Sathyam (サティヤム) | ヴィシャール ナヤンターラー ウペンドラ

Indian Movies / インド映画の話

Sathyam (Tamil, 2008.Aug.14 released)
Directed & Writtenby A. Rajasekhar
Produced by Vikram Krishna
Music by Harris Jayaraj
Starring: Vishal Krishna, Nayantara, Upendra
Bramanandam, Kota Srinivasa Rao, Ali, Ravi Kale, Premji Amaren, Sudha Chandran

(シンガポール旅行’08 第3日目~8月31日その4)

アンジャッパーでごはんを食べたら、お店の前のSyed Alwi Roadをてくてくまた歩いて、アラブストリートを通り過ぎ、Beach Roadまで。
(途中、雨にざーっと降られた。午前中、あんなに天気だったのにぃ)

Sathyam at Golden 2

雨に濡れて、【Sathyam】上映時刻を少々遅刻でGolden Theater到着。
チケットは一人SGD 10.00(約800円)。昨日のジョホール・バール(マレーシア)での価格の約2倍。
手間はかかっても、バスで国境越えして映画を観てくるほうが、往復バス代を考慮しても実は安かったりするのね。

※ちなみに、2005年のシンガポールで観たときは、【チャンドラムキ】は15ドル(←ラジニ特別料金)、同日に観た【Sachin】は10ドルでした。
物価高騰が報じられているこの国で、映画チケットは上昇しているわけではなさそうかな。

ここでもチケット買うときや映画館入場の際に係員さんに「観る映画間違ってんじゃないの?」と云わんばかりのヘンな顔されたけど、「タミル映画を観に来たよ。ヴィシャールとナヤンターラー出てるでしょ!」としゃべって誤解(?)を解くのであった(笑)。

ゴールデン・プラザ劇場が閉館になった後、タミル映画上映を引き継いだらしいゴールデン劇場。ここでは、本日が初鑑賞です。

ゴールデン劇場は、ゴールデン・マイル・タワーという大きなビルに入っている、スクリーンが4つの映画館らしい。
タミル映画は、そのうち 「Golden 1」「Golden 2」というスクリーンで今日は上映してました。

シンガポールで一番古くからある映画館のひとつということで、施設は若干古め。
それでも、閉館したプラザやサルタンよりはこざっぱりしていて、日本人には比較的入りやすくなったと思います。
(もちろん、キレイ好きな方には、最新鋭でピカピカの、GV Yishunの方を絶対におススメしますが…。)

本日【Sathyam】を観たGolden 2は、旧プラザ劇場よりはスクリーンは小さめかもしれないけど、それでもかなり大きい画面。座席は段差になっているので、どこに座っても見やすそう。
キャパは5~600人ぐらいか。
本日のお客さんは50人前後?
少ないっちゃあ少ないけど、昨日の【Kuselan】の5倍以上人が入ってるので、賑やかに感じました(???)

★Sathyamのポスターいろいろ

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さて、感想。

自分の感想を書く前に、ダーリンが見終わってすぐに言った感想。

「筋肉。血管。ランニング。蹴り。説教。 …の映画。
以上。」

プププ。

そのとおりかも。映画よりもダーリンの言葉に大笑い…。
そして、言葉の発し方は違っても、結局わたしも似たような感想だったので、妙~に納得。

上記の単語に補足します。

★筋肉
以前の映画でも、カラダ鍛えてる若者だな~ と思っていたけど、今回の映画ではMAXに鍛え上げたらしいヴィシャールくん。
話の筋に関係なく、筋肉を見せびらかすシーンの多いこと多いこと(笑)。
おデブな同僚を率いてジョギングしていたり。

★血管
同じく、鍛えあげた筋肉に、血管が浮き出るのを見せつけるショットが多いこと多いこと。
ボディービルダーの映画かいっ。
(血管、苦手なんですが…。)

★ランニング
筋肉や血管を見せびらかすのに最適なコスチュームは、ランニングシャツならしい。
アクションシーンでも、敵に服を破られてランニングや胸板がはだけるようなサービスショットのてんこ盛り。

★蹴り
カラダを鍛えただけあって、蹴る足がまっすぐに伸びていてよろしい。
でも、アクションシーンは蹴り以外にあまり持ち技がないらしく、単調で、
ひたすらまわりが勝手に吹っ飛んで血しぶきが舞うのであった。

★説教
タミル映画は、主人公が怒りで説教をぶちかますシーンが多い。(ついでにそれを見てヒロインが主人公に惚れるパターンが多い。)
今回のヴィシャールはいつにも増して怒り爆発で説教が長い。
説教時間が長い。
長すぎる。
タミル語そんなにわかんないから、見てる外国人としてはダレてくる。
何にそんなに怒ってるんだ、そんなに眉間にシワよせて怒ってばかりいると、せっかく鍛えてるのに、健康に悪いよ! とアドバイスしたくなる(笑)。

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上記をキーワードに、ヴィシャールの鍛え上げたカラダと「Angry Young Hero」(←ヴィシャールは時としてこう呼ばれる)たる「売り」を魅せるための映画だから、ストーリーは二の次なのさ。

ヴィシャールは警部役で、内部にも汚職が蔓延するインドの警察制度や社会に、ヴィシャールは怒り爆発するのだ。
筋はただそれだけ、と言っても言いすぎではなく、そのためにヒロインのナヤンターラーは飾りとして君臨し、ウペンドラさまもヴィシャールの説教にひれ伏すのであった。
ヴィシャールの怒りを最大に引き出すため、ヴァイオレンスシーン満載♪(?)

(「ヴァイオレンスシーンが多い」と、この映画の宣伝には注意書きが添えられてはいます。)

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ナヤンターラーちゃん。
2005年の【チャンドラムキ】では、サリー姿・黒髪での出演だった彼女も、その後グラビアアイドル的に人気爆発したらしいので、いまやイケイケな洋服姿・茶髪なのでした。

若き大女優的な役の【Kuselan】では、それでもまだ化粧が【チャンドラムキ】の頃の面影も残していて、「ナヤンちゃん、エロくなったなー。でも、サリー姿も洋服姿もキマると、芸域が広がっていいよね。」などと単純に思っていた。

しかし、【Sathyam】では、イケイケな今どきのジャーナリスト志望女子(?)な役ならしく、【Kuselan】と化粧の仕方がまったく違う。

登場してもしばらく、ナヤンちゃんだとわたしは分からず、ナヤンちゃんのダンスシーン観てても、
「このコ誰だっけ?ナヤンちゃんはいつ登場するんだ?」と半ば真剣に思っていた(爆)。

…でも、かわいかったです。
ヴィシャールとのダンスも、ラジニカーントとのダンスより露出度がめちゃくちゃ高く、(だって、ヴィシャールも筋肉見せるために露出度高いから、ネ!)【Sivaji the boss】のシュレーヤーに露出度でケンカ売ってるのか?と思うくらい。
でも、どんな服装でも実に堂々とナヤンちゃんは踊るので、ヤルなあ、って感心する。
ちょっとした、コミカルな汚れ役(?)もこの映画でこなしているし、一作一作、幅が広がっていると思う。
今、華がある女優のひとりには、間違いない。

それから、やっぱり、ラジニのようなご年配と踊るよりも、歳の近い相手役と踊ったり演技する方がいろんな意味でノリはいいね。
ヒロインに不足はないんだから、ヴィシャールももうちょい、華がほしいのう。
いろいろコスプレして踊ってるけど、まだ衣裳負けしとるわ。
(ゴレンジャー?のコスプレは、すごかった…。
ラジニだったら、絶対、めちゃくちゃ似合ってるところだが。←例:【Adutha Varisu】のウルトラ警備隊ダンス)

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ウペンドラ。
まだ、彼の作品は【ウペンドラ】しか観てないけど、カンナダ映画界でとんでもなく強烈な個性でカッとんでいるスターが、「Angry Young Hero」主演映画で何をするのか。

ヴィシャールをボコボコにしちゃったり、ヴィシャールに大説教をたれちゃったり、最後あたりでヴィシャールとウペンドラの二人で怒り大爆発して大暴れしたりetc.するのかな~♪ なんて予想してたんですけど、そういった期待に対しては、不発でございました。

かつて名刑事として大活躍していたのが悪に手を染め、ヴィシャールに捕まったり、ヴィシャールの大説教に感動して改心する役。

悪くはないけど、せめて、もっとヴィシャールを引っ張る役柄だった方がもっと映画としては盛り上がったと思うし、ウペンドラファンの人もそのほうが納得すると思うし、(まだ芸域が狭い)ヴィシャールもウペンドラ見て勉強になると思うんだけどな!

ウペンドラさまの使い方、まちがっとるよ、この映画!
もったいない。

でも、多くはない出演シーンでも彼はとてもセクシーで、存在感はすごかった。
(映画の出来はどうあれ、ウペンドラファンなら、必見だと思う!)
仮にこの映画が興行的に失敗であっても、めげずにタミル映画にこれからもぜひ、出ていただきたい。

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というわけで、映画全体としてはあまり気に入らなかったけど、見所自体はいろいろあり、スクリーン鑑賞を堪能できました。

(それにしても、インド映画界における近年の、筋肉ムキムキ俳優や無意味な銃多用のアクションシーンのブームは、ちょっとおなかいっぱいです。)

★Piyoさんの日記に、この映画のステキなスチール写真紹介と記事があります。
ヴィシャール君、新作がこけた理由を自問自答
(…めざしねぇ、うまいこと言ったもんです。)

旧ブログ時代のコメント

Piyo 2008年10月 2日 20:49
むんむんさん、【Sathyam】の感想ありがとうございます。とても楽しく読ませていただきました。
うーーーーん、そんなでしたか。
かなり気合を入れて鳴り物入りで撮影して一皮向けたヴィシャールをアピールしたかったようですがねぇ。
Angry Young Hero
、、、、、し、知らなかった、いつからそうなんだろう。
どちらかというと彼はぼんぼんっぽいところの方が売りなのに。
まぁ、デビューしてから比較的順調に右肩上がりだったので、ここでフロップを出して苦労するのはいいことだとおもいます。
私も同感、過度のムキムキとバンバンアクションはおなか一杯です。
では、日記の続き楽しみにしております。
お元気で


ナン 2013年9月16日 23:40
この作品も面白いですね。テルグ版のSALUTEを見ました。
他所のブログで戦隊ヒーローの衣装を着たヴィシャールさんを見て興味を持って見て見ました。衣装は百獣戦隊ガオレンジャー的なものですが、変身のセリフは特捜戦隊デカレンジャー的ですね。多分、アメリカ版の戦隊ヒーローパワーレンジャー(日本で作られた戦隊の戦闘シーンを編集して使って人間ドラマだけアメリカで撮影したもの)のものでしょうね。
ヴィシャールさんムッキムキでしたねw。肉体美をあそこまで見せなくてもわかりましたから、話を進めて下さいと思うことありましたw。

コメント

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