Title : R…Rajkumar (アール・ラージクマール) (2013年 Hindi 146分)
Director : Prabhudeva(プラブデーヴァー)
Music :Pritam, Sandeep Chowta (background score)
Starring : Shahid Kapoor(シャーヒド・カプール), Sonakshi Sinha(ソーナクシー・シンハー), Sonu Sood(ソーヌ・スード)
Released:6 December 2013
とある村に、どこからかやってきたちょっと童顔の青年(シャーヒド・カプール)が、村のならず者(ソーヌ・スード)の右腕になったが、対抗勢力のドンの姪っ子(ソーナクシー・シンハー)に一目惚れ。さらには自分のボスも彼女に運命の一目惚れをし、「ピャール・ピャール・ピャール、ヤ、マール・マール・マール♪」(Love, Love, Love, or ,Fight, Fight, Fight) 恋を取るか、ビジネスを取るか、闘うか?
お茶目でロマンティックでカラフルな、アクション・コメディ・ロマンス映画!
インドのマイケル・ジャクソンこと、プラブデーヴァーが監督しているだけあって、出身の南インド的テイストたっぷりで、リズム感・スピード感に溢れている、恋して・踊って・アクションして!な、実にインド映画らしいインド映画。
キャスト・スタッフ
Shahid Kapoor,Sonakshi Sinha, Sonu Sood, Ashish Vidyarthi, Asrani, Mukul Dev, Srihari, Poonam Jhawer, Ashok Samarth, Charmy Kaur, Ragini Dwivedi (Special appearance in song “Kaddu Katega”), Scarlett Mellish Wilson (Special appearance in song “Kaddu Katega”)
Directed ,Story & Screenplay:Prabhu Deva, Produced:Viki Rajani, Sunil Lulla
Written:Shiraz Ahmed (dialogues) Screenplay:Sunil Agarwal, Ravi S Sundaram
Music:Pritam, Sandeep Chowta (background score)
Cinematography:Mohana Krishna
Editing:Ballu Saluja, Studio:Next Gen Films, Distributed:Eros International
Choreographer:Prabhu Dheva (Gandi Baat), Vishnu Deva (Saree Ke Fall Sa, Kaddu Katega), Bosco Caesar (Dhoka Dhadi), Shreedhar (Mat Mari)
むんむん’s コメント
コレオグラファーから出発し、俳優としても一定の成功をし、さらにはテルグ、タミル映画で監督としても成功したプラブデーヴァー。テルグ映画【Pokkiri】のタミルリメイク【Pokkiri】を監督した縁で、ヒンディーリメイク【Wanted】も監督。
それが好評で年々ヒンディー映画界でも監督としての地位を築きつつあるわけですが、これがヒンディー映画進出作品としては4作目?
It was an absolute pleasure working with @shahidkapoor he's a director's delight pic.twitter.com/xaIc4j35Lx
— Prabhudheva (@PDdancing) 2013, 10月 25
プラブデーヴァー大好きながら、実は彼のヒンディー映画監督作を観たのは初めて。
twitterで撮影中にときどきプラブデーヴァーがロケの様子を楽しそうにツイートしていて、ヴィジャイ映画を監督したときのスピード感が、ヒンディー映画でも活かされてるのかなあと興味しんしんで観ました。
シャーヒド・カプール出演映画を観るのも初めてだったのですが、ヒンディー映画界では今踊れる俳優としてトップクラスの方だったんですね。
タミルのヴィジャイ映画にどっぷり浸かってる私にも、とても親和性のある方でした。踊りもアクションもうまいし、腰というかおしりの使い方がヴィジャイ同様、すごくキュートで上手。こういう俳優さん、大好きだわ☆
その他にも、ヒンディー映画を見慣れない私にも見所いっぱいで楽しい映画でした。
なんというか、ヒンディー映画のおバカ路線とかコメディーが、私にはあんまり受け付けないところがあるんですけど、この映画ではイヤだと思うところがひとつもなかった。
南インド的テイストが、なんちゃってな感じではなくとてもサラッと入ってるところがよかったのかな。
シャーヒドと相棒のムクル・デーヴが女装で暗殺にいくところのシーンでの、サリーをナイフで木に投げ刺してくるくる回ってアクションするところなんか、すごく好きだな!動きとしては全然必要がなくてばかばかしいけど(笑)
こういう、ダンスとアクションがふんだんなタイプ(しかもカラフル!)のちょっと古臭いのかもしれない(たぶんこういうのは今どきのインド映画のメディアでは好評価はあんまり得られないと思われる。。。)けど「これぞインド映画」なインド映画、もっと日本に紹介されるといいなあ。
いまどきのインド映画は進化したからあんまり踊らないよ、みたいな紹介のされ方、そろそろ終わりでもいいんじゃないかな!?
インド映画はいろいろあるんだよ、歌って踊っての映画も、踊らない映画も、どっちもおもしろいのがいっぱいあるんだよ!
。。。とこの映画を観て、思いました。本当に、おもしろかったです!おススメ。
(ヒンディー映画的なみどころとかは、エルザさんのブログのこのページとかこのページとかが詳しいです。)
★ソーヌ・スード的鑑賞
1 of d best human beings n finest actors I know. He is going 2 be amazing in @rrthefilm my very sweet frnd @SonuSood pic.twitter.com/JeNM3HbOXk
— Prabhudheva (@PDdancing) 2013, 10月 26
プラシャーントの佳作【Majnu】 (2001, Tamil)で、クレジットなしで悪役テロリストを演じて映画デビューしたソーヌ・スード。
ソーヌ・スードが日本初紹介だった映画【チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター】。台詞もないのに意味深な笑顔のアップが何度もあり、いったい何者!?感がいっぱいの役。
この映画の演出を【R…Rajkumar】でも取り入れているとおぼしき場面もアリ。
(足の下のアングルから主人公を映すところとか。)
【チャンドラムキ】と【R…Rajkumar】、セットで観るとより楽しめること請け合い☆ →
クレジットなしだったのにかっこいいので、ずっと気になっていたら次に目にしたのが、2005年にシンガポールで観た【チャンドラムキ】(Tamil)。意味深な映り方してたのに、一方的にラジニにやっつけられて、使い捨てのような存在の役。なんなのコレ、状態。
その後は、2008年に同じくシンガポールで観た【Singh Is Kinng】(Hindi)。そのときの感想を引用すると、「ソーヌ・スードは、相変わらずムキムキしているようだけど、途中から車椅子生活なお笑い系ポジションな悪役でした。重要な役といえば重要な役だが、あんまり大したことないといえば大したことないような… 【チャンドラムキ】後、あんまり出世してないのかな?」(←なんというビミョーな感想。笑)
次に観たのが2009年のテルグ映画【Arundati】。強烈な悪役でした。あ、出世してる気がする、と思いました。
で今回の【R…Rajkumar】。私のソーヌ・スード鑑賞作品群が少なすぎるけど、【Majunu】以降ではダントツでヨイ!この映画のソーヌ・スードはムキムキで何気に健康オタクで、キャラクターに深みのあるお茶目な悪役。
オシャレさんでセクシーだけど英語コンプレックスがあって、あんなにカラダを鍛えててムキムキなのにダンスは苦手でおろおろしちゃって、恋した相手には結婚までは手を出しません的な律儀さも持ち合わせていて、いいですいいです。
彼がメインで踊ってる[Kaddu Katega]もキラキラカラフルで、モテモテで楽しくていいです。
↑ サントラの発表会のステージでこの曲を生でちょっと踊ったソヌさん。かっこいいネ!
こういうキャラクターが立ってる悪役さんだとほんと映画が盛り上がるね。
ソヌさんファンはマスト・ゲットな作品でしょう、たぶん!
昼ご飯のターリを食べてるときのラージクマールとのやりとりのシーンが結構ツボ。
ラージクマールが好物だという、チキン・パロタ(?)食べてみたいなあ。どんな食べものだろ。
Ashish Vidyarthi的鑑賞
普段タミル映画ばかりなので、ヒンディー映画の俳優さんは分からないなー、でも、なんか見覚えのある悪役さんがもうひとりいる、、、と思ったら、ラジニの【Baba】(2002, Tamil)でとっても印象的な悪役「イッポ・ラーマスワーミ」を演じてたおじちゃんが!そうだった、彼はヒンディー映画を中心に活躍されてる方でしたね。
表情豊かでこれまたお茶目な悪役でした。
対立しているソーヌ・スードはムキムキだけど、アシシュおじさんはヒンディー映画界のトレンドに逆らって(?)、お腹たぷたぷ、でも上半身ぬぎぬぎシーンがたっぷり!
タイプの違った、でも魅力的な悪役さんが揃って、映画がますます盛り上がりますわ~。
他にも、この映画が遺作という、テルグ映画界のシュリーハリが第3の悪役で。
恋かビジネスかを秤にかけて、カノジョを殺してしまった(そんなことで殺すのか、オイ)、という強烈なワル役。
この映画撮影中に亡くなったそうなので、撮影を全部撮りきってればもう少し彼の見せ場があったのかな。
ボスコ的、ダンス的鑑賞
Yesterday's pic RR Day 59 – Bosco starts shooting a romatic song pic.twitter.com/S0OyI6vbcg
— Prabhudheva (@PDdancing) 2013, 8月 25
昨年秋、【Yangistaan】ロケで来日していたBosco Caesarが、この映画でも1曲振付けてました。
【Yangistaan】六本木ロケ見学日記
間近で拝んだボスコさん、かっこよかったので、単純に彼が振りつけた映画は興味ありますね。この映画の担当曲[Dhokha Dhadi]、ロマンチックでいいじゃないですか、うん。
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他の方が振りつけた曲もほとんどハズレがありません。全部面白いし、ストーリーに絡んでます。ダンスクリップだけじゃなくて、映画本編として観た方が絶対に感動がより深くなるようなミュージカルシーンばかり。
1曲目[Gandi Baat]の、膝を使いまくるダンス(監督のプラブデーヴァー振付け)は、シャーヒドには地獄のようなヘビーなダンスだったようです(メイキングを見るに)が、映画の仕上がりはこの映画を象徴する、カラフルでスピード感があって、おバカ感がちりばめてあって、その後を期待させる高揚感バッチリ。
2曲目[Mat Mari]の、恋したら盲目~♪な、徹底的におバカに徹したダンスも秀逸。
この辺は、ヴィジャイの【Villu】(2009, Tamil)で見せていた、プラブデーヴァーの「恋するおバカ」路線(Villuのこの辺のあたりとか)がシャーヒドで実験されているようです。タミル映画ならではな演出でヒンディー映画ではハマるものかしら?と思ってましたが、シャーヒドの芸達者さも相まって、見事にヒンディー版でも昇華されてるじゃないですか!しつこく何度でもこの路線でプラブデーヴァーはやりたいのね♪と微笑ましく感じるとともに、【Villu】の進化形を観た思いがしました☆
(あー、またプラブデーヴァーとヴィジャイで組んで映画撮ってほしいなー!)
2014年2月日、 Eros International製DVD(英語字幕つき)で鑑賞。
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