Sangamam (サンガマン)

Indian Movies / インド映画の話

sangamamSangamam サンガマン(結合)

公開日)1999/07/16
言語)Tamil
監督) Suresh Krishna(スレーシュ・クリシュナー)
音楽) A.R.Rahman
DVD) DVD:Pyramid(字:英)
主役) Rahman(ラフマーン), Vindhya(ヴィンディヤー)
悪役) Vijayakumar, Radharavi
コメディアン) Vadivelu
共演) Manivannan, Thyagu, Charlie, Lavanya, Srividya, Delhi Ganesh, Krishnan, S.N.Lakshmi

Story) Bhoopathy Raja
Dialogue) E.Ramadass
振付) K.S.Raghuram; アクション監督) Shakti Varma 制作 / 提供) V.Natarajan/Pyramid Film International

その他スタッフ) 美術:Krishnamurthy, 編集:Sureshurs, 撮影:S.Saravanan, 音楽版権:Pyramid, Lyrics: Vairamuthu,

挿入歌

♪ Aalaala KaNdaa (M.S.Viswanathan, Hariharan)
♪ Sowkkiyamaa (Nithyasree Mahadevan)
♪ Varaaga Nadhik Karai (Shankar Mahadevan)
♪ Mudhal Murai (Sujatha, Srinivas)
♪ Maargazhith ThingaL Allavaa (S.Janaki, Unnikrishnan)
♪ Mazhaith ThuLi (M.S.Viswanathan, Hariharan)

見所

●マニヴァンナンの涙ものの大熱演。それからラブリーなおやじフォークダンス。(マニヴァンナン、他の映画ではめったに踊ってないしね!)
●ラフマーンの、役になりきった踊り。(特に最後の曲)
●A.R.ラフマーンの古典音楽ちっくなアプローチの曲。ものすごく気合が入っているぞっ。
●A.R.ラフマーンの曲ながら、一世代前の大音楽監督・M.S.ヴィシュワナーダンがゲストで歌っている!(映画でマニヴァンナンが歌っている部分)
●今や太ってしまったヴィンディヤーが、デビュー作ではこんなに妖精のように可憐だったのか、と唸ってしまう。

あらすじ

 Patteeswaram という農村( < Kumbakonam sub-district < Tanjavur district~タンジャーヴール地方北方)で、代々フォークダンスを踊っているアーヴダイピッライ(マニヴァンナン)一家。Thiruchi(Tiruchirappali~タンジャーヴールの西)の古典舞踊(バラタナーティヤム)の名家・シヴァシャンカルムールティ(ヴィジャイヤクマール)家。
Sikkalur(タンジャーヴール地方と映画内でテロップが出ているが検索してもよく分からず。)?のVisaka祭りで両家は同じステージに立つことになった。
シヴァシャンカルムールティの娘・アビラーミ(ヴィンディヤー)と、アーヴダイピッライの息子セルヴァン(ラフマーン)は、古典舞踊一家と民俗舞踊一家では生活習慣等がことごとく違い当初は反目しあっていたがやがて互いの踊りに敬意を表すようになり、恋に落ちていった。
 当初は二人をたしなめていたアビラーミの母(シュリーヴィディヤー)も、二人の一途な想いに心を動かされる。 やがて、セルヴァンの父も二人を祝福。
 しかし、久々に一張羅を着込み、フォークダンスの名手として授かった勲章を胸に、胸をはって息子の結婚を申し入れに行ったアーヴダイピッライに、シヴァシャンカルムールティは「私の家の踊りとおまえの家の踊りは格が違う! 結婚だなんて、身分不相応だ」と激怒。シヴァシャンカルムールティは相手を徹底的に侮辱し、追い返した。これを機に、若い二人の想いとは裏腹に、両家は対立していく。

 やがて、村のホールを寄付金を集めて建てることになった。
 シヴァシャンカルムールティは、自分の家からの寄付金だけで建てる、と主張。町のホールは町のものだからみんなで寄付するべきだ、私たちの踊りで、村の人々から寄付金を1ルピーでも多く稼ぐ、とアーヴダイピッライは反論。
 両家の対立は絶頂に達し…。

制作Note

●ヴィンディヤーのデビュー作。
2004年2月のインタビューで、ヴィンディヤーは、自分の一番好きな作品は【Sangamam】だと答えている。
●フロップとは言われるが、今でも時々映画記事の中にこの作品名が出てくるので、それなりに注目された作品だったと思われる。
●プレイバックシンガーのシャンカル・マハーデーヴァンは、タミル映画界ではこの映画がデビュー作(?)。
タミル系家系だがタミル外で育ったため、今回の古風なタミル語の歌い方は大苦戦したらしい。(DVDの特典映像インタビューの中で、本人談)

むんむん’s コメント

<<追記:2008.11.14>>
 古典側の音楽隊とフォーク側の音楽隊の楽器が完全に違うことに最近、気がつきました。(2008.11にシスター・チャンドラとシャクティの来日に伴いざっと見直したら気がついた。)
 はじめはおまえのところの音はうるさい!だの、対抗意識バリバリだったそれぞれの部隊が、中盤にお互いの村に帰っていく場面でそれぞれの自動車or牛車(!)の上でセッションするところ、今見ると、かなり感激なシーンではないか!これも「sangamam」。
 でも、この映画では古典とフォークの格を乗り越えた絆を描いているけれども、フォーク一座のラーヴァンヤーちゃんは、舞台で踊ることは一度もない。(舞台下で、ファミリーとなんとなく踊ってるところはあるにせよ)
 シスター・チャンドラが、「インドの男尊女卑は未だに激しく、ダリットの女性は、タップ太鼓を手にするどころか、フォークダンスを踊ることさえ禁じられてきたのよ。」と教えてくれたことが腑におちた。
 ラーヴァンヤーちゃんは、舞台にあがって踊ることを許されていなかったのだ!古典とフォークの結合もそうだけど、同じ身分同士の男女間の格差も乗り越えることは、この映画では叶わなかったんだなあと、かなりショックを受けました。シスター・チャンドラの試みが、どんなに長い時間はかかっても、少しずつ実を結んでいくよう、願わずにはいられません。


 過去何度も同じような内容の映画が作られた(シヴァージ・ガネーシャンの【Thilana Mohanambal】などが例にあげられている) 、とのことで、現地での評価は芳しくなく、ヒットしなかったそうです。
  が、主演のラフマーン(A.R.ラフマーンとは、綴りは同じですが、別の人です。)に’02年1月に遭遇した際、 「君たちはインド映画が好きなんだ。じゃあ、この映画を観た? この映画を観たら、昔ながらのタミルの生活や風景がよく分かるよ。ぜひ観てよ」と言わました。
 その後、音楽の評判は現地の人の間でもとてもよかったこともあり、先日字幕ナシのDVDで 鑑賞。
 字幕なしで理解できるか、不安でしたが、観て本当によかった!ものすごく泣けました!ラフマーンもいいけど、マニヴァンナンが、とにかく味のある演技を見せてくれます。

Sangamam DVD

(結局、昨年発売されたという英語字幕付きの新装版もゲットしちゃいました~♪おまけで関係者のインタビューがいろいろ入ってるけど、タミル語で話してて字幕ナシ…)
 スレーシュ・クリシュナー監督の情景描写がとにかく丁寧で、インドの美しい田園風景もふんだんに観ることができます。 A.R.ラフマーンの音楽も、同時期に出たものの中ではぶっちぎりで好きです。この映画、欠点(例えば、ヴィンディヤーが古典舞踊の名手の娘、という割にはあんまり上手じゃない、とか…)もたくさんあるけど、それを補うにあまり ある魅力に溢れています。 もっと早くインド映画ファンになって、公開当時にスクリーンで観たかったなあ。

(2003年2月、ピラミッド社DVDで鑑賞。2003.2.26記)

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