっちの方が登場人物・登場地の多さで頭がこんがらかるか、競争しながら観てみる、ってのもいいかもよ!?
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ダンスなんか、インド古典舞踊クチプディを習得しているNTRの、美しい手先までキレイな踊り。。。を堪能するには速すぎて見えなくてぽかーんとしちゃった部分もあるのだけどね。
ダンスがキレキレで速すぎるから、マサラ上映で真似するのはかなーり無理があるにしても、
「どこまでNTRについてこれるか挑戦だ!」とか言えばいいですもんね。
と言いながら、今回は、私は意外や意外!のナーサル様のステキすぎる古典パフォーマンスにイチコロだったんですけど。
これはレアだ!
たぶん、カマルハーサンの【Sagarasangamam】みたいなのをモチーフに踊ってたんじゃなかろうか。
これ見るために何回か映画館通ってもいいわ♪
(ここの振りのワークショップがあれば、参加したいね、マジ。)
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あと後半で活躍する、ブラフマーナンダムのグダグダ感もサイコ-だったし。
彼がパロッちゃう、今回「インド映画祭」で一緒に上映のあの映画と共に観たら、幸福感倍増でしょうw
そして、富山に来てた、シッダールタくんも!
特別出演なシッダールタ(シッダールト)くんも、後半ほんの数分の出演で映画の風向きをぐっと変える、見事な存在感と演技とキュートさ♪
(公式サイトやちらしで、ネタバレになりそうなあらすじを書くのはやめてほしい!ここ重要なんだから。)
↑ 写真 昨年4月に富山でタミル映画【Theeya Velai Seyyanum Kumaru】(TVSK)のダンスシーン撮影に来ていたシッダールタくん。
私が撮影見学してた日は、サングラスをかけて踊るシーンばかりだったので、なかなかかわいいお目目が見られずにやきもきしてたのダ。
【バードシャー】では、とびっきりかわいいシッドゥが見られるよん♪
(これを機に、TVSKも日本公開してくれ!頼む!)
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テルグ映画のぶっ飛び感は、普段こういうタイプを観てないヒトにとっては、目が慣れるまで、すこーし時間が必要かもしれないけど、小難しく考えず、インド映画の多様性のひとつとして、楽しみたいものですね~。
この映画がNTRのベストとは思わないけど、彼の日本銀幕初登場!をロードショーのスクリーンでみんなで盛大にお祝いしながら観たいものです。
これを機に、そのうち旧作の傑作も紹介されていくことを願うし、NTR映画の今後の発展も楽しみです。
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