Thamizhan (タミラン) |ヴィジャイ プリヤンカー

Indian Movies / インド映画の話

Thamizhan

Title : தமிழன் Thamizhan(タミラン:タミル人) (2002年 Tamil 172分)
Director : A.Majeed (マジード)
Music : D. Imman (D.イマーン)
Starring : Vijay (ヴィジャイ), Priyanka Chopra (プリヤンカー・チョープラー)

ヴィジャイが正義感あふれる駆け出しの弁護士を演じる意欲作。
当時、プラシャーントの【Thamizh】と同じ日のリリースだったことから、「ヴィジャイとプラシャーントの”タミル対決”」と話題になった。
そして、ボリウッド女優のプリヤンカーの映画デビューは、ヴィジャイとのコレ。

2002年4月12日(タミルニューイヤー)公開

スタッフ

プロデュース:G.Venkateshwaran
原作:S.A.Chandrashekar
作詞:Vaali, Vairamuthu

キャスト

Vijay スーリヤ
Priyanka Chopra プリヤー
Revathi スーリヤの姉
Naasar シャクティヴェル(スーリヤの姉の夫)
Vivek
Charu Haasan
Asish Vidyarthi
Vinuchakravarthi

Songs

Hot Party Karthik, Mathangi ※タミルスターナイト2002でランバーが踊った
La La La La Love Shankar Mahadevan, Lavanya
Mattu Mattu D. Imman, Anuradha Sriram ※タミルスターナイト2002でロージャーが踊った
Tamizha Tamizha Karthik
Ullathai Killathe Vijay, Priyanka Chopra

あらすじ

スーリヤ(ヴィジャイ)は若い弁護士で、学校を卒業したてで学生気分がすぐに抜けず、社会人としては未熟者。
スーリヤの義兄で同じく弁護士のシャクティヴェル(ナーサル)は、スーリヤの自覚のなさを心配していたが、徐々に正義感のたくましい法律家に成長しつつあった。

しかしシャクティヴェルは、労働者団体を弁護したことにより、その雇用者(アシーシュ・ヴィディヤールティ)のさしがねで殺されてしまう。
スーリヤにシャクティヴェルは「暴力でリベンジをしたりするな。法律で敵を裁くんだ」と言い残す。

スーリヤは、残された義兄の妻子の面倒を見ながら、シャクティヴェルの遺志を継いで、法律でタミルの社会を変えていこうと奮闘しはじめる。

スーリヤは、一般市民が法律にあまりに無知で、自分の権利を守ることができないことを問題視し、まず基本的人権について市民に理解してもらおうと、法律についての分かりやすい本を作り、市民に配った。
また、権利濫用をしている政治家や公務員を、市民の証言をとって告発していった。

彼の努力は実を結びはじめ、市民もスーリヤの本を片手に、権利濫用者に対抗していくようになった。

スーリヤの名声はどんどん上がっていく一方で、それを快く思わない人々に危険にさらされるようになった。
危険はシャクティヴェルの妻子にも及び…

むんむん’s コメント

ルックスの話からすると、ヴィジャイもプリヤンカもダサダサ。
プリヤンカとの恋愛のエピソードが、映画の本筋に全く絡んでこない(一応最後までプリヤンカは出てきてハッピーエンドだけど!)。
何よりも、二人のコンビがちっとも似合ってない。

「タミル対決」の相手【Thamizh】でのプラシャーントとシムランは、タミル映画界のベストカップル賞も受賞してるくらいで、【Thamizhan】はまるで勝ち目がありません(キッパリ)。

きっと、プリヤンカはこれがデビュー作、というのは隠したい過去なんじゃないかしら?

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しかし!
この映画には志があるんだよね。

タミルナードゥ州といえば、識字率がお隣りのケーララ州(識字率100%)に較べて格段に低く、市民の多くが文盲で、ひいては法律を読めない、理解できない、自分の権利を知らないという現実があり、それを主題にした理想論的な映画。

夢物語といっちゃあ、それまでかもしれないけれども、若手俳優人気トップなヴィジャイが演じるというのは、市民の関心を向けさせるには意義があることかと思います。

でも、夢物語といえば【Mudhalvan】(1999年)も同じような映画(【Thamizhan】が弁護士を切り口にしているのに対し、【Mudhalvan】は政治家を切り口にしている)だけども、この映画を見て【Mudhalvan】が如何によくできた娯楽傑作であるかと、改めて実感してしまいました。
ちょっとこの【Thamizhan】は掘り下げ方が甘いです。
ヴィジャイの社会に対する苦悩の演技も、今のヴィジャイに較べると深みがない。
(それだけ、今、成長したということですが!)
でも志は高いので、観た後の気分は悪くなかった。

Mudhalvan】の主役のオファーが来たのにスケジュールを空けられず断った経緯のあるヴィジャイ陣営は、きっと【Mudhalvan】に出られなかったことが相当悔しくて、その3年後、こういう【Thamizhan】という映画を作ったんじゃないかと推察します。
原作は、ヴィジャイのパパだし、
プロデューサーも、マニラトナム監督の兄、GVだし。

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でも、残念ながら、ヒット作とはいえなかった模様。
GVは、この映画を含む同時期の何作のプロデュース作でことごとく惨敗したとされ、その失敗を理由とする借金苦で翌年自殺するという事態になりました。
ラジニカーントが、この件について「【Thamizhan】もよい作品だったのに。。。」とコメントをしています。→ニュース記事

いろいろな方面で苦い味を残す形になってしまった本作ですが、主張のないご都合主義なタミル映画も多い中、この映画は硬派なつくりで、私は好印象です。

(これを書いてる2011年現在のヴィジャイがこの映画を演じていたなら、もっと傑作になっていたんじゃないかと思う!今のプリヤンカとも似合うと思う!)

また、タミルスターナイト2002のコンサートで、この映画に出演していないランバーとロージャーがこの映画の曲を使用して踊ったりしているので、曲はなかなかのヒットだったんじゃないかと。

キーワード

Mudhalvan】のできそこない
映画の主張は素晴しい
あの頃のヴィジャイには時期尚早だったかもしれないが、出た意義はある
ヴィジャイの「タミルを救う男」路線の初期か(ただし、「法律」で救う男)
同時期のプラシャーントの方が当時については上か
プラシャーントとの「タミル対決」はプラシャーントに軍配、も納得
プリヤンカがおばさんくさい(現在の方が断然ヨイ)
ヴィジャイが腰回りを中心に太ってて、細いプリヤンカとまったく合わない
(今のヴィジャイと共演していれば、結構おもしろいコンビかもしれない)

2011年5月7日Ayngaran製DVD(英国・英語字幕つき)にて初鑑賞。

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