【Lingaa】日本自主上映会版、年末のインド版、マレーシア版の違いあれこれ

Indian Movies / インド映画の話

そろそろ書き留めておかないと忘れちゃうので、書いておこう。

日本でセルロイドさんの自主上映会【Lingaa】をインド公開日から約10日後に観て、その後年末にインド/ティルチラパッリとマレーシア/クアラ・ルンプールで観てきたのだけど、各地で上映が微妙に違っていたのでした。

インド(タミル)では12月12日の公開から1週間後に(長過ぎると一部で不評を買い)10分程度短縮版になったらしいというニュースがあり。
おそらく日本で観たのは完全版になるみたい。
日本で観た版を基準に、はっきり分かった違いをメモします。

●12月30日(火) Trichy LA Cinema Screen Rock 18:40の回

lingaaLACinema

(1)ソナクシがラジニ(リンゲーシュワラン)の元に直訴して働くようになってから、ソナクシがはりきりすぎて大粗相をしてしまい、ラジニに出て行け!と追い出された後。
ひとり夜遅くまで働くラジニがお腹すいた。。。と誰かを呼んでもみんな寝ている時間で食べるものが何もない。
そこに実はソナクシだけは起きていて得意のプットゥを作って外でラジニをそっと見守っていた、というくだりが大部分カット。(唐突にラジニがプットゥを食べた感じになっている)

→上記のエピソードがだいぶはしょられているため、ソナクシがプットゥ作りが上手で、リンゲーシュワランを探す人たちが旅先で出されたプットゥのおかげで誰がそこにいるか、ハッとする、という伏線が弱くなっている。
カットしない方がよかったなー。

(2)クライマックス前のモーフィングがカット!

→ 日本での上映時、日本人の間ではこのモーフィングでの現代への切り替えが絶妙だと評判がよかったのだけど。
モーフィングは、たぶんラジニの娘のサウンダリヤーがやったのだろうと思うけど、【パダヤッパ】の頃より格段に進歩してるし(笑)、私もリンガーのモーフィングが気に入ってたんだけどな。もったいない。

●12月31日(水) Kuala Lumpur Odeon Theatre 18:00の回

lingaaOdeon

尺はたぶんほとんど同じ。(もしかすると、バイオレンスにうるさいマレーシアなのでアクションシーンは若干はさみが入ってたかもしれないけど、私には分からなかった。)

(1)しかし、何しろ驚いたのが、字幕がマレー語!(しかも最後までちゃんと付いてた)
昔はマレーシアで観るタミル映画にたまにマレー語字幕がついていた記憶はあるけど、最後までついてたことはほとんどない。
近年(自分の経験では、2012年ヴィジャイの【Nanban】以降)、マレーシアでタミル映画を観るとほぼ確実に英語字幕がついていた。
インドでタミル映画を観てもほぼ英語字幕はつかないので、日本人が英語字幕付で楽しみたいならチケット代も安いマレーシアが結構おススメですよー、なんて言ったりするようになってたのだけど、英語字幕がつかないこともまだあるのだ、という発見(?)。

でも、逆にいえば、ラジニ映画をマレー語がネイティブな(インド系じゃない)マレーシア人も【Lingaa】を観に来られる環境になっていた(=それだけの需要があった)、といえるんじゃない? 少なくともインド系の人だけが観てるんじゃない、ということが推定できる。
(でも、私が観た回は、どう見てもインド系のお客さんしかいませんでしたけどね☆)

(2)イギリス人の台詞が、インド、日本版ではヴォイスオーバー方式で、英語でしゃべっている上にタミル語がかぶせられていたけれども、マレーシア版はタミル語の音量がやや弱めで、英語とタミル語の台詞が両方聞き取ることが可能なレベルだった。

→ インド版では英語をしゃべってるな、と分かる程度で英語で何をしゃべっているかまでは聞こえなかった。マレーシア版ではタミル語ネイティブじゃない観客のために英語部分を強くミキシング(?)した、ということでしょうか。

●●●

日本で「自主上映」だと、一般公開ではないし日本語字幕ついてないしで不満もなきにしもあらずですけれども、逆に「自主上映」だからこそ「検閲」等のバイアスがかかってなくて、実は「完全版」を観るという意味では、自主上映こそが理想的だったりするのかしら、という気がしてきますね。(【Kaththi】もインドでもマレーシアでもなく、日本が完全版でしたからねえ。)


もしリンガーが日本で正式公開になったとしたら、短縮版になりそうな気がしますし(なんといっても【ロボット】(Enthiran the Robot)のような「壮絶な」日本独自短縮版という前例もございます故。。。)、自主上映でも観ておいてよかった、今インド(タミル)で観ても完全版で観られないんですからね!

ということで、与えられた環境でまずインド映画を楽しむ、ということは実は最高な環境だったりすることもありえるから素直に楽しみましょう、と妙に納得した、リンガー体験でございました♪

コメント

タイトルとURLをコピーしました